公開日 2014/11/26 18:14
HQMストアでDSD配信開始。スタジオマスターシリーズにペドロ&カプリシャスや長谷川きよしが登場
(株)クリプトンは、同社が運営する高音質音楽配信サイト「HQM Store」にて、アナログマスターテープを元にした「スタジオマスターシリーズ」に2タイトルを追加。またDSD音源の取扱いを開始することをアナウンスした。
今回配信されるアルバムは以下のとおり。12月29日よりHQMストアにて発売される。
■ペドロ&カプリシャス 192kHz/24bit ¥3,500(税抜)
・BEST HITS
・COVERS
・Special Live 1977(1-1)
・Special Live 1977(2-2)
■長谷川きよし 192kHz/24bit/DSD 2.8MHz ¥3,500(税抜)
・一人ぼっちの詩
・透明なひとときを
・卒業
・いにしえ坂
■ペドロ&カプリシャスはベストアルバムや未CD化の音源をハイレゾ化
今年4月からスタートし、森山良子やチューリップなどを揃えて好評を博している「スタジオマスターシリーズ」に、新タイトルが加わる。いずれもマスタリングは中央林間にある「JVCマスタリングセンター」で行われ、同社の杉本一家氏が担当した。マスタリング作業はこの中のひとつである杉本氏の専用ルームにて実施。またマスタリングにあたっては、この杉本ルームのデジタル化システムにクリプトンのオーディオアクセサリー群が加えられ、音質チューニングを施している。
ペドロ&カプリシャスは、ボーカルに高橋真梨子(当時は高橋まり)を擁し、彼らの最盛期とも言える時代のタイトルをラインナップ。「BEST HITS」はHQMストアでの配信のために特別編成したベストアルバムで、「ジョニィへの伝言」「五番街のバリーへ」などの名曲を収めている。また「COVERS」は洋楽のスタンダードナンバーを収録している。
そして「Special Live」は、1977年に立川市民会館で行われたライブを完全収録。こちらはアナログレコードの発売以降、CDなどのソフト化はされていなかった。現在ではほぼ聴くことができなくなってしまった音源がハイレゾで楽しめるようになったというわけだ。
■長谷川きよしはPCMもDSD配信も実施
長谷川きよしは1969年のデビュー以来、高い歌唱力とギターテクニックで70年代前半のフォークシーンをリードした盲目のシンガーソングライター。ヒット曲「別れのサンバ」などを収めたファーストアルバム「一人ぼっちの詩」を筆頭に4タイトルをラインナップする。マスターテープの状態が非常に良かったこともあり、今回は192kHz/24bit PCMに加えてDSD 2.8MHzでの配信も行われることとなった。
ペドロ&カプリシャスの配信権利を持ち長谷川きよしの原盤を保有するのは、音楽出版社として70年以上の歴史を持つ(株)シンコーミュージック。同社取締役 著作権部長 吉田聡志氏は今回配信が決まったタイトルについて「ペドロ&カプリシャスは非常に実力の高いメンバーが揃っており、今回聴いて日本一のラテン・サルサバンドだなと改めて実感した。アナログレコード以来のリリースとなる『Special Live 1977』は、演奏のうまさ、高橋さんのボーカルの素晴らしさ、SNの高さなど『ほんとにライブ?!』と驚いてしまうはず。また長谷川きよしさんはデビュー曲『別れのサンバ』が大ヒットして注目を集めた方。歌はもちろんギターのテクニックも素晴らしい。今回はマスターテープの状態が非常に良かったため、DSD配信も決めた」と語っていた。
■どう作られたDSD音源なのかをロゴマークで表示
DSD配信のスタートでは後発にあたるHQMストア。同社の樋泉氏は「だいぶ前から要望はいただいていたが、HQMストアが掲げる“ハイクオリティミュージック”という看板に背かないよう検討を重ね、今回の配信開始に至った」と説明する。同社のDSD配信に対する姿勢でユニークなのは「どうやって作られたDSD音源なのかを明らかにする」「音質的な面からラインナップはdiffのみ」という点だ。
DSDは音の波形を1bitのデジタルパルスの粗密で表現するという性質上、クロックが伸び縮みするため編集が行えないという特徴がある。そのため一発録り以外のDSD音源は「アナログマスター音源を一度PCMに変換して編集し、DSDで保存する」もしくは「PCMマスター音源を編集し最終的にDSDに変換する」という方法をとることになる。当然両者間では音の違いが出てくるが、配信される際にはどちらも「DSD音源」となり区別がつかない。クリプトンは「DSDの制作過程が不明確でDSDフォーマットがもつ本来の特徴を活かしきれているかが、お客様からみてわかりにくい」と考え、制作過程を明らかにするロゴマークを制作。対象タイトルに付与していく。
長谷川きよしの音源については、アナログマスターテープを一旦DXDフォーマット(352.8kHz/24bit)に変換して編集。最終的にDSDフォーマットで保存しているため、下記のロゴが付与される。
また、配信は当初diff形式でのみ行う。DSDフォーマットには「dsf」と「diff」の2種類があり、両者の違いはファイルのヘッダー部分のみ。そのため音質面では変わりがないはずなのだが、クリプトンの検証によると「diffの方が音が良かった」という。diffはメタデータ(曲情報やジャケットデータなど)が記録できないというデメリットはあるが、音質的なメリットを重視し採用を決めたとのことだ。
同社の渡邊氏は「単なる数字競争は意味が無い。どういうかたちでDSDになった音源か?を明確にする、トレーサビリティを大事にしたい」と語った。
今回配信されるアルバムは以下のとおり。12月29日よりHQMストアにて発売される。
■ペドロ&カプリシャス 192kHz/24bit ¥3,500(税抜)
・BEST HITS
・COVERS
・Special Live 1977(1-1)
・Special Live 1977(2-2)
■長谷川きよし 192kHz/24bit/DSD 2.8MHz ¥3,500(税抜)
・一人ぼっちの詩
・透明なひとときを
・卒業
・いにしえ坂
■ペドロ&カプリシャスはベストアルバムや未CD化の音源をハイレゾ化
今年4月からスタートし、森山良子やチューリップなどを揃えて好評を博している「スタジオマスターシリーズ」に、新タイトルが加わる。いずれもマスタリングは中央林間にある「JVCマスタリングセンター」で行われ、同社の杉本一家氏が担当した。マスタリング作業はこの中のひとつである杉本氏の専用ルームにて実施。またマスタリングにあたっては、この杉本ルームのデジタル化システムにクリプトンのオーディオアクセサリー群が加えられ、音質チューニングを施している。
ペドロ&カプリシャスは、ボーカルに高橋真梨子(当時は高橋まり)を擁し、彼らの最盛期とも言える時代のタイトルをラインナップ。「BEST HITS」はHQMストアでの配信のために特別編成したベストアルバムで、「ジョニィへの伝言」「五番街のバリーへ」などの名曲を収めている。また「COVERS」は洋楽のスタンダードナンバーを収録している。
そして「Special Live」は、1977年に立川市民会館で行われたライブを完全収録。こちらはアナログレコードの発売以降、CDなどのソフト化はされていなかった。現在ではほぼ聴くことができなくなってしまった音源がハイレゾで楽しめるようになったというわけだ。
■長谷川きよしはPCMもDSD配信も実施
長谷川きよしは1969年のデビュー以来、高い歌唱力とギターテクニックで70年代前半のフォークシーンをリードした盲目のシンガーソングライター。ヒット曲「別れのサンバ」などを収めたファーストアルバム「一人ぼっちの詩」を筆頭に4タイトルをラインナップする。マスターテープの状態が非常に良かったこともあり、今回は192kHz/24bit PCMに加えてDSD 2.8MHzでの配信も行われることとなった。
ペドロ&カプリシャスの配信権利を持ち長谷川きよしの原盤を保有するのは、音楽出版社として70年以上の歴史を持つ(株)シンコーミュージック。同社取締役 著作権部長 吉田聡志氏は今回配信が決まったタイトルについて「ペドロ&カプリシャスは非常に実力の高いメンバーが揃っており、今回聴いて日本一のラテン・サルサバンドだなと改めて実感した。アナログレコード以来のリリースとなる『Special Live 1977』は、演奏のうまさ、高橋さんのボーカルの素晴らしさ、SNの高さなど『ほんとにライブ?!』と驚いてしまうはず。また長谷川きよしさんはデビュー曲『別れのサンバ』が大ヒットして注目を集めた方。歌はもちろんギターのテクニックも素晴らしい。今回はマスターテープの状態が非常に良かったため、DSD配信も決めた」と語っていた。
■どう作られたDSD音源なのかをロゴマークで表示
DSD配信のスタートでは後発にあたるHQMストア。同社の樋泉氏は「だいぶ前から要望はいただいていたが、HQMストアが掲げる“ハイクオリティミュージック”という看板に背かないよう検討を重ね、今回の配信開始に至った」と説明する。同社のDSD配信に対する姿勢でユニークなのは「どうやって作られたDSD音源なのかを明らかにする」「音質的な面からラインナップはdiffのみ」という点だ。
DSDは音の波形を1bitのデジタルパルスの粗密で表現するという性質上、クロックが伸び縮みするため編集が行えないという特徴がある。そのため一発録り以外のDSD音源は「アナログマスター音源を一度PCMに変換して編集し、DSDで保存する」もしくは「PCMマスター音源を編集し最終的にDSDに変換する」という方法をとることになる。当然両者間では音の違いが出てくるが、配信される際にはどちらも「DSD音源」となり区別がつかない。クリプトンは「DSDの制作過程が不明確でDSDフォーマットがもつ本来の特徴を活かしきれているかが、お客様からみてわかりにくい」と考え、制作過程を明らかにするロゴマークを制作。対象タイトルに付与していく。
長谷川きよしの音源については、アナログマスターテープを一旦DXDフォーマット(352.8kHz/24bit)に変換して編集。最終的にDSDフォーマットで保存しているため、下記のロゴが付与される。
また、配信は当初diff形式でのみ行う。DSDフォーマットには「dsf」と「diff」の2種類があり、両者の違いはファイルのヘッダー部分のみ。そのため音質面では変わりがないはずなのだが、クリプトンの検証によると「diffの方が音が良かった」という。diffはメタデータ(曲情報やジャケットデータなど)が記録できないというデメリットはあるが、音質的なメリットを重視し採用を決めたとのことだ。
同社の渡邊氏は「単なる数字競争は意味が無い。どういうかたちでDSDになった音源か?を明確にする、トレーサビリティを大事にしたい」と語った。