公開日 2014/12/11 18:32
Astell&Kern、予価160万円のネットワークプレーヤー「AK500N」を受注生産
ステンレスボディのAK240も参考出展
アユートは、iriverによるAstell&Kernブランドのネットワークプレーヤー「AK500N」を2015年1月より受注開始する。予価は160万円前後(税込)。カラーはシルバーとブラックを用意する。
本機は2014年7月に開催された「ポタ研2014」で先行して発表されたモデル(関連ニュース)で、今回正式に発表されたかたち。本日開催された発表会では、AK500Nと同ラインナップとなるパワーアンプ「AK500A」、パワーサプライ「AK500P」も世界初披露された。発売時期は来年を予定しており、価格や詳細は順次アナウンスしていくとのこと。
AK500Nは標準で1TBのSSDを内蔵し、リッピングサーバー機能を搭載。ネットワーク再生機能、USB-DAC機能に加え、プリアンプ機能、操作用のタッチパネル・ディスプレイも本体に内蔵するなど、ネットオーディオ関連機能を1台に集約している。また、リチウムバッテリー内蔵によるバッテリー駆動を採用し、ノイズ除去を徹底した点も大きな特徴だ。
発表会では、輸入元である(株)アユート代表取締役社長の渡邊慎一氏が挨拶。さらにはiriver LimitedのVice Presidentであるジェイムス・リー氏も登場した。AK500Nの概要のプレゼンテーションは、アユートの藤川氏が行った。
■384kHz/32bit PCMや5.6MHz DSD再生に対応。リアルタイムDSD変換も可能
内蔵SSDに取り込んだ音源、およびネットワーク再生については、384kHz/32bit(Integer/float)までのPCM、および5.6/2.8MHz DSDに対応。対応フォーマットは、PCM系がWAV、AIFF、FLAC、ALAC、APE、AAC、WMA、MP3、OGG。DSD系がDSF、DFFとなる。
USB-DAC再生についても、384kHz/32bit PCMや5.6MHz DSDに対応。ほかにも、本体側面に搭載した各種端子からUSBメモリー、外付けHDD、microSDカードに保存した音源を直接再生できる。もちろん、同一LAN上のNASに保存した音源をネットワーク再生することも可能だ。
また、PCMファイルをリアルタイムで2.8MHz DSDに変換して再生することもできる。384kHz/32bit・24bitのPCM(DXD)については、品質劣化なく2.8MHz DSDに変換することができる。PCM再生時のDSD変換はオン/オフが可能だ。
なお、D/A部についてはデュアルモノラルのDAC構成を採用。DACデバイスはシーラス・ロジック「CS4398」を2基、L/R独立で配置している。
■バッテリー駆動による“パーフェクトノイズアイソレーション”
特徴的なのは10,400mAhのリチウムイオン・バッテリーを内蔵し、バッテリー駆動ができる点。バッテリー駆動により物理的に外部ノイズを遮断でき、電源リップルノイズも50mVp-p以下に制御できるため(最大負荷5A時)、ピュアなサウンドが実現できるとしている。バッテリー駆動は最大7時間が可能で、SMPS機能によりバッテリー残量が5%を切ると自動的に外部電源からの充電/駆動が開始される。
同社はこのバッテリー駆動によるノイズ対策を“パーフェクトノイズアイソレーション”と謳っており、「AK240をはじめとするハイエンド・ポータブルプレーヤーを手がけてきたAstell&Kernならではの発想」と紹介していた。
■CDリッピングは最適化した“CDparanoia”エンジンとクロック生成で高精度化
スロットイン式のCDドライブを内蔵し、CDをWAVまたはFLACでリッピングすることができる。リッピングエンジンには、Mac専用リッピングソフトの定番「XLD」などにも採用されている「CDparanoia」を本機専用に最適化して採用。リッピングの際には高品質クロックジェネレーターによるエンハンスドジッターとエラー補正が働き、“完璧なリッピングをサポートする”としている。
また、リッピングの際にはgracenoteのデータベースを採用して、インターネット経由でアルバムアートや楽曲情報などのメタデータを自動取得できる。リッピングの速度は「通常」と「高速」から選択可能で、読み取ったCDに傷がある場合や読み取りエラーが起きた場合は、リッピング完了後の画面にその旨が表示される。なお、CDドライブはリッピング専用で、CDを直接再生することはできない。
発表会では、CDリッピングのデモも実施。リッピングからメタデータの自動取得、そして試聴までの流れが実演された。なお、読み取り形式がWAVとFLACのみの対応になっている点については「アユートからiriverに、ALACやAIFFでの取り込みにも対応するように要請しているので、アップデートでの対応フォーマット追加もあり得る」とのことだ。
■内蔵SSDは最大4TBまで増設が可能
SSDは標準で1TBの内蔵だが、スロットは4ベイを内蔵しており、最大4TBまでの増設が可能。RAID構成にも対応している。内蔵SSDの容量、RAID構成の有無は受注時に変更を受け付ける。また、購入後のSSD増設にも対応予定とのこと。なお、外付けHDDを接続することで、ライブラリのバックアップを取ることも可能だ。
■マッターホルンの大自然にインスパイアされた筐体デザイン
特徴的なデザインの筐体はオールアルミ製で、正面部分の厚みは約4cm。1枚のアルミブロックから、様々な工程を経て加工・削り出しされているとのこと。デザインについては、マッターホルン山をモチーフとして雄大さ、荒々しくも美しい大自然を表現した。藤川氏は「AKシリーズのチーフデザイナーは登山愛好家で、実際にマッターホルンに登ったこともあります。彼はこの山の光と陰影の描写に感銘を受けて、AK500Nの筐体に多面体フェイスを採用しました」と説明する。
本体上部には7インチのタッチパネル・ディスプレイ(解像度1280×800)を搭載、入力切り替えからライブラリの検索、リッピング、再生など各種操作を行うことができる。タッチパネルは折りたたんで収納することもできる。また、本体の左側面には大口径のボリュームが搭載されている。
■ネットワーク経由でNAS内の音源をコピー可能。AK240への配信もできる
DLNAに対応し、同一ネットワーク上のPCやNASの音源を再生することも可能。本体ディスプレイの他、スマートフォンやタブレットからも汎用アプリを使って操作できる。
また、同一ネットワーク上のPCやNASに保存されている音源を、AK500Nの内蔵SSDにダウンロードして再生することもできる。さらに、AK240やAK120II、AK100IIなどの第二世代AKシリーズから、AK500N内の音源をストリーミングおよびダウンロードして再生できる。
■プリアンプを内蔵。多彩なアナログ/デジタル入出力を搭載
アナログ出力はボリューム固定のXLRおよびRCA端子を各1系統、ボリューム可変のXLRおよびRCA端子を各1系統搭載。また側面部には、ヘッドホン向けに2.5mmバランス端子、3.5mmステレオミニ端子、6.3mmステレオ標準端子を搭載している。デジタル入力はAES/EBU、光、同軸、BNCを搭載。デジタル出力についてもAES/EBU、光、同軸、BNCを備える。各入出力の切り替えは、本体ディスプレイに表示される背面端子のイラストの各部をタッチすることで、直感的に切り替えることができる。
USBメモリーや外付けUSB-HDDなどの外部ストレージ接続用には、USB-A端子を2系統(背面、および側面)搭載。ネットワークについては、有線LAN接続およびWi-Fi接続が可能で、背面にWi-Fi用アンテナを備えている。外形寸法は214W×243H×238Dmm、質量は11.4kg。
■「AK240」をベースに、“ポータブル”から“デスクトップ”へ進化
藤川氏はAK500Nの開発コンセプトについても紹介。Astell&Kernが2014年2月に発売したフラグシップとなるハイレゾオーディオプレーヤー「AK240」(関連ニュース)がAK500Nのベースになった。また、ジェイムス・リー社長は、「AK240を世界的にプロモーションする中で『ポータブルだけではなくデスクトップオーディオも展開してほしい』という要望が多く寄せられ、開発の契機になった」と説明していた。
すでにAK500Nはドイツや中国で発売が開始されているが、パワーアンプ「AK500A」、パワーサプライ「AK500P」が公開されたのは今回の発表会が世界初とのこと。詳細について今回は明かされなかったが、来年初頭には具体的な情報をアナウンスするとのこと。
パワーサプライ「AK500P」はAK500NとAK500Pのそれぞれに電源を供給するが、発表会の質疑応答では、バッテリー駆動を採用したAK500Nへ電源供給を行う意義について質問の声も上がった。これに対して藤川氏は「音質を向上させるために電源の強化が有効」と説明していた。
ユニークだったのは、AK500N、AK500A、AK500Pをマウントする専用スタンドにLEDライトが搭載されている点。多面体の筐体表面に微妙な陰影を与え、存在感を強調している。LEDライトへの給電はAK500Pから行われるのだが、このライトは色を変えることが可能。筐体の印象のちがいも楽しめる。
発表会ではAstell&Kernのチーフデザイナーをはじめとする開発の中心メンバーの3人が紹介された。
■山之内正氏がAK500Nのポイントを解説。「バッテリー駆動に注目したい」
発表会にはオーディオ評論家の山之内正氏がゲスト出演。AK500Nの革新性として「オールインワンシステムの実現」「バッテリー駆動」「PCM音源のリアルタイムDSD変換再生」を挙げ、「近い将来ネットオーディオで実現してほしいと思っていた機能のいくつかが、AK500Nによって実現された」と本機を評していた。
また、本機の仕様面での詳細についても言及。特にバッテリー駆動について触れ、「オーディオ的に見た際の注目点はやはりバッテリー駆動。これまでもバッテリー内蔵のプリアンプなどがハイエンドオーディオにおいて登場してきたが、主流にはならなかった。しかし、ネットワークプレーヤーの消費電力は10W程度なので、バッテリー駆動が可能な範囲だ。最大駆動時間が7時間ならば、バッテリーを意識することなく一日音楽が聴けるだろう」とコメントした。
AK500Nがネットオーディオに関連する機能をほぼ一台でまかなえる点については、「ネットワーク再生は次世代オーディオとして期待されてきたが、プレーヤー以外に周辺機器が必要で設定の煩雑さもあり、普及のハードルになっていた部分があった。AK500Nのように1台でリッピングから再生まで行える点は評価できる」と感想を述べていた。
また、今後の要望として「AK500Nからハイレゾ配信音源を直接ダウンロードできる仕様を実現してほしい」とコメント。これに対して藤川氏は「iriverの本拠地である韓国国内では、iriverが自社運営する配信サイトから直接ダウンロードすることが可能になっている。日本において実現するためには様々なハードルがあるが、配信サイトにも働きかけを行っていきたい」と答えていた。
■ステンレスボディのAK240が参考出展
また、会場にはステンレスボディを採用したAK240が参考出展。価格や発売時期などの詳細は未定とのことだが、「ボディがステンレスになったことでかなり音が変わっている」(藤川氏)とのことだった。
本機は2014年7月に開催された「ポタ研2014」で先行して発表されたモデル(関連ニュース)で、今回正式に発表されたかたち。本日開催された発表会では、AK500Nと同ラインナップとなるパワーアンプ「AK500A」、パワーサプライ「AK500P」も世界初披露された。発売時期は来年を予定しており、価格や詳細は順次アナウンスしていくとのこと。
AK500Nは標準で1TBのSSDを内蔵し、リッピングサーバー機能を搭載。ネットワーク再生機能、USB-DAC機能に加え、プリアンプ機能、操作用のタッチパネル・ディスプレイも本体に内蔵するなど、ネットオーディオ関連機能を1台に集約している。また、リチウムバッテリー内蔵によるバッテリー駆動を採用し、ノイズ除去を徹底した点も大きな特徴だ。
発表会では、輸入元である(株)アユート代表取締役社長の渡邊慎一氏が挨拶。さらにはiriver LimitedのVice Presidentであるジェイムス・リー氏も登場した。AK500Nの概要のプレゼンテーションは、アユートの藤川氏が行った。
■384kHz/32bit PCMや5.6MHz DSD再生に対応。リアルタイムDSD変換も可能
内蔵SSDに取り込んだ音源、およびネットワーク再生については、384kHz/32bit(Integer/float)までのPCM、および5.6/2.8MHz DSDに対応。対応フォーマットは、PCM系がWAV、AIFF、FLAC、ALAC、APE、AAC、WMA、MP3、OGG。DSD系がDSF、DFFとなる。
USB-DAC再生についても、384kHz/32bit PCMや5.6MHz DSDに対応。ほかにも、本体側面に搭載した各種端子からUSBメモリー、外付けHDD、microSDカードに保存した音源を直接再生できる。もちろん、同一LAN上のNASに保存した音源をネットワーク再生することも可能だ。
また、PCMファイルをリアルタイムで2.8MHz DSDに変換して再生することもできる。384kHz/32bit・24bitのPCM(DXD)については、品質劣化なく2.8MHz DSDに変換することができる。PCM再生時のDSD変換はオン/オフが可能だ。
なお、D/A部についてはデュアルモノラルのDAC構成を採用。DACデバイスはシーラス・ロジック「CS4398」を2基、L/R独立で配置している。
■バッテリー駆動による“パーフェクトノイズアイソレーション”
特徴的なのは10,400mAhのリチウムイオン・バッテリーを内蔵し、バッテリー駆動ができる点。バッテリー駆動により物理的に外部ノイズを遮断でき、電源リップルノイズも50mVp-p以下に制御できるため(最大負荷5A時)、ピュアなサウンドが実現できるとしている。バッテリー駆動は最大7時間が可能で、SMPS機能によりバッテリー残量が5%を切ると自動的に外部電源からの充電/駆動が開始される。
同社はこのバッテリー駆動によるノイズ対策を“パーフェクトノイズアイソレーション”と謳っており、「AK240をはじめとするハイエンド・ポータブルプレーヤーを手がけてきたAstell&Kernならではの発想」と紹介していた。
■CDリッピングは最適化した“CDparanoia”エンジンとクロック生成で高精度化
スロットイン式のCDドライブを内蔵し、CDをWAVまたはFLACでリッピングすることができる。リッピングエンジンには、Mac専用リッピングソフトの定番「XLD」などにも採用されている「CDparanoia」を本機専用に最適化して採用。リッピングの際には高品質クロックジェネレーターによるエンハンスドジッターとエラー補正が働き、“完璧なリッピングをサポートする”としている。
また、リッピングの際にはgracenoteのデータベースを採用して、インターネット経由でアルバムアートや楽曲情報などのメタデータを自動取得できる。リッピングの速度は「通常」と「高速」から選択可能で、読み取ったCDに傷がある場合や読み取りエラーが起きた場合は、リッピング完了後の画面にその旨が表示される。なお、CDドライブはリッピング専用で、CDを直接再生することはできない。
発表会では、CDリッピングのデモも実施。リッピングからメタデータの自動取得、そして試聴までの流れが実演された。なお、読み取り形式がWAVとFLACのみの対応になっている点については「アユートからiriverに、ALACやAIFFでの取り込みにも対応するように要請しているので、アップデートでの対応フォーマット追加もあり得る」とのことだ。
■内蔵SSDは最大4TBまで増設が可能
SSDは標準で1TBの内蔵だが、スロットは4ベイを内蔵しており、最大4TBまでの増設が可能。RAID構成にも対応している。内蔵SSDの容量、RAID構成の有無は受注時に変更を受け付ける。また、購入後のSSD増設にも対応予定とのこと。なお、外付けHDDを接続することで、ライブラリのバックアップを取ることも可能だ。
■マッターホルンの大自然にインスパイアされた筐体デザイン
特徴的なデザインの筐体はオールアルミ製で、正面部分の厚みは約4cm。1枚のアルミブロックから、様々な工程を経て加工・削り出しされているとのこと。デザインについては、マッターホルン山をモチーフとして雄大さ、荒々しくも美しい大自然を表現した。藤川氏は「AKシリーズのチーフデザイナーは登山愛好家で、実際にマッターホルンに登ったこともあります。彼はこの山の光と陰影の描写に感銘を受けて、AK500Nの筐体に多面体フェイスを採用しました」と説明する。
本体上部には7インチのタッチパネル・ディスプレイ(解像度1280×800)を搭載、入力切り替えからライブラリの検索、リッピング、再生など各種操作を行うことができる。タッチパネルは折りたたんで収納することもできる。また、本体の左側面には大口径のボリュームが搭載されている。
■ネットワーク経由でNAS内の音源をコピー可能。AK240への配信もできる
DLNAに対応し、同一ネットワーク上のPCやNASの音源を再生することも可能。本体ディスプレイの他、スマートフォンやタブレットからも汎用アプリを使って操作できる。
また、同一ネットワーク上のPCやNASに保存されている音源を、AK500Nの内蔵SSDにダウンロードして再生することもできる。さらに、AK240やAK120II、AK100IIなどの第二世代AKシリーズから、AK500N内の音源をストリーミングおよびダウンロードして再生できる。
■プリアンプを内蔵。多彩なアナログ/デジタル入出力を搭載
アナログ出力はボリューム固定のXLRおよびRCA端子を各1系統、ボリューム可変のXLRおよびRCA端子を各1系統搭載。また側面部には、ヘッドホン向けに2.5mmバランス端子、3.5mmステレオミニ端子、6.3mmステレオ標準端子を搭載している。デジタル入力はAES/EBU、光、同軸、BNCを搭載。デジタル出力についてもAES/EBU、光、同軸、BNCを備える。各入出力の切り替えは、本体ディスプレイに表示される背面端子のイラストの各部をタッチすることで、直感的に切り替えることができる。
USBメモリーや外付けUSB-HDDなどの外部ストレージ接続用には、USB-A端子を2系統(背面、および側面)搭載。ネットワークについては、有線LAN接続およびWi-Fi接続が可能で、背面にWi-Fi用アンテナを備えている。外形寸法は214W×243H×238Dmm、質量は11.4kg。
■「AK240」をベースに、“ポータブル”から“デスクトップ”へ進化
藤川氏はAK500Nの開発コンセプトについても紹介。Astell&Kernが2014年2月に発売したフラグシップとなるハイレゾオーディオプレーヤー「AK240」(関連ニュース)がAK500Nのベースになった。また、ジェイムス・リー社長は、「AK240を世界的にプロモーションする中で『ポータブルだけではなくデスクトップオーディオも展開してほしい』という要望が多く寄せられ、開発の契機になった」と説明していた。
すでにAK500Nはドイツや中国で発売が開始されているが、パワーアンプ「AK500A」、パワーサプライ「AK500P」が公開されたのは今回の発表会が世界初とのこと。詳細について今回は明かされなかったが、来年初頭には具体的な情報をアナウンスするとのこと。
パワーサプライ「AK500P」はAK500NとAK500Pのそれぞれに電源を供給するが、発表会の質疑応答では、バッテリー駆動を採用したAK500Nへ電源供給を行う意義について質問の声も上がった。これに対して藤川氏は「音質を向上させるために電源の強化が有効」と説明していた。
ユニークだったのは、AK500N、AK500A、AK500Pをマウントする専用スタンドにLEDライトが搭載されている点。多面体の筐体表面に微妙な陰影を与え、存在感を強調している。LEDライトへの給電はAK500Pから行われるのだが、このライトは色を変えることが可能。筐体の印象のちがいも楽しめる。
発表会ではAstell&Kernのチーフデザイナーをはじめとする開発の中心メンバーの3人が紹介された。
■山之内正氏がAK500Nのポイントを解説。「バッテリー駆動に注目したい」
発表会にはオーディオ評論家の山之内正氏がゲスト出演。AK500Nの革新性として「オールインワンシステムの実現」「バッテリー駆動」「PCM音源のリアルタイムDSD変換再生」を挙げ、「近い将来ネットオーディオで実現してほしいと思っていた機能のいくつかが、AK500Nによって実現された」と本機を評していた。
また、本機の仕様面での詳細についても言及。特にバッテリー駆動について触れ、「オーディオ的に見た際の注目点はやはりバッテリー駆動。これまでもバッテリー内蔵のプリアンプなどがハイエンドオーディオにおいて登場してきたが、主流にはならなかった。しかし、ネットワークプレーヤーの消費電力は10W程度なので、バッテリー駆動が可能な範囲だ。最大駆動時間が7時間ならば、バッテリーを意識することなく一日音楽が聴けるだろう」とコメントした。
AK500Nがネットオーディオに関連する機能をほぼ一台でまかなえる点については、「ネットワーク再生は次世代オーディオとして期待されてきたが、プレーヤー以外に周辺機器が必要で設定の煩雑さもあり、普及のハードルになっていた部分があった。AK500Nのように1台でリッピングから再生まで行える点は評価できる」と感想を述べていた。
また、今後の要望として「AK500Nからハイレゾ配信音源を直接ダウンロードできる仕様を実現してほしい」とコメント。これに対して藤川氏は「iriverの本拠地である韓国国内では、iriverが自社運営する配信サイトから直接ダウンロードすることが可能になっている。日本において実現するためには様々なハードルがあるが、配信サイトにも働きかけを行っていきたい」と答えていた。
■ステンレスボディのAK240が参考出展
また、会場にはステンレスボディを採用したAK240が参考出展。価格や発売時期などの詳細は未定とのことだが、「ボディがステンレスになったことでかなり音が変わっている」(藤川氏)とのことだった。