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公開日 2015/05/18 14:44

【独HIGH END】MSBテクノロジーから、技術の枠を結集して誕生した「SELECT DAC」登場

MSBテクノロジー史上の「最高」を目指し開発
季刊NetAudio編集部・浅田陽介
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ドイツ・ミュンヘンで現地時間5月14日(木)〜17日(日)の4日間にわたり開催されたハイエンドオーディオイベント「Munich HIGH END2015」。世界的にハイレゾリューションという言葉が大きな盛り上がりを見せている昨今にあって、今年のHIGH ENDではとりわけこのブームの加速が感じられる内容となっていた。いずれのブースをのぞいても、デモンストレーションをハイレゾ音源で行うブースを多く目にすることができたが、今年はとりわけ「ハイサンプリング/ハイビット」が大きなキーワードとなっている印象だ。

アメリカのハイエンド・デジタル・オーディオブランドのMSBテクノロジーは、その中でも先端を行くブランドのひとつ。今回のHIGH ENDでは、そんなMSBテクノロジーの最高峰モデルとなる「SELECT DAC」が登場し、多くの来場者がそのサウンドを聴くためにブースを訪れた。

MSBテクノロジーのフラッグシップモデルとなるUSB DAC「SELECT DAC」。精巧なアルミ削り出しのボティを採用した本体部、電源部の2筐体で構成される

SELECT DACは、すでに世界的な評価を獲得している「Analog DAC」と「DAC V」の良いところを集約させ、「これまでに聴いたことがないリアルなサウンド」の実現を目指し開発された、同社のトップエンドモデル。同社の最新世代ともいえるアルミ削り出しのデザインを採用した本機は、本体と電源部の2筐体から構成され、内部には8枚の「Hybrid DAC」を搭載。サンプルレートは基本的に最大PCM 384kHz/32bit、DSD256に対応する。

最大の特徴は、入出力全てにモジュール式を採用しており、ユーザーの要望にあわせてさまざまなかたちへと姿を変えるものとなっていることだ。

SELECT DACの筐体内部。ほとんどの部分をモジュールが締めており、ユーザーのスタイルに合わせて自在にカスタマイズすることが可能。同社のハイブリッドDACも本体前面にモジュール式でマウントされている

こちらはI2Sモジュール。対応する機器とデジタル接続することで、SELECT DACからのデジタル出力や外部機器からのデジタル信号を受け取ることができる仕様にすることもできるなど、その対応力は幅広い

また同社は、デジタル再生においては内蔵するクロックの精度が極めて重要との考え方を持つことでも知られるが、SELECT DACでは「Galaxy Femto 77 Clock」を標準搭載。さらにオプションとして「Femto 33 Clock」を用意するなど、ここでもユーザーの好みのサウンド傾向にあわせられるアプローチを採用している。

同社はクロックの精度も極めて重要視する。SELECT DACではGalaxy Femto 77 Clockを標準搭載するほか、写真のFemto 33 Clockをオプションで用意する

それぞれのモジュールや本体に設けられた仕上げにも注目だ。同社は、アルミの加工などをはじめとして、全て自社で行える開発環境が揃っているが、このことは自社が考える最上級の設計を思い通りに行うことができるということでもあり、モジュール式という多種多様な組み合わせへの対応が要求される仕様を実現できた理由にもなっている。

SLECT DACのデモンストレーションの様子。パワーアンプには同社のM203をバイアンプで用いるなどして、その技術力を来場者にアピールした

また、注目したいのはマルチchにも対応した「Theater Master 8 Channel DAC」を用意している点だ。このマルチchへの対応は今年のHIGH ENDではいくつかのブランドが対応を発表しており、今後ひとつのトレンドとして改めて注目を集める可能性を秘めている。MSBテクノロジーはこうした次の世代のハイレゾ再生のきっかけを作るブランドのひとつとして、今後益々重要な存在となる可能性を存分に秘めている。

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