公開日 2019/03/25 10:00
30ヶ月連続1位、マランツ多機能小型レシーバーが「M-CR612」に進化。シングル接続で4chアンプ駆動も可能
HEOS/AirPlay2にも対応
マランツは、ネットワークCDレシーバー「M-CR612」を4月下旬に発売する。価格は70,000円(税抜)。カラーは、シルバーゴールドおよびブラックの2色をラインナップする。
M-CR611(関連ニュース、2015年8月発売)の後継モデル。M-CRシリーズとしては第5世代目となる。
CDプレーヤー、ハイレゾ対応のネットワーク/USBストレージ再生機能、アンプなどを一体化したネットワークCDレシーバー。従来モデルからデザインを刷新し、同社のネットワーク再生機能「HEOS」を新たに搭載。そのほか、Bluetooth受信やAM/FMラジオ機能も備える。Amazon Alexaデバイスと連携させてのボイスコントロールにも対応した。
従来のM-CRシリーズは、4chアンプ出力の搭載によるスピーカーのバイアンプ駆動に対応していたことが大きな特徴だったが、M-CR612では新機能として、通常のシングルエンド接続で4chアンプ出力を使ってスピーカー駆動ができる「パラレルBTL」にも対応した。また、クラスD構成のアンプ部やクロックについても、12シリーズなどの上位モデルからの技術を継承しつつブラッシュアップを図っている。
プレス向けの説明会では、マランツのマーケティング担当である高山健一氏、そして本機の音質チューニングを担当した尾形好宣氏が登場。それぞれM-CR612の詳細を説明してくれた。以下にその詳細をレポートしていく。
■シェア1位のミニコンポが音質・機能・デザインを進化させた
M-CRシリーズは、マランツブランド最小のシステムとして、ミニコンポでありながら音質を最優先として、機能・サイズ・音質をそれぞれ追求することを一貫したコンセプトとしてきたという。シリーズ出荷台数も伸ばし、M-CR611については2016年度以降、30ヶ月連続で市場シェアNo.1を獲得してきた(GFKデータ)とのこと。
M-CR612の進化のポイントは大きく3つあると同社は説明。1つ目はサウンドパフォーマンスで、新たにパラレルBTL機能を搭載。クラスDアンプの高音質化も図った。2つ目はネットワーク再生機能の強化および再生可能なコンテンツの拡大で、HEOSの搭載によりこれを実現した。3つ目はデザインで、より上質なたたずまいを目指して従来から刷新を図った。
また、マランツはフラグシップとなるプリメインアンプ「PM-10」やそれに続く「PM-12」をはじめ、近年クラスDアンプへと大きく舵を切ってきた。搭載するデバイスは異なるが、今回のM-CR612においても、これら上位モデルで培われたクラスDアンプの技術が大いに活用されているとのこと。
■通常接続で4chアンプ出力をフル活用するパラレルBTLモードを新搭載
M-CRシリーズにおける音質面での特色となっていたのが、4chアンプ出力搭載によるバイアンプ接続対応だ。この仕様はミニコンポとしては希有であり、ユーザーから高い評価を得ていたという。
パイアンプ接続とは、スピーカーの高域と低域を別々のアンプで駆動する手法で、スピーカー1本に2ch分のアンプを用いての駆動力向上に加え、高域側と低域側の干渉を排除することができ、高音質化が狙える。ただし、スピーカーがバイワイヤリングに対応していることが必須。さらに接続にはスピーカー1本に対して2本のケーブルが必要だ。
M-CR611のバイアンプ駆動はオーディオファンから好評で、特に日本でのバイアンプ使用率は欧米に比べて高かった。一方で、バイアンプ利用率が高いとはいえ18%(日本)にとどまっていたことから、シングルエンドスピーカーでも利用でき、スピーカーケーブル1本での通常接続でも4chアンプ出力を使ったスピーカー駆動を行える「パラレルBTL」機能を新搭載した。
ちなみにBTL接続(ブリッジ接続)とは、2chアンプをモノラルアンプのように用いて1ch分のスピーカーを駆動させ、出力強化や高音質化を狙う手法だ。
M-CR612におけるパラレルBTLは、本機の通常モードの約2倍のスピーカー駆動力を実現するというモードだ。なぜ“パラレル”なのか、それには以下のような理由がある。M-CR611は4chアンプ搭載と紹介されていたが、実はアンプを8ch分備えており、1ch出力あたり2chアンプを用いて実質的にBTL出力を行っていた。M-CR612も引き続き8chアンプ搭載だが、シングルエンド接続(スピーカーケーブル1本での接続)において、1ch出力あたり4ch分のアンプを用いて駆動することを可能にしたという。これをパラレルBTLと呼んでいる。
このパラレルBTLにより、アンプのスピーカー駆動力のダンピングファクターは通常のBTL駆動に比べて約2倍に向上したという。その具体的な効能としては、中低域の締まりと量感を両立させた低音再生が可能になるとされている。尾形氏はその効能について「バイアンプもパラレルBTLも音質改善の方向性は同じで、密度感や音像の実在感・立体感が向上する」と説明していた。
また、このパラレルBTLにより、ユーザーは通常のスピーカーケーブル1本の接続でも、本機の4chアンプ出力をフル活用することができる。
結果として、M-CR612では標準=BTL(スピーカーA/Bに個別出力)、パラレルBTL、バイアンプの3つのスピーカー駆動モードが選択できることになる。なお、モード選択は本体ディスプレイを見ながらリモコンで行う。
通常の接続で利用できるということで、「デフォルトでパラレルBTLとなる設定でもいいのではないか」という意見もあったという。ただし、電源自体は同じなのでパラレルBTL駆動時にはスペック上の出力が下がることもあり、デフォルトは標準のBTLにしたという。
M-CR611(関連ニュース、2015年8月発売)の後継モデル。M-CRシリーズとしては第5世代目となる。
CDプレーヤー、ハイレゾ対応のネットワーク/USBストレージ再生機能、アンプなどを一体化したネットワークCDレシーバー。従来モデルからデザインを刷新し、同社のネットワーク再生機能「HEOS」を新たに搭載。そのほか、Bluetooth受信やAM/FMラジオ機能も備える。Amazon Alexaデバイスと連携させてのボイスコントロールにも対応した。
従来のM-CRシリーズは、4chアンプ出力の搭載によるスピーカーのバイアンプ駆動に対応していたことが大きな特徴だったが、M-CR612では新機能として、通常のシングルエンド接続で4chアンプ出力を使ってスピーカー駆動ができる「パラレルBTL」にも対応した。また、クラスD構成のアンプ部やクロックについても、12シリーズなどの上位モデルからの技術を継承しつつブラッシュアップを図っている。
プレス向けの説明会では、マランツのマーケティング担当である高山健一氏、そして本機の音質チューニングを担当した尾形好宣氏が登場。それぞれM-CR612の詳細を説明してくれた。以下にその詳細をレポートしていく。
■シェア1位のミニコンポが音質・機能・デザインを進化させた
M-CRシリーズは、マランツブランド最小のシステムとして、ミニコンポでありながら音質を最優先として、機能・サイズ・音質をそれぞれ追求することを一貫したコンセプトとしてきたという。シリーズ出荷台数も伸ばし、M-CR611については2016年度以降、30ヶ月連続で市場シェアNo.1を獲得してきた(GFKデータ)とのこと。
M-CR612の進化のポイントは大きく3つあると同社は説明。1つ目はサウンドパフォーマンスで、新たにパラレルBTL機能を搭載。クラスDアンプの高音質化も図った。2つ目はネットワーク再生機能の強化および再生可能なコンテンツの拡大で、HEOSの搭載によりこれを実現した。3つ目はデザインで、より上質なたたずまいを目指して従来から刷新を図った。
また、マランツはフラグシップとなるプリメインアンプ「PM-10」やそれに続く「PM-12」をはじめ、近年クラスDアンプへと大きく舵を切ってきた。搭載するデバイスは異なるが、今回のM-CR612においても、これら上位モデルで培われたクラスDアンプの技術が大いに活用されているとのこと。
■通常接続で4chアンプ出力をフル活用するパラレルBTLモードを新搭載
M-CRシリーズにおける音質面での特色となっていたのが、4chアンプ出力搭載によるバイアンプ接続対応だ。この仕様はミニコンポとしては希有であり、ユーザーから高い評価を得ていたという。
パイアンプ接続とは、スピーカーの高域と低域を別々のアンプで駆動する手法で、スピーカー1本に2ch分のアンプを用いての駆動力向上に加え、高域側と低域側の干渉を排除することができ、高音質化が狙える。ただし、スピーカーがバイワイヤリングに対応していることが必須。さらに接続にはスピーカー1本に対して2本のケーブルが必要だ。
M-CR611のバイアンプ駆動はオーディオファンから好評で、特に日本でのバイアンプ使用率は欧米に比べて高かった。一方で、バイアンプ利用率が高いとはいえ18%(日本)にとどまっていたことから、シングルエンドスピーカーでも利用でき、スピーカーケーブル1本での通常接続でも4chアンプ出力を使ったスピーカー駆動を行える「パラレルBTL」機能を新搭載した。
ちなみにBTL接続(ブリッジ接続)とは、2chアンプをモノラルアンプのように用いて1ch分のスピーカーを駆動させ、出力強化や高音質化を狙う手法だ。
M-CR612におけるパラレルBTLは、本機の通常モードの約2倍のスピーカー駆動力を実現するというモードだ。なぜ“パラレル”なのか、それには以下のような理由がある。M-CR611は4chアンプ搭載と紹介されていたが、実はアンプを8ch分備えており、1ch出力あたり2chアンプを用いて実質的にBTL出力を行っていた。M-CR612も引き続き8chアンプ搭載だが、シングルエンド接続(スピーカーケーブル1本での接続)において、1ch出力あたり4ch分のアンプを用いて駆動することを可能にしたという。これをパラレルBTLと呼んでいる。
このパラレルBTLにより、アンプのスピーカー駆動力のダンピングファクターは通常のBTL駆動に比べて約2倍に向上したという。その具体的な効能としては、中低域の締まりと量感を両立させた低音再生が可能になるとされている。尾形氏はその効能について「バイアンプもパラレルBTLも音質改善の方向性は同じで、密度感や音像の実在感・立体感が向上する」と説明していた。
また、このパラレルBTLにより、ユーザーは通常のスピーカーケーブル1本の接続でも、本機の4chアンプ出力をフル活用することができる。
結果として、M-CR612では標準=BTL(スピーカーA/Bに個別出力)、パラレルBTL、バイアンプの3つのスピーカー駆動モードが選択できることになる。なお、モード選択は本体ディスプレイを見ながらリモコンで行う。
通常の接続で利用できるということで、「デフォルトでパラレルBTLとなる設定でもいいのではないか」という意見もあったという。ただし、電源自体は同じなのでパラレルBTL駆動時にはスペック上の出力が下がることもあり、デフォルトは標準のBTLにしたという。
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