公開日 2022/02/18 18:24
オーディオみじんこ、ケーブルのエージング時間を短縮できる「バーンイン」サービスをスタート
TELOSの「QBT」をショップに導入
■クラフト&ヴィンテージのオーディオ製品を扱うこだわりのショップ
秋葉原のオーディオショップ「オーディオみじんこ」は、“みじんこ”の愛称でも親しまれるオーディオ愛好家、荒川 敬さんが中心となって運営するこだわりのクラフト&ヴィンテージショップである。こだわりのものづくり専門店が集まる秋葉原・高架下の「SEEKBASE」にお店を構え、荒川さんが得意とする手作りのケーブルやアクセサリーのほか、アンティークなスピーカー販売なども手掛けている。
オーディオみじんこのこだわりのひとつが、導体もプラグもシースもこだわり抜いたオリジナルのケーブルにある。これらはすべて荒川さんと、女性スタッフ小坂莉央さんの二人がひとつひとつ手作りで作成しているものだ。ケーブルの種類は何でもござれ、RCA/XLRといったアナログケーブルはもちろん、USBやLAN等のデジタルケーブル、イヤホンリケーブルにアース、電源ケーブルもすべて手作りで制作している。特に“大蛇”と名付けられた女性の手首の太さほどもあろうかという極太ケーブルは、“みじんこケーブル”の顔としてこだわりのマニアから愛されている。
オーディオみじんこは、この2月から新しい「ケーブルバーンインサービス」をスタートさせた。これは、台湾のオーディオメーカーTELOSのバーンインシステム「QBT」を活用し、ケーブル“本来の音質”を引き出せる特別な処理だというのだ。
「オーディオケーブルは、新品の状態よりもしばらく使い込んでこなれてくることで、ケーブル本来の性質がより発揮され、音質が向上することはよく知られているところです。この過程を“エージング”と呼んでいますが、通常数十〜数百時間かかることもあると言われていますね。ですが、このQBTという機械を通すことで、このエージングの時間を圧倒的に短縮し、“いますぐに最高の状態”でお使いいただけるようになるのです」
TELOSは高度な技術を持つ台湾のオーディオブランドとして知られており、日本でもアクティブ仮想アースや消磁器、ノイズ抑制シートなどを展開する。現代の社会生活において、どうしても発生してしまうノイズ源を的確に除去し、音楽本来のエネルギーを引き出してくれるアクセサリーメーカーとして高い評価を獲得している。そのTELOSが、自分たちの理想のオーディオ再生を実現するために開発したのがこの「QBT=Quantum Burning Technology」だという。
「ケーブルに使われる導体は、最後にアニール処理と呼ばれる焼なましをすることで、銅線の歪みを取り除き、しなやかに曲げやすくする処理がなされています。アニール処理はオーディオ信号が導体をスムーズに流れるようになることにも寄与していると思われます。ただし、ケーブル製造時に100%のアニール処理を行うと、素線が柔らかくなりすぎてケーブル製造がしにくいので、60-80%のところで留めています。私の仮説ですが、このQBTは、残り数十%、その“最終工程”をハイスピードでやってくれているのではないか、と考えています。何十時間もかけてエージングをしなくても、この機械を通すことであっという間に本来の音質に到達することができるのです」
荒川さん自身もその音質グレードアップに驚き、QBTをショップに導入することを決意。今後のみじんこケーブルは、すべてQBT処理を行ってから出荷されることになるという。QBT処理されたものは、専用のホログラムシールが端子部分に貼付される。
■バーンイン前後の音を比較試聴!
実際にどれほどの効果があるのか。荒川さんに、RCAケーブルのQBT処理を目の前で行ってもらい、「バーンイン前」「バーンイン後」の音の違いを聴き比べてみた。バーンイン時間は10分に設定。
荒川さん自作のオーディオシステムでTOTOの名曲「Rosanna」を聴き比べてみると、たしかに「バーンイン後」では音の骨格が彫り深くなり、ヴォーカルの立体感がぐっとせり出してくる。少し耳に引っかかった「サ行」のきつさなどの角が取れて、心地よく耳に飛び込んでくる。
またTOTOのアレンジの妙というか、さまざまな楽器の細部の表現がよく見えてきて、10分前に聴いていた音とは桁違いに洗練された音世界を展開してくれる。確かに、長く使い込んだケーブルによって実現される世界にぐっと近づいた印象を感じられた。
QBTは、ほとんどの種類のケーブルバーンインに対応できるという。RCA・XLRは2セットずつの端子があり、ペアケーブルを同時に処理可能。他にも、スピーカー、電源(メガネもOK)、S/PDIF、USB、LAN等もすべて対応できる。ポータブルオーディオ用のリケーブルにも効果があるという。さらにはコンセントのエージングもできるというから驚きだ。こちらも荒川さん自作の二股ケーブルを使ってコンセントを数珠つなぎにして、同じようにバーンインが実現できる。
「通常は10分程度の処理でかなりの音質改善が期待できます。ただ、スケアの太いものはもう少し長い時間でも良いかも知れません。太さによって適切な時間がありそうで、そのあたりはまだ研究中ですね」
オーディオみじんこのケーブルは今後すべてQBT処理を行ってから出荷されることに加えて、持ち込みケーブルにバーンイン処理を行って返却するサービスもスタートしている。処理代金は1本8,800円(税込)で何本でも持ち込み可能。
「何度かトライしているうちに、新品のケーブルだけではなくて、ある程度使い込んだケーブルでもこのバーンイン処理には効果があることが分かってきました。この効果は不可逆の変化ですので、後から効果が切れてしまうようなことはありません。逆に言うと元に戻すことはできません(笑)。ですが、この違いを体験していただければ、きっと満足していただけるのではないかと感じています」
オーディオみじんこは、毎週水曜日を除く11時〜20時まで営業中。SEEKBASEは、ほかにもレコファンや、オールドレンズやフィルムカメラなどを扱うカメラショップ、電子ピアノ専門のotto、クラフトビールの専門店などマニア心をくすぐるお店が軒を連ねている。ぜひ一度遊びに行ってほしい。
秋葉原のオーディオショップ「オーディオみじんこ」は、“みじんこ”の愛称でも親しまれるオーディオ愛好家、荒川 敬さんが中心となって運営するこだわりのクラフト&ヴィンテージショップである。こだわりのものづくり専門店が集まる秋葉原・高架下の「SEEKBASE」にお店を構え、荒川さんが得意とする手作りのケーブルやアクセサリーのほか、アンティークなスピーカー販売なども手掛けている。
オーディオみじんこのこだわりのひとつが、導体もプラグもシースもこだわり抜いたオリジナルのケーブルにある。これらはすべて荒川さんと、女性スタッフ小坂莉央さんの二人がひとつひとつ手作りで作成しているものだ。ケーブルの種類は何でもござれ、RCA/XLRといったアナログケーブルはもちろん、USBやLAN等のデジタルケーブル、イヤホンリケーブルにアース、電源ケーブルもすべて手作りで制作している。特に“大蛇”と名付けられた女性の手首の太さほどもあろうかという極太ケーブルは、“みじんこケーブル”の顔としてこだわりのマニアから愛されている。
オーディオみじんこは、この2月から新しい「ケーブルバーンインサービス」をスタートさせた。これは、台湾のオーディオメーカーTELOSのバーンインシステム「QBT」を活用し、ケーブル“本来の音質”を引き出せる特別な処理だというのだ。
「オーディオケーブルは、新品の状態よりもしばらく使い込んでこなれてくることで、ケーブル本来の性質がより発揮され、音質が向上することはよく知られているところです。この過程を“エージング”と呼んでいますが、通常数十〜数百時間かかることもあると言われていますね。ですが、このQBTという機械を通すことで、このエージングの時間を圧倒的に短縮し、“いますぐに最高の状態”でお使いいただけるようになるのです」
TELOSは高度な技術を持つ台湾のオーディオブランドとして知られており、日本でもアクティブ仮想アースや消磁器、ノイズ抑制シートなどを展開する。現代の社会生活において、どうしても発生してしまうノイズ源を的確に除去し、音楽本来のエネルギーを引き出してくれるアクセサリーメーカーとして高い評価を獲得している。そのTELOSが、自分たちの理想のオーディオ再生を実現するために開発したのがこの「QBT=Quantum Burning Technology」だという。
「ケーブルに使われる導体は、最後にアニール処理と呼ばれる焼なましをすることで、銅線の歪みを取り除き、しなやかに曲げやすくする処理がなされています。アニール処理はオーディオ信号が導体をスムーズに流れるようになることにも寄与していると思われます。ただし、ケーブル製造時に100%のアニール処理を行うと、素線が柔らかくなりすぎてケーブル製造がしにくいので、60-80%のところで留めています。私の仮説ですが、このQBTは、残り数十%、その“最終工程”をハイスピードでやってくれているのではないか、と考えています。何十時間もかけてエージングをしなくても、この機械を通すことであっという間に本来の音質に到達することができるのです」
荒川さん自身もその音質グレードアップに驚き、QBTをショップに導入することを決意。今後のみじんこケーブルは、すべてQBT処理を行ってから出荷されることになるという。QBT処理されたものは、専用のホログラムシールが端子部分に貼付される。
■バーンイン前後の音を比較試聴!
実際にどれほどの効果があるのか。荒川さんに、RCAケーブルのQBT処理を目の前で行ってもらい、「バーンイン前」「バーンイン後」の音の違いを聴き比べてみた。バーンイン時間は10分に設定。
荒川さん自作のオーディオシステムでTOTOの名曲「Rosanna」を聴き比べてみると、たしかに「バーンイン後」では音の骨格が彫り深くなり、ヴォーカルの立体感がぐっとせり出してくる。少し耳に引っかかった「サ行」のきつさなどの角が取れて、心地よく耳に飛び込んでくる。
またTOTOのアレンジの妙というか、さまざまな楽器の細部の表現がよく見えてきて、10分前に聴いていた音とは桁違いに洗練された音世界を展開してくれる。確かに、長く使い込んだケーブルによって実現される世界にぐっと近づいた印象を感じられた。
QBTは、ほとんどの種類のケーブルバーンインに対応できるという。RCA・XLRは2セットずつの端子があり、ペアケーブルを同時に処理可能。他にも、スピーカー、電源(メガネもOK)、S/PDIF、USB、LAN等もすべて対応できる。ポータブルオーディオ用のリケーブルにも効果があるという。さらにはコンセントのエージングもできるというから驚きだ。こちらも荒川さん自作の二股ケーブルを使ってコンセントを数珠つなぎにして、同じようにバーンインが実現できる。
「通常は10分程度の処理でかなりの音質改善が期待できます。ただ、スケアの太いものはもう少し長い時間でも良いかも知れません。太さによって適切な時間がありそうで、そのあたりはまだ研究中ですね」
オーディオみじんこのケーブルは今後すべてQBT処理を行ってから出荷されることに加えて、持ち込みケーブルにバーンイン処理を行って返却するサービスもスタートしている。処理代金は1本8,800円(税込)で何本でも持ち込み可能。
「何度かトライしているうちに、新品のケーブルだけではなくて、ある程度使い込んだケーブルでもこのバーンイン処理には効果があることが分かってきました。この効果は不可逆の変化ですので、後から効果が切れてしまうようなことはありません。逆に言うと元に戻すことはできません(笑)。ですが、この違いを体験していただければ、きっと満足していただけるのではないかと感じています」
オーディオみじんこは、毎週水曜日を除く11時〜20時まで営業中。SEEKBASEは、ほかにもレコファンや、オールドレンズやフィルムカメラなどを扱うカメラショップ、電子ピアノ専門のotto、クラフトビールの専門店などマニア心をくすぐるお店が軒を連ねている。ぜひ一度遊びに行ってほしい。