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公開日 2006/02/21 11:23

会田肇の“Wooo”「DZ-GX3300」連続レポート(1)「DVDカメラの完成形」の実力とは

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長いことテープによる記録が行われてきたビデオカメラだが、今年はいよいよディスクに置き換わる歴史の転換点を迎えそうだ。なかでもめざましい伸びを見せているのがDVDカメラだ。昨年の夏頃には2割前後のシェアを確保したばかりだったのに、その暮れには3割、今年はほぼ5割にまで達する勢いだという。その理由はどこにあるのか。

なかでも大きいのはDVDカメラには誰にでも失敗なく撮影ができるメリットがあることだ。録画シーンを確認中に撮影チャンスに遭遇しても、テープならブランク部分を探し出すにも手間がかかったけれど、ディスクを使うDVDではその手間が一切不要。撮影モードに切り替えるだけで自動的にブランク部分をサーチして記録が開始されるのだ。

記録メディアがDVDであるだけに、最近普及が著しいDVDレコーダでの再生も記録ディスクを挿入するだけなのもメリット。見たいシーンはカット毎にサムネイル画面で確認でき、希望のシーンを呼び出すのも瞬時に行われる。この使い勝手を体験したら、もうテープには戻れない。こうした中、元気いっぱいなのが日立である。日立は今年、DVDビデオカメラの第6世代として最新テクノロジーを凝縮した3モデルを世に送り出した。

●DVDカメラのトレンドを牽引してきた日立のDVDカメラ

日立がDVDカメラに関わる歴史は2000年8月に遡る。この時、DVDカメラの第一号機としてDZ-MV100を世に送り出したのだ。DVD方式はMPEG方式によって記録が行われるが、日立はこれより先1997年にMPEGカメラを開発し、この技術の蓄積が初のDVD方式ビデオカメラ誕生へとつながったのである。その後も日立はDVDカメラの開発に心血を注いできた。

02年5月にはDVD-Rにも対応するモデルを発売すると、翌03年3月には丸形カートリッジを採用することでボディのコンパクト化を進めたモデルを発売。さらにディスクの耐久性が高まったことを背景に05年2月にはカートリッジの全面廃止という思い切った策に打って出た。カートリッジをなくしたことでかつてないボディの薄型化に成功し、同時に画質面でも大幅な進化を図った“GXシリーズ”も新たにラインナップ。こうした流れを引き継ぎつつ、今回の3モデルは登場した(3モデルのプロフィールなどはPhile-webの関連ニュースを参照)。

●今回の新モデルの目玉は「秒撮」モードの搭載

その新モデル共通の特徴としてもっとも大きなポイントとなるのが「秒撮(びょうさつ)」モードの搭載である。この機能は、スタンバイ時に約1秒で撮影が開始できるというもので、一度しかないチャンスを確実に捉えるという目的で搭載された。この「秒撮」モードは本体の電源を完全に切るのではなく、モニターやファインダーなどをOFF状態にしたのみの「半起動状態」とすることで高速スタートを実現したもの。

ボディの薄型化によって女性が手にしてもスマートな撮影スタイルが保てる。タテ方向の高さもそれほど気にならず、デザイン的には成功していると言えるだろう

レンズは光学10倍ズームレンズ(f=6.1〜61mm(動画[4:3モード時]52.7 mm〜527mm、静止画44.6mm〜446mm)を備えるが、画角はかなり狭めではある

SDメモリーカード用スロットは本体底部にある。モニターを開かないと挿入口は開けない仕組みになっているのは、不用意にカバーが開いてしまうのを防止するため

次に便利機能として全機種に搭載されたのが、動画から任意の静止画を切り出してSDメモリーカードに保存できる機能で、出掛けた先でプリントするには大いに役立つことだろう。GX3300のブラックモデルに採用した金属蒸着処理技術による高級感あふれるクローム調仕上げにも注目だ。従来のカメラには存在しなかったこの仕上げは、圧倒的な存在感を訴えてくる。また、新たに+RW記録にも対応したことで、市場には出回っていない8cm+Rを除くDVD-R/RW、DVD-RAMを含む、ほぼ全メディアが利用可能となったことも見逃せない。

電源投入時やモード切替時にかかる若干の所要時間にはこのようなアニメーションが表示されるようになり、起動までの待ち時間は気分的にラクになった

本体の左側面には5つのメディア(DVD-RAM/DVD-RW/DVD-R/+RW/SD)に対応することを謳う表示が刻印されている

日立が用意した新たな3モデルは、DVDビデオカメラの完成形として新たなページをもたらすことだろう。次回からは、このGX3300を中心としたインプレッションレポートをお届けする予定だ。

(会田肇)

会田肇 プロフィール
茨城県生まれ。明治大学政治経済学部卒。自動車雑誌編集者を経てフリーとなる。クルマ、スポーツ、旅行などアウトドアな趣味を多く持ち、アウトドア系オーディオビジュアルライターとしての第一人者。カー雑誌などでカーナビをはじめとするカーAVを中心とした取材、執筆に従事する一方で、ビデオカメラやデジタルカメラの批評活動を積極的に続けている。

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