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公開日 2006/04/07 12:19
原音再生環境をViivとHDC-7がつくる − インテルとオンキヨーが共同会見を開催
オンキヨー(株)とインテル(株)は、4月6日、7日の両日、都内で開催しているインテルの開発者会議「インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2006」の会場において、オンキヨー初のインテルViivテクノロジー対応製品となる“HDメディア・コンピューター”「HDC-7」の発表記者会見を開催した。
会場にはインテル(株)代表取締役共同社長の吉田和正氏、ならびにオンキヨー(株)代表取締役会長兼社長の大朏直人氏、同社AVC事業部商品企画部部長の神谷速夫氏が出席し、オンキヨーの新製品とインテルViivテクノロジーの展開、両社の共同プロモーションについて説明した。
始めに登壇したインテルの吉田氏より、オンキヨーとのパートナーシップに関する説明が行われた。インテルが年初に発表したViivテクノロジーに賛同するパートナー企業は着実に拡大しているが、その中でも「今回、オンキヨーは他社とは全く違ったアプローチで、当社が推進する“デジタルホーム”のユーザーエクスペリエンスを実現する画期的な製品を送り出してくれた」と喜びをあらわにした。「オンキヨーの今回の製品は、Viivテクノロジーをベースに高品質の音楽・映像を実現する新しいアプリケーションだが、この画期的な製品に続き、次々とViivテクノロジーのプラットフォームを利用したサービスやアプリケーションが実現され、広がっていくことを期待する」とし、「オンキヨーの製品をピンポイントで見るのでなく、2年後、3年後にどのようなスケールになっていくか、ぜひご注目いただきたい」と吉田氏は語った。
続いて登壇したオンキヨーの大朏氏は、今回の新製品開発の経緯とコンセプトについて紹介した。オンキヨーは今から11年前の1995年頃から、エンターテインメントのデジタル化に伴い、オーディオそのものの変化を予見し、高品位なデジタルオーディオの実現を果たすことを大きな課題としてきたという。「人々の生活はますます慌ただしくなっている。11年前から当社は、家でじっと座って音楽を楽しむというライフスタイルは将来大きく変化するはずと考え、その変化に対応し、勝ち残って行く戦略を常に模索してきた」と大朏氏は振り返った。
デジタルの情報量と処理能力の高さに早くから着目してきたことで、「アナログオーディオに関して、どこのメーカーにも負けない研究を継承してきたという自負があり、この蓄積をデジタルの時代に活かす研究を重ねてきた」という。その後、欧州を中心に高い評価を得たデジタルアンプとスピーカーのシステムなど、いくつかの成功をおさめた頃、「デジタル技術を使って良い音や映像を、簡単に、安価でユーザーにお届けするためのインフラ構築を検討していた際、インテルのViivテクノロジーを紹介いただき、これこそが当社の待ち望んでいた技術と感じた」と大朏氏は語り、両社のパートナーシップの経緯を説明した。本日国内市場への投入を発表した「HDC-7」については、高品位な音と映像をアピールした、Viivテクノロジー対応の製品を先駆けて実現することができたとしながら、「当社の技術を出し惜しみなく注ぎ込んで完成させた製品を、多くの方々にお楽しみいただきたい」と語った。
オンキヨーの神谷氏からは「HDC-7」のコンセプトと、新たなサービスが紹介された。老舗のオーディオブランドであるオンキヨーが、本製品でこだわったポイントはずばり「音質」と神谷氏は語る。CDよりも高音質な24bit/96kHz音源の高品位な再生を実現することに焦点を合わせ、新製品の開発にはキメの細かい音作りを重ねてきたという。
本製品のためにオーディオボードを新たに開発したほか、2chの信号を5.1chのマルチ信号に変換する機能や7.1chのマルチ再生も実現する「ドルビーマスタースタジオ」に対応した。本体外観のデザインについても、リビングへの調和や、高品位ソースの再生対応をイメージできる質感の高い仕上げを意識している。品名の「HDメディア・コンピューター」についても、同社ならではの高品位に対するこだわりを込めたもの、と神谷氏は説明する。
同社が本製品の開発にあたって最もこだわったポイントは「原音再生」。昨今のデジタルオーディオは圧縮音源というデメリットを抱えており、同社には以前からミュージシャンやオーディオファンから原音再生を可能にするデジタルオーディオへのリクエストが数多く寄せられていたという。「より良い音を再生できるデジタルオーディオは、非常に優れた情報量とその処理能力を実現するViivテクノロジーを使って初めて可能になると考えた」と神谷氏は説明する。
また、神谷氏は「再生機器だけでなく音源の発信から『原音再生』にこだわった」とし、HDC-7の発売と同時に、同社の音楽配信サイトであるe-onkyo.com
ミュージックストアーを拡張し、Viivテクノロジー向けのサービスを開始することを明らかにした。この新サービスでは、24bit/96kHzの高品質音楽コンテンツなどを配信するサービスで、HDC-7上でテレビと同様のリモコン操作を通してサイトにアクセスし、高品質音楽を手軽にダウンロードして楽しむことができる。
神谷氏は「再生機器にHDコンピューターを中核として、上流の配信サイト、下流となるAVアンプやスピーカーまで、一貫してクオリティの高い音楽サービスを当社が揃え、上質なライフスタイルを提案していきたい」と意気込みを語った。
なお、同サイトのサービス開始は5月25日を予定しており、楽曲の配信フォーマットはWMAロスレス形式で24bit/96kHz、24bit/48kHz、16bit/44.1kHzの各スペックが用意される。1曲の配信価格は200円から800円を予定している。また、サイトの開設に当たり、オンキヨーとインテルは共同の「体験キャンペーン」を展開し、HDC-7やその他のPCでも楽しめる楽曲ファイルを1曲無料で配信するサービスも実施する。
以下に本日の会場で行われた質疑応答の模様を紹介する。
【質疑応答】
Q:現在高音質のマスターを制作しているアーティストの割合はどのくらいいるのか。24bit/96kHzの音源はどの程度確保できるのか。
A:正確な数字ではないが、現在活躍している中でおよそ半数以上のアーティストが高品位なマスターの録音を残すよう心がけていると把握している。
Q:これは普通のPCとしても使えるのか。実際に販売する際にはどのような売り場展開をするのか。また家庭で普通に使う際には、他にどういったものをそろえる必要があるのか。
A:ホームシアターの中核機として使ってもらいたいと考えている。そのためにはAVアンプやディスプレイ、スピーカーとつなげる必要があるだろう。もちろんパソコンとしての機能も取り揃えており、キーボードも付属するが、当社としては高品位な音楽の再生コントロール機器として提案したい。売り場展開については、家電・PCの両方で行うべきと考えている。量販店では商品ジャンルで売り場をセグメントしてしまうのではなく、ユーザーに「利用方法・形態」を提案するスタイルの売り場づくりを重視している。本製品もデジタルホーム向けのPC売り場でディスプレイされるだろう。
Q:e-onkyo.comミュージックストアーの配信曲数はいまどのくらいか。今後どれくらい増やしていくのか。
A:現在はおよそ1,000曲ぐらいだ。5月25日のViiv対応サイトの立ち上げ時にはより多くの楽曲を揃えたい。
(Phile-web編集部)
会場にはインテル(株)代表取締役共同社長の吉田和正氏、ならびにオンキヨー(株)代表取締役会長兼社長の大朏直人氏、同社AVC事業部商品企画部部長の神谷速夫氏が出席し、オンキヨーの新製品とインテルViivテクノロジーの展開、両社の共同プロモーションについて説明した。
始めに登壇したインテルの吉田氏より、オンキヨーとのパートナーシップに関する説明が行われた。インテルが年初に発表したViivテクノロジーに賛同するパートナー企業は着実に拡大しているが、その中でも「今回、オンキヨーは他社とは全く違ったアプローチで、当社が推進する“デジタルホーム”のユーザーエクスペリエンスを実現する画期的な製品を送り出してくれた」と喜びをあらわにした。「オンキヨーの今回の製品は、Viivテクノロジーをベースに高品質の音楽・映像を実現する新しいアプリケーションだが、この画期的な製品に続き、次々とViivテクノロジーのプラットフォームを利用したサービスやアプリケーションが実現され、広がっていくことを期待する」とし、「オンキヨーの製品をピンポイントで見るのでなく、2年後、3年後にどのようなスケールになっていくか、ぜひご注目いただきたい」と吉田氏は語った。
続いて登壇したオンキヨーの大朏氏は、今回の新製品開発の経緯とコンセプトについて紹介した。オンキヨーは今から11年前の1995年頃から、エンターテインメントのデジタル化に伴い、オーディオそのものの変化を予見し、高品位なデジタルオーディオの実現を果たすことを大きな課題としてきたという。「人々の生活はますます慌ただしくなっている。11年前から当社は、家でじっと座って音楽を楽しむというライフスタイルは将来大きく変化するはずと考え、その変化に対応し、勝ち残って行く戦略を常に模索してきた」と大朏氏は振り返った。
デジタルの情報量と処理能力の高さに早くから着目してきたことで、「アナログオーディオに関して、どこのメーカーにも負けない研究を継承してきたという自負があり、この蓄積をデジタルの時代に活かす研究を重ねてきた」という。その後、欧州を中心に高い評価を得たデジタルアンプとスピーカーのシステムなど、いくつかの成功をおさめた頃、「デジタル技術を使って良い音や映像を、簡単に、安価でユーザーにお届けするためのインフラ構築を検討していた際、インテルのViivテクノロジーを紹介いただき、これこそが当社の待ち望んでいた技術と感じた」と大朏氏は語り、両社のパートナーシップの経緯を説明した。本日国内市場への投入を発表した「HDC-7」については、高品位な音と映像をアピールした、Viivテクノロジー対応の製品を先駆けて実現することができたとしながら、「当社の技術を出し惜しみなく注ぎ込んで完成させた製品を、多くの方々にお楽しみいただきたい」と語った。
オンキヨーの神谷氏からは「HDC-7」のコンセプトと、新たなサービスが紹介された。老舗のオーディオブランドであるオンキヨーが、本製品でこだわったポイントはずばり「音質」と神谷氏は語る。CDよりも高音質な24bit/96kHz音源の高品位な再生を実現することに焦点を合わせ、新製品の開発にはキメの細かい音作りを重ねてきたという。
本製品のためにオーディオボードを新たに開発したほか、2chの信号を5.1chのマルチ信号に変換する機能や7.1chのマルチ再生も実現する「ドルビーマスタースタジオ」に対応した。本体外観のデザインについても、リビングへの調和や、高品位ソースの再生対応をイメージできる質感の高い仕上げを意識している。品名の「HDメディア・コンピューター」についても、同社ならではの高品位に対するこだわりを込めたもの、と神谷氏は説明する。
同社が本製品の開発にあたって最もこだわったポイントは「原音再生」。昨今のデジタルオーディオは圧縮音源というデメリットを抱えており、同社には以前からミュージシャンやオーディオファンから原音再生を可能にするデジタルオーディオへのリクエストが数多く寄せられていたという。「より良い音を再生できるデジタルオーディオは、非常に優れた情報量とその処理能力を実現するViivテクノロジーを使って初めて可能になると考えた」と神谷氏は説明する。
また、神谷氏は「再生機器だけでなく音源の発信から『原音再生』にこだわった」とし、HDC-7の発売と同時に、同社の音楽配信サイトであるe-onkyo.com
ミュージックストアーを拡張し、Viivテクノロジー向けのサービスを開始することを明らかにした。この新サービスでは、24bit/96kHzの高品質音楽コンテンツなどを配信するサービスで、HDC-7上でテレビと同様のリモコン操作を通してサイトにアクセスし、高品質音楽を手軽にダウンロードして楽しむことができる。
神谷氏は「再生機器にHDコンピューターを中核として、上流の配信サイト、下流となるAVアンプやスピーカーまで、一貫してクオリティの高い音楽サービスを当社が揃え、上質なライフスタイルを提案していきたい」と意気込みを語った。
なお、同サイトのサービス開始は5月25日を予定しており、楽曲の配信フォーマットはWMAロスレス形式で24bit/96kHz、24bit/48kHz、16bit/44.1kHzの各スペックが用意される。1曲の配信価格は200円から800円を予定している。また、サイトの開設に当たり、オンキヨーとインテルは共同の「体験キャンペーン」を展開し、HDC-7やその他のPCでも楽しめる楽曲ファイルを1曲無料で配信するサービスも実施する。
以下に本日の会場で行われた質疑応答の模様を紹介する。
【質疑応答】
Q:現在高音質のマスターを制作しているアーティストの割合はどのくらいいるのか。24bit/96kHzの音源はどの程度確保できるのか。
A:正確な数字ではないが、現在活躍している中でおよそ半数以上のアーティストが高品位なマスターの録音を残すよう心がけていると把握している。
Q:これは普通のPCとしても使えるのか。実際に販売する際にはどのような売り場展開をするのか。また家庭で普通に使う際には、他にどういったものをそろえる必要があるのか。
A:ホームシアターの中核機として使ってもらいたいと考えている。そのためにはAVアンプやディスプレイ、スピーカーとつなげる必要があるだろう。もちろんパソコンとしての機能も取り揃えており、キーボードも付属するが、当社としては高品位な音楽の再生コントロール機器として提案したい。売り場展開については、家電・PCの両方で行うべきと考えている。量販店では商品ジャンルで売り場をセグメントしてしまうのではなく、ユーザーに「利用方法・形態」を提案するスタイルの売り場づくりを重視している。本製品もデジタルホーム向けのPC売り場でディスプレイされるだろう。
Q:e-onkyo.comミュージックストアーの配信曲数はいまどのくらいか。今後どれくらい増やしていくのか。
A:現在はおよそ1,000曲ぐらいだ。5月25日のViiv対応サイトの立ち上げ時にはより多くの楽曲を揃えたい。
(Phile-web編集部)