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公開日 2006/09/19 19:04

SMSC、DLNAガイドラインに準拠したHD対応プロセッサーを発表

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SMSC Japanは、DLNAガイドラインに準拠し、フルHDクオリティの映像や音声を高速伝送可能なプロセッサー「LAN9131」を製品化し、本日新製品に関する記者発表会を開催した。

SMSCはネットワーク系LSI製品の開発・製造を手がける米国のリーディングカンパニーだ。SMSC Japan(正式社名:スタンダードマイクロシステムズ株式会社)は、米SMSC社の日本法人として1986年に設立された後、本社とその経営戦略や先端技術を共有しながら活動を続けている。


高性能イーサーネット AVネットワークプロセッサー「LAN9131」
今回同社が発表したのは、10/100イーサーネット上で30MpbsのHDストリーミングを2チャンネル同時に送受信することができるという、業界初の高性能イーサーネット AVネットワークプロセッサー「LAN9131」だ。発表会が開催された本日よりサンプル出荷が開始された。サンプル価格は、小型の価格20ドルを想定しており、量産の出荷については2007年度第一四半期よりスタートする。


RipStreamシリーズの特徴についての概要

SMSC Japan 菅波憲一氏
製品の詳細については、同社Ethernet製品担当の菅波憲一氏が説明を行った。

新製品「LAN9131」は、先述したHDストリーミングの高速転送機能のほかに、ソフトウェアによるプロトコルスタック、著作権保護機能などをパッケージにし、「RipStream」のブランドネームのもと展開される。


「LAN9131」を搭載した評価ボード

評価ボード上の「LAN9131」(写真中央)

評価ボードによるHDストリーミングの2チャンネル同時送受信のデモが行われた
プロセッサー「LAN9131」は、ARM926コアを内蔵し、柔軟性のある高い処理能力を備えたことにより、イーサーネット上に接続されたDLNA機器に30Mbpsの高品位HDストリーミングコンテンツを2チャンネル分同時に送受信できるパフォーマンスを実現している。


RipStreamのソリューション概念図

RipStreamによるHDストリーミングのホームネットワーク実現のイメージ
データ転送能力については、2チャンネル双方向TSI(Transport Stream Interfaces)をストリーミングデータ専用に持たせることで、高速データ通信におけるアプリケーションのホストプロセッサー側にかかる負荷の軽減を実現している。また、ハードウェアとして暗号・複合エンジンを搭載したことにより、DTCP-IP規格やWMDRM 10などのDRMを実現した。これらのコンテンツ保護規格をサポートし、DLNAガイドラインで結ばれた機器間で、セキュアなHDストリーミングを実現することができる。


SMSC社 ジョンソン・タン氏
「RipStream」シリーズの市場展開については、米国SMSC本社より来日した情報家電向け製品担当 副社長のジョンソン・タン氏が説明を行った。

タン氏はRipStreamの登場した背景について「英語の“Rip”という単語には“何かを取り出す”という意味がある。具体的にはイーサーネットパケットのストリームからMPEGのパケットを取り出すことを対象にしたテクノロジー、また“速い・高速”、“ハイパフォーマンス”という意味もある。まさに高パフォーマンスのHDのストリーミングをサポートするためのテクノロジーとして開発を行ってきた」と紹介した。

新ブランドを今後全世界で展開し、ネットワーク家電の相互接続をDLNAガイドラインに対応させていく。タン氏は「SMSCはこれまで過去約15年間に渡ってイーサーネットソリューションのリーディングカンパニーとして成功を収めてきた。今回は10/100BASEでの展開となるが、近い将来には1GBのイーサーネットもサポートする予定だ」と語った。


同社ではホームネットワークの普及が今後も拡大すると予測

RipStreamが提供するホームネットワークの解説

デジタル家電が抱える高性能ネットワーク化への課題にもRipStreamは対応できるした
DLNAガイドラインへの対応を実現した背景について、タン氏は「PCでダウンロードしたコンテンツを、リビングで楽しみたいというニーズが、今後ますます高まってくると考えている。現在DLNAのプロモートメンバーには、全世界的に有名な企業を含む282社、20カ国からの代表が参加しており、今後はデジタルメディアサーバーやプレーヤーなど12のデバイスクラスがサポートされ、コンテンツの著作権保護に対する取り組みも進んで行く。2010年までには世界中で1億6,000万世帯がホームネットワークへの対応を実現することが考えられる」とした。さらに、「現在のデジタル家電が高性能ネットワーク化に向けて抱えている、開発時間・コスト圧縮の課題と、そして機器側におけるホストプロセッサーへの負荷の軽減などについて、当社のRipStreamシリーズが最適なソリューションを提供して行くことができるだろう」と意気込みを語った。

RipStreamシリーズの日本国内への展開については、SMSC Japan代表取締役社長の鈴木康夫氏が説明を行った。


SMSC Japan 鈴木康夫氏
鈴木氏はRipStreamについて「この製品はSMSC Japanが企画の立案、および開発が行うとともに、日本市場を先行ターゲットとして展開していくこととなる商品である」とした。開発段階において、DLNA対応が強く意識されるとともに、日本国内においても本製品の魅力をデジタル家電メーカーへ強く訴えかけていく考えであるという。同社はネットワーク関連製品のスペシャリストとして名を馳せるメーカーだが、今後はPC関連のビジネスに力を入れつつも、「デジタル情報家電向け製品」「自動車用ネットワーク製品」の拡大についても、同様に注力を図っていく考えが鈴木氏より示された。

【問い合わせ先】
SMSC Japan
https://www.smsc.jp/contact/


(Phile-web編集部)

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