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公開日 2007/01/10 12:05

<山之内正のCES2007レポート>ジェナムの映像プロセッサーやHDMI/DVIレシーバーに注目

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日本でおなじみの家電メーカーに加えて、技術力の高い海外メーカーの展示にじっくり接することができるのが、CESのメリットの一つである。特に北米に拠点を置くメーカーについては、当然ながら世界の他の地域のコンベンションとは比較できないほど充実している。

カナダのオンタリオに本拠を置くジェナムもそうしたメーカーの一つといえるだろう。昨年からCESにブースを構えた同社は、放送局用などプロ機器で名を知られるメーカーだが、最近は民生機への展開も積極的に行っている。設立時からの事業である補聴器の分野では圧倒的な世界的シェアを有するという意外な側面もある。

そのジェナムが開発した映像プロセッサー「VXP」は、マランツのVP-12S4、VP-11S1に搭載されたことで日本でも名が知られるようになり、今月末に登場予定のビクターDLA-HD1にも搭載されている。ハイエンドプロジェクターがこぞって同社のプロセッサーを使用する理由はもちろん画質の良さにあるわけで、VXPの評価は日増しに高まりつつあるといっていい。

ジェナムのブースには前述のプロジェクターが採用したGF93531や新製品のGF9450をはじめ、いくつか興味深い展示が並んでいる。

2台のフラットディスプレイを並べて比較しているのは、同社が開発したHDMI/DVIレシーバーの効果である。片方は1080pの映像信号を30mのHDMIケーブルで伝送し、もう片方は同じ条件で端末にレシーバーを挿入している。写真からはわかりにくいが、前者は画面全体に常時大量のノイズが出ているが、ジェナムのイコライザーを挿入した後者ではまったくノイズが認められない。その効果は一目瞭然である。

30mHDMIケーブルで1080p信号を伝送する比較デモンストレーション。左がレシーバーなし、右がレシーバー使用

ジェナムのHDMI/DVIレシーバーGS8101を組み込んだメイン基板

ユビテック「ユビリス」の効果を確認するためのデモンストレーション。テーブルの上に置かれているのが評価用ボードである。SD信号をHD変換しているが、質感が高くなめらかな映像を見せる

1080p信号を30mを超えるケーブルで正常に伝送することは一般的にきわめて難しいが、このHDMI/DVIレシーバーを使えば、それが可能になるというわけだ。小型の基板に搭載されているジェナムのチップはGS8101という製品で、イコライザ処理によって信号を補正することが主な役割である。

同じジェナムのブースにネットワーク対応の映像プロセッシングボードを展示しているメーカーがある。こちらは日本のユビテックが開発した「ユビリス」と呼ばれる映像エンジンモジュールで、やはりジェナムのチップを心臓部に採用している。

ネットワーク対応というのは、各種アナログ信号、デジタル信号のほか、ストリーム形式で送られてくるデジタル信号にも対応し、それらをフルHDの映像信号に変換して出力できることを意味している。ジェナムの映像プロセッサーが有するノイズリダクション機能やスケーリング機能を利用できるので、プロジェクターやディスプレイに内蔵することにより、様々な方式・解像度の映像信号をデジタル処理して表示デバイスに送り込む用途に向く。実際に同社の映像エンジンは某社高級プロジェクターへの採用実績がある。

そのほかBluetooth規格のヘッドセットなど、同社が得意とする分野の関連製品が豊富に展示されており、たいへん興味深い。

(山之内 正)

ces2007

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