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公開日 2007/05/17 19:56
モバイル用途の「iVDR Card」を提案 − iVDRコンソーシアムセミナー2007開催
iVDRリムーバブルHDDの標準化を目指して活動を行うiVDRコンソーシアムが、メディアに関する今後の動向やビジネス展望の紹介を目的としたセミナーを都内で開催した。
■モバイル用途に1.8インチサイズの「iVDR Card」を提案
セミナー当日はコンソーシアム関係者、並びに業界著名人らを招いていくつかの特別講演が開催された。開会プレゼンテーションの壇上に立ったiVDRコンソーシアム代表の三洋電機(株)日置敏昭氏からは、iVDRの事業展開に関する現状と今後の概略が報告された。
民生用iVDRの展開として、本年4月には日立マクセル(株)のiVDR-Sディスクや(株)アイ・オー・データ機器のiVDRディスク、ならびに日立製作所(株)のiVDR対応薄型テレビ“Woooシリーズ”がそれぞれ市場に導入された。日置氏はiVDRが商品化を実現したことにより新しいビジネスのステージに立ったことをあらためて強調した。
iVDRを取り巻く最新ビジネスについては、中国で放送機器の分野にiVDRを記録媒体として採用した業務用ビデオカメラや編集機器が国際精華社より製品化されたことが紹介された。さらにiVDRの特徴について説明を続けた日置氏は、Blu-rayディスクとSDメモリーカードを比較対象として取り上げ、iVDRが記録容量の大きさ、転送速度の速さにおいて優れたメディアであることをアピールした。日置氏は「今後、iVDRの大容量化については2010年を目処に2.5インチで250GBや500GBのディスクを商品化することが可能」とした。日置氏はさらに、iVDRを将来的にカムコーダーやカーナビ用途へ積極的に展開するとし、コンテンツ保護技術SAFIA対応の「iVDR-S」について、1.8インチサイズの「iVDR Mini」に加えて、サイズのコンパクト化・薄型化を図った1.8インチサイズの「iVDR Card」を規格策定中であることを、この日のセミナー会場で初めて発表した。
日置氏は「iVDRのリムーバブルディスクとしての特徴を活かして、これまでにない新しいハードディスクの応用商品とサービス展開が可能と考えている。著作権保護技術SAFIAの特長を活かした高いセキュリティ性能も訴求しつつ、iVDRの多彩な用途をユーザーに提案することによって、リムーバブルハードディスクへの認識を“部品から商品へ”と転換させて行くことができるだろう」と語った。
■高度なSAFIAのコンテンツ保護技術をアピール − モバイルやコンテンツ配信の展開も視野に
続いてSAFIAライセンスグループから(株)日立製作所の助田裕史氏が登壇し、SAFIAコンテンツ保護技術の現状と今後の展望について語った。
SAFIAは06年3月にiVDRへのコンテンツ保護方式としてD-pa、BPAより認定を取得して以降、06年11月にはオーディオ規格のライセンスが開始された。助田氏はSAFIAコンテンツ保護技術の特長として、AES-128による高度なコンテンツの暗号化や、コンテンツ暗号鍵とコンテンツ利用条件とを一体として取り扱う技術によるセキュアなコンテンツアクセス環境が実現されている点などを強調した。また今後期待されているiVDR対応PCでのビジネスモデルについて助田氏は、暗号化された保護コンテンツはSAFIA対応PCのみが再生可能であり、インターネットへのコンテンツ再送信が不可能と説明した。助田氏は今後のSAFIAのライセンスプランについて「これまでにデジタルTV、オーディオをそれぞれカバーしてきたが、次は車載用途が非常に重要なアプリケーションのエリアと考えている。また分野としてはブロードバンド環境を活用したe-Distributuionも想定され、iVDRが配信されたコンテンツをセキュアに格納できるメディアであることを積極的にアピールしていきたい」と意欲を示した。
■2010年には1.8インチで100GBのiVDRも可能
セミナーの最後に登壇した(株)日立グローバルストレージテクノロジーズの釘屋文雄氏は、iVDRビジネスの今後の展開を詳しく紹介した。
はじめにハードディスクの市場規模予測が釘屋氏より紹介された。釘屋氏は「HDDの市場規模は拡大しており、05年から08年までに全体で14%の成長率が期待できる」とした。同社調査によるデータを示しながら説明を続けた釘屋氏は、中でもコンシューマー・エレクトロニクス分野での市場成長率が27%にも登ることについて強調した。インチサイズ別では、3.5インチではセットトップボックスやデジタルビデオレコーダーなど家電製品が成長を牽引しているという。また2.5インチは05年から08年までに、ノートPCの成長とゲームシステムへの採用が起爆剤となり、30%の成長が期待できるとされた。さらに1.8インチについてはカムコーダーや車載分野での成長により41%の成長が期待できるという。釘屋氏は「1.8インチのリムーバブル用途の魅力をiVDRの特長として、今後も訴えかけていきたい」と語った。
また釘屋氏はハードディスクの技術的な成長性についても触れ、「今後も記録技術の改良により、2010年には1.8インチHDDで100GBは十分に超えられるだろう。耐衝撃性能の向上についても、HDDのリムーバブルメディアとしての信頼性を高めた。コンシューマー・エレクトロニクスの分野で、ハードディスクは大容量のコンテンツが記録できる一時保存に長けたメディアとして成長してきたが、iVDRの登場により、今後はアーカイブメディアとしても活用でき、モバイル性能も高いメディアとしても可能性を広げていくだろう。ユーザーの幅広い用途がカバーできるブリッジメディアとして積極的にアピールしていきたい」と訴えた。
今後のビジネス展開については「日立からiVDR対応のテレビが商品化されたことにより、薄型テレビではさらに対応機器が増えていくだろう。まずはこの分野で仲間づくりを進め、普及を促進させたい。また昨今成長が著しいビデオカメラの市場やオートモバイルの市場でもiVDRが活用できるよう、本日紹介のあったiVDR Cardの規格策定を急ぎ実現し、商品を提案していきたい」と抱負を語った。また、iVDRを活用したビジネスとして、ビデオレンタルやブロードバンド配信など、SAFIAの高度なセキュリティ技術を活用した流通モデルも視野に入れられていることが釘屋氏より紹介された。
【問い合わせ先】
iVDRコンソーシアム 事務局
TEL/0584-64-4580
(Phile-web編集部)
■モバイル用途に1.8インチサイズの「iVDR Card」を提案
セミナー当日はコンソーシアム関係者、並びに業界著名人らを招いていくつかの特別講演が開催された。開会プレゼンテーションの壇上に立ったiVDRコンソーシアム代表の三洋電機(株)日置敏昭氏からは、iVDRの事業展開に関する現状と今後の概略が報告された。
民生用iVDRの展開として、本年4月には日立マクセル(株)のiVDR-Sディスクや(株)アイ・オー・データ機器のiVDRディスク、ならびに日立製作所(株)のiVDR対応薄型テレビ“Woooシリーズ”がそれぞれ市場に導入された。日置氏はiVDRが商品化を実現したことにより新しいビジネスのステージに立ったことをあらためて強調した。
iVDRを取り巻く最新ビジネスについては、中国で放送機器の分野にiVDRを記録媒体として採用した業務用ビデオカメラや編集機器が国際精華社より製品化されたことが紹介された。さらにiVDRの特徴について説明を続けた日置氏は、Blu-rayディスクとSDメモリーカードを比較対象として取り上げ、iVDRが記録容量の大きさ、転送速度の速さにおいて優れたメディアであることをアピールした。日置氏は「今後、iVDRの大容量化については2010年を目処に2.5インチで250GBや500GBのディスクを商品化することが可能」とした。日置氏はさらに、iVDRを将来的にカムコーダーやカーナビ用途へ積極的に展開するとし、コンテンツ保護技術SAFIA対応の「iVDR-S」について、1.8インチサイズの「iVDR Mini」に加えて、サイズのコンパクト化・薄型化を図った1.8インチサイズの「iVDR Card」を規格策定中であることを、この日のセミナー会場で初めて発表した。
日置氏は「iVDRのリムーバブルディスクとしての特徴を活かして、これまでにない新しいハードディスクの応用商品とサービス展開が可能と考えている。著作権保護技術SAFIAの特長を活かした高いセキュリティ性能も訴求しつつ、iVDRの多彩な用途をユーザーに提案することによって、リムーバブルハードディスクへの認識を“部品から商品へ”と転換させて行くことができるだろう」と語った。
■高度なSAFIAのコンテンツ保護技術をアピール − モバイルやコンテンツ配信の展開も視野に
続いてSAFIAライセンスグループから(株)日立製作所の助田裕史氏が登壇し、SAFIAコンテンツ保護技術の現状と今後の展望について語った。
SAFIAは06年3月にiVDRへのコンテンツ保護方式としてD-pa、BPAより認定を取得して以降、06年11月にはオーディオ規格のライセンスが開始された。助田氏はSAFIAコンテンツ保護技術の特長として、AES-128による高度なコンテンツの暗号化や、コンテンツ暗号鍵とコンテンツ利用条件とを一体として取り扱う技術によるセキュアなコンテンツアクセス環境が実現されている点などを強調した。また今後期待されているiVDR対応PCでのビジネスモデルについて助田氏は、暗号化された保護コンテンツはSAFIA対応PCのみが再生可能であり、インターネットへのコンテンツ再送信が不可能と説明した。助田氏は今後のSAFIAのライセンスプランについて「これまでにデジタルTV、オーディオをそれぞれカバーしてきたが、次は車載用途が非常に重要なアプリケーションのエリアと考えている。また分野としてはブロードバンド環境を活用したe-Distributuionも想定され、iVDRが配信されたコンテンツをセキュアに格納できるメディアであることを積極的にアピールしていきたい」と意欲を示した。
■2010年には1.8インチで100GBのiVDRも可能
セミナーの最後に登壇した(株)日立グローバルストレージテクノロジーズの釘屋文雄氏は、iVDRビジネスの今後の展開を詳しく紹介した。
はじめにハードディスクの市場規模予測が釘屋氏より紹介された。釘屋氏は「HDDの市場規模は拡大しており、05年から08年までに全体で14%の成長率が期待できる」とした。同社調査によるデータを示しながら説明を続けた釘屋氏は、中でもコンシューマー・エレクトロニクス分野での市場成長率が27%にも登ることについて強調した。インチサイズ別では、3.5インチではセットトップボックスやデジタルビデオレコーダーなど家電製品が成長を牽引しているという。また2.5インチは05年から08年までに、ノートPCの成長とゲームシステムへの採用が起爆剤となり、30%の成長が期待できるとされた。さらに1.8インチについてはカムコーダーや車載分野での成長により41%の成長が期待できるという。釘屋氏は「1.8インチのリムーバブル用途の魅力をiVDRの特長として、今後も訴えかけていきたい」と語った。
また釘屋氏はハードディスクの技術的な成長性についても触れ、「今後も記録技術の改良により、2010年には1.8インチHDDで100GBは十分に超えられるだろう。耐衝撃性能の向上についても、HDDのリムーバブルメディアとしての信頼性を高めた。コンシューマー・エレクトロニクスの分野で、ハードディスクは大容量のコンテンツが記録できる一時保存に長けたメディアとして成長してきたが、iVDRの登場により、今後はアーカイブメディアとしても活用でき、モバイル性能も高いメディアとしても可能性を広げていくだろう。ユーザーの幅広い用途がカバーできるブリッジメディアとして積極的にアピールしていきたい」と訴えた。
今後のビジネス展開については「日立からiVDR対応のテレビが商品化されたことにより、薄型テレビではさらに対応機器が増えていくだろう。まずはこの分野で仲間づくりを進め、普及を促進させたい。また昨今成長が著しいビデオカメラの市場やオートモバイルの市場でもiVDRが活用できるよう、本日紹介のあったiVDR Cardの規格策定を急ぎ実現し、商品を提案していきたい」と抱負を語った。また、iVDRを活用したビジネスとして、ビデオレンタルやブロードバンド配信など、SAFIAの高度なセキュリティ技術を活用した流通モデルも視野に入れられていることが釘屋氏より紹介された。
【問い合わせ先】
iVDRコンソーシアム 事務局
TEL/0584-64-4580
(Phile-web編集部)