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公開日 2007/09/13 12:07

<大橋伸太郎のCEDIAレポート>マランツBDプレーヤー/HDMI 1.3対応AVアンプ詳報

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毎年EXPOに多ジャンル多品種の新製品を展示し注目を集めるマランツは、今年はフルハイビジョンプロジェクターからレファレンスシリーズのオーディオ、リモート機器まで例年を上回る充実した展示で来場者を釘付けにした。

まず、サウンド系ではAVアンプ新製品を一挙に4機種会場に並べた。SR4002($549.99)、SR5002($799.99)、SR7002($1499.99)、SR8002($1,999.99)で、HDMI Ver.1.3対応は全機種共通、M.R.A.C.オートキャリブレーション、7.1chまでのリニアPCM デコード、OSD、HDCDデコーダー、IR インプットは共通である。

SR5002になるとRS-232C対応、リップシンクコントロール、DCトリガー、セカンドゾーン対応、SR7002からドルビートゥルーHD、ドルビーデジタルプラス、DTS-HD、XM-HD、M-DAX (Marantz Dynamic Audio Expander) 、RC101マルチルームリモートが加わり、RS8002では、HDラジオ、 M-DAX (Marantz Dynamic Audio Expander)、サードゾーンのオーディオアウトプットが搭載される。上位2機種はHDMI4入力、2出力のリピートになる。

HDMI Ver.1.3対応の新しいAVアンプ・RS8002。今回発売された中で最上位。3rdゾーンのオーディオアウトプット(2ndまではビデオも)を搭載

こちらはRS7002。ここからドルビートゥルーHD、ドルビーデジタルプラス、DTS-HD、XM-HD、M-DAX (Marantz Dynamic Audio Expander)に対応

ソース機器での最大の注目は、初のブルーレイディスクプレーヤー、BD8002である。価格は未定、発売は来春となる。マランツ・アメリカの北村氏が「当社が作る以上、こだわった高品位モデルです。期待してください」と会場で自信タップリに紹介した新製品である。ブルーレイの他、DVDとCDの再生に対応、シリコンオプティクスのREALTAをデコードとプロセッシングに採用し、480i, 480p, 720p, 1080i、1080pで出力する。

待望のマランツ版ブルーレイディスク/DVD/CDプレーヤーがこのBD8002だ。堅牢そうなアルミの前面パネルが「並みのハイビジョンディスクプレーヤーじゃない!」とアピール

CI(カスタムインスタレーション)に配慮したマランツらしい製品。VS3002HDMIスウィッチャー

DLP方式のフルハイビジョン・ビデオプロジェクター2機種を同時に発表した。一機種は、VP-11S1の後継機種VP-11S2である。上に3板式のVP-10があるからサミットモデルとはいえないかもしれないが、一般的な意味ではフラグシップだろう。TIの最新DMDチップダークチップ4を採用した最初のプロジェクターである。1080P (1920×1080) 出力で HDMI 1.3 のディープカラーに対応する。コントラストは15,000:1 、輝度パワーは850 ANSIルーメン、ジェナムGF9351プロセッサーを搭載しレンズシステムはコニカミノルタ製の14枚でスタンダードと長焦点の2種のレンズが用意される。ランプパワーは200 DC ランプ、O.R.C.A.6倍7セグメントのカラーホイール、3種のセッティングに対応したデュアルアイリスを持つ。電動/フィックスのアナモフィックレンズをオプションで用意する。価格は未定。二つのプロジェクターはマランツブース(VP-15S1)とTIのブース(VP-11S2)でデモを行い、DLPのシャープな映像美を力強くアピールした。

アメリカ人がダーイスキ! なモータライズド・アナモフィックレンズを装着したフルハイビジョン新製品のVP-15S1。従来のVP-12系の後継となるライン

フルハイビジョンのフラグシップ、従来のVP-11S1に代わるS2が登場。こちらのデモはマランツブースでなく、お母さんの実家TIにて実施

もう一つのフルハイビジョンプロジェクターは、720pグレードのVP-12S4の後継機に位置づけられるVP-15S1である。ただし1920×1080のフルハイビジョンでこちらは価格が$8,999.99と発表されている。HDMI 1.3とディープカラーに対応、コントラストは 10,000:1、輝度パワーは1000 ANSIルーメン、ジェナムGF9351プロセッサーを搭載する。主要光学系、つまりレンズ系、ランプ、カラーホイールとデュアルアイリスはVP-11S2と同仕様、オプションも共通である。

日本でも愛用者の多いマランツのリモートコントロールは新製品が加わりレンジが拡大した。CI(カスタムインスタレーション)系商品として人気を博してきたRC9500、5400は継続、上位機種のRC9001($1,599.99)が新たに加わっている。RC9500から印象を一変したワイド画面、グロスブラックの豪華なリモコンだ。640 x 480 ピクセルのVGAグレードTFTカラーLCDを採用、フラッシュサーフェスタッチパネル、64MB メモリー、 IR/WiFi二つのトランスミッションに対応した2-wayシリアルコミュニケーションが特徴。オプションにWi-FIエクステンダーRX8001、シリアルエクステンダーRX9001を用意、これで家庭内にWiFi環境を実現。RC9500による従来のコントロール環境から一歩踏み出したわけだ。

もうすこし広く一般的用途を考慮した新しいリモコンシリーズも発表された。RC101($49.99)、2001($229.99)、3001($379.99)である。いずれも縦型で2001と3001はRC9001 と共通印象のグロスブラックの外観。一般的といってもPCでプログラミングが出来、もちろんマクロ(拡張動作)が組めるから、$1099.99 のRC9500の主要用途をやや大衆化したリモコンといえそうだ。

RC101でも3ゾーンのマルチゾーンコントロールが可能、RC2001と3001は小型LCDを搭載、512kBのメモリーを内蔵、両者の違いはRC3001がRFコントロールを内蔵することだ。これらリモコン新製品は日本市場にも導入予定だという。

他にも、日本ではCINEMARIUMとして発売済みのOPSODIS(オプソディス)シンプルサラウンドES7001が米国に導入される。ES7001の価格は$1299.99,の予定。

この他にも。ピュアオーディオリファレンスシリーズも新製品を展示。EXPO全体を見回してもこれだけ隙なく新製品を網羅したメーカーは少ない。北米カスタムインスタレーション市場でのマランツの存在感と寄せられる期待の大きさが伺える圧巻の展示である。

(大橋伸太郎)

筆者プロフィール
1956年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。フジサンケイグループにて美術書、児童書を企画編集後、 (株)音元出版に入社、1990年『AV REVIEW』編集長、1998年にはホームシアター専門誌『ホームシアターファイル』を刊行した。2006年に評論家に転身。西洋美術、クラシックからロック、ジャズにいたる音楽、近・現代文学、高校時代からの趣味であるオーディオといった多分野にわたる知識を生かした評論活動を行っている。

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