HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2008/02/13 17:31
NHK、「第37回 番組技術展」を開催 − かぐやのHDカメラや傘型マルチchマイクなどを展示
NHKは、2月10日〜13日の4日間にわたり「第37回 番組技術展」を開催した。「番組技術展」は、放送や収録の現場で使われる最新の技術を一般に公開する展示会。今回は、43項目にわたる各局の取り組みが展示された。
本項では、展示内容の中からいくつかをピックアップして紹介する。
■月周回衛星「かぐや」搭載ハイビジョンカメラ
月の軌道上を周回する衛星「かぐや」に搭載された、耐環境性の高いハイビジョンカメラが特別展示された。システム内には望遠と広角の2台のカメラを装備しており、それぞれ常に地平線を撮影できる角度に調整されている。システム全体は、真空状態や放射線に耐えられる設計で、日向と日陰の300度の温度差にも対応。また、ロケット打ち上げ時の振動や衝撃に対応できる耐久性も実現しているという。
なお、撮影した映像はデジタル圧縮を行い、内蔵メモリに記録。地上への伝送は10Mbpsの速度で行うことが可能となっている。
■2D3D変換による立体CGアニメ制作
フルCG映像において、効率的に立体映像を制作する2D3D技術も特別展示として公開された。本技術では、推定した奥行き情報ではなく、3DCGが元々持っている奥行き情報を用いて立体映像を生成することができる。
具体的には、CG制作ソフトで2D映像を書き出す際に、「Z-Depth」という奥行き情報も同時に出力。再生時は、Z-Depth情報を基にLRの視差のある映像を生成し、LとRを走査線上に交互に並べディスプレイに表示する。ディスプレイには偏光フィルターが貼られており、これを偏光メガネを使って視聴することで、正確な奥行き情報に基づいた立体映像を楽しむことができるという仕組みだ。
■アンブレラマイク
今回の技術展で「アイデア賞」を受賞したのがこの技術。傘の骨組みの各先端にマイクを装備したユニークな録音システムで、低コストで効果の高いサラウンド録音を可能にする。
サラウンドマイクアレーの視聴比較テストで最も優れた結果を得たという「Shimoyama-Array」に基づいたマイク配置を採用。「音の包囲感」「音の拡がり感」「音のつながり感」などにおいて、既存のマイクアレーを上回るサラウンド効果を得ることができるという。
なお、製造は傘メーカーに依頼しているとのことで、折りたたんで持ち運びを行うことももちろん可能だ。
■災害データ放送システム
河川の水位情報など、災害に関する情報をデータ放送を使って送出する技術。共通フォーマット「TVCML2.0」を用いることで、様々な種類の情報を同一のシステムで提供・取得できる。NHK以外の放送局にも共通のフォーマットを使ってもらい、自治体の情報を幅広く提供していきたいという。
■高齢者向け画面配色評価・補正装置
データ放送などの、年齢に応じた実際の見え方をシミュレートし、確認できるシステム。画面の「みやすさ」を自動的に判断し、OKもしくはNGの評価を行う。主にインターフェースのデザイナーが使用するシステムで、多くの視聴者に見やすい配色デザインを決定することができる。
■風カメラ
画面に映っている場所の、風の向きと強さをリアルタイムに自動表示できるシステム。測定器からレーザーを空間に照射し、大気中の塵に反射した光を測定することで風向、風速を測定する。ゴルフやスキージャンプの中継で効果的に利用できる技術だ。
(Phile-web編集部)
本項では、展示内容の中からいくつかをピックアップして紹介する。
■月周回衛星「かぐや」搭載ハイビジョンカメラ
月の軌道上を周回する衛星「かぐや」に搭載された、耐環境性の高いハイビジョンカメラが特別展示された。システム内には望遠と広角の2台のカメラを装備しており、それぞれ常に地平線を撮影できる角度に調整されている。システム全体は、真空状態や放射線に耐えられる設計で、日向と日陰の300度の温度差にも対応。また、ロケット打ち上げ時の振動や衝撃に対応できる耐久性も実現しているという。
なお、撮影した映像はデジタル圧縮を行い、内蔵メモリに記録。地上への伝送は10Mbpsの速度で行うことが可能となっている。
■2D3D変換による立体CGアニメ制作
フルCG映像において、効率的に立体映像を制作する2D3D技術も特別展示として公開された。本技術では、推定した奥行き情報ではなく、3DCGが元々持っている奥行き情報を用いて立体映像を生成することができる。
具体的には、CG制作ソフトで2D映像を書き出す際に、「Z-Depth」という奥行き情報も同時に出力。再生時は、Z-Depth情報を基にLRの視差のある映像を生成し、LとRを走査線上に交互に並べディスプレイに表示する。ディスプレイには偏光フィルターが貼られており、これを偏光メガネを使って視聴することで、正確な奥行き情報に基づいた立体映像を楽しむことができるという仕組みだ。
■アンブレラマイク
今回の技術展で「アイデア賞」を受賞したのがこの技術。傘の骨組みの各先端にマイクを装備したユニークな録音システムで、低コストで効果の高いサラウンド録音を可能にする。
サラウンドマイクアレーの視聴比較テストで最も優れた結果を得たという「Shimoyama-Array」に基づいたマイク配置を採用。「音の包囲感」「音の拡がり感」「音のつながり感」などにおいて、既存のマイクアレーを上回るサラウンド効果を得ることができるという。
なお、製造は傘メーカーに依頼しているとのことで、折りたたんで持ち運びを行うことももちろん可能だ。
■災害データ放送システム
河川の水位情報など、災害に関する情報をデータ放送を使って送出する技術。共通フォーマット「TVCML2.0」を用いることで、様々な種類の情報を同一のシステムで提供・取得できる。NHK以外の放送局にも共通のフォーマットを使ってもらい、自治体の情報を幅広く提供していきたいという。
■高齢者向け画面配色評価・補正装置
データ放送などの、年齢に応じた実際の見え方をシミュレートし、確認できるシステム。画面の「みやすさ」を自動的に判断し、OKもしくはNGの評価を行う。主にインターフェースのデザイナーが使用するシステムで、多くの視聴者に見やすい配色デザインを決定することができる。
■風カメラ
画面に映っている場所の、風の向きと強さをリアルタイムに自動表示できるシステム。測定器からレーザーを空間に照射し、大気中の塵に反射した光を測定することで風向、風速を測定する。ゴルフやスキージャンプの中継で効果的に利用できる技術だ。
(Phile-web編集部)