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公開日 2008/02/15 16:15
IPSアルファ、2010年に姫路新工場を稼働 − 3,000億投資で年産約1,500万枚へ
(株)IPSアルファテクノロジは、テレビ用IPS液晶パネルである「IPSαパネル」の量産拡大のため、兵庫県姫路市に第8世代の生産設備を備える新工場を建設すると発表した。2010年1月の稼働を目指し今年8月より着工する。
新工場建設により、同社の生産能力はフル稼働時には32V型換算で、年間約1500万台相当を予定する。茂原工場と合わせた同社のパネル生産能力は、 2008年9月の年間約600万枚から、2013年には3.5倍増の約2100万枚へと大幅に拡大する。新工場への投資額は約3000億円。
IPSアルファテクノロジは、これまで日立製作所子会社の日立ディスプレイズが主導して事業を展開していたが、昨年末に松下が事業運営への関与を深めると表明。同社液晶テレビへのパネル安定調達を図るため、将来的にIPSアルファの株式の過半を取得し、新工場を建設して生産能力を増強する考えを明らかにしていた。今回の新工場建設はその計画に沿ったもので、投資は松下電器が負担する。
なおCO2の排出量を現工場より25%削減することを目標にするなど、環境にも配慮していくという。
同社は、「薄型テレビ市場は置き換え需要や、BRICsやベトナムなどの新興市場への需要増によりさらに拡大していき、それに伴い同社の主力層である30V型クラスの液晶パネルのニーズが増加する」と予測しており、今回の新工場設立で、今後の需要の高まりに対応していく構えだ。
■「投資効率は他社の8G工場を上回る」
本日行われた記者会見では、松下電器産業(株)常務役員の森田研氏があいさつ。森田氏は、「液晶テレビはBRICsなどを中心に世界中で引き合いが強く、2015年には2億台の需要となる見込みだ。中でも37V型以上は、06年から10年にかけ、年平均で35%の成長を記録するだろう」と予測。「当社は薄型テレビでグローバルシェア25%以上を目標としているが、優れた特性を持つIPSパネルをより安定して調達できるようになることで、PDPとともにLCDでも大きく成長する。また、有機ELも視野に入れ、日立製作所様と連携してIPSアルファテクノロジを発展させていく」と述べた。
IPSアルファテクノロジ社長の米内史明氏は、新工場の概要を紹介。新工場を姫路に建設することを決めた理由については、「関西空港や神戸港、姫路港が近く、海外拠点へのアクセスが便利。また部材や薬液供給メーカーが近隣に位置するなど、輸送面でのメリットもある」と説明。
新工場の基板サイズは第8世代。「工程短縮や高精度な検査修正技術など新技術の開発により、投資額をガラス面積で割った投資効率では、他社の第8世代工場を上回る」という。また、エネルギー効率の向上、リサイクルエネルギーや自然エネルギーの活用、廃棄物の削減や再利用などにより、「環境保全の模範となるスーパーエコファクトリーを実現する」とした。この結果、茂原工場と比較して、パネル1台あたりのCO2排出量は25%ほど削減できるという。
■液晶ディスプレイ事業提携 − 日立と松下が正式契約締結へ
松下電器産業(株)、(株)日立製作所、キヤノン(株)の3社は、2007年12月25日に液晶ディスプレイ事業で包括的な提携を行うことで基本合意した(関連ニュース)が、本日、日立および松下の2社間で正式に契約締結がなされた。
提携内容は、日立の100%子会社である(株)日立ディスプレイズの株式を、松下が3月31日までに24.9%に取得する。さらに将来的には日立ディスプレイズが保有するIPSアルファの全株式を含む大型IPS液晶パネル付随事業を松下が660億円で取得。日立は10%を上限にLPSアルファ株式の保有を検討する。
松下は、前述のIPSアルファの新工場建設について、日立グループと提携しつつ同社が中核となって建設を進めていくとし、さらに将来的には、新工場で有機ELディスプレイを展開することを視野に入れ事業を推進していく。
なお、日立とキヤノン間については、現在最終合意に向けて交渉中だという。
(Phile-web編集部)
新工場建設により、同社の生産能力はフル稼働時には32V型換算で、年間約1500万台相当を予定する。茂原工場と合わせた同社のパネル生産能力は、 2008年9月の年間約600万枚から、2013年には3.5倍増の約2100万枚へと大幅に拡大する。新工場への投資額は約3000億円。
IPSアルファテクノロジは、これまで日立製作所子会社の日立ディスプレイズが主導して事業を展開していたが、昨年末に松下が事業運営への関与を深めると表明。同社液晶テレビへのパネル安定調達を図るため、将来的にIPSアルファの株式の過半を取得し、新工場を建設して生産能力を増強する考えを明らかにしていた。今回の新工場建設はその計画に沿ったもので、投資は松下電器が負担する。
なおCO2の排出量を現工場より25%削減することを目標にするなど、環境にも配慮していくという。
同社は、「薄型テレビ市場は置き換え需要や、BRICsやベトナムなどの新興市場への需要増によりさらに拡大していき、それに伴い同社の主力層である30V型クラスの液晶パネルのニーズが増加する」と予測しており、今回の新工場設立で、今後の需要の高まりに対応していく構えだ。
■「投資効率は他社の8G工場を上回る」
本日行われた記者会見では、松下電器産業(株)常務役員の森田研氏があいさつ。森田氏は、「液晶テレビはBRICsなどを中心に世界中で引き合いが強く、2015年には2億台の需要となる見込みだ。中でも37V型以上は、06年から10年にかけ、年平均で35%の成長を記録するだろう」と予測。「当社は薄型テレビでグローバルシェア25%以上を目標としているが、優れた特性を持つIPSパネルをより安定して調達できるようになることで、PDPとともにLCDでも大きく成長する。また、有機ELも視野に入れ、日立製作所様と連携してIPSアルファテクノロジを発展させていく」と述べた。
IPSアルファテクノロジ社長の米内史明氏は、新工場の概要を紹介。新工場を姫路に建設することを決めた理由については、「関西空港や神戸港、姫路港が近く、海外拠点へのアクセスが便利。また部材や薬液供給メーカーが近隣に位置するなど、輸送面でのメリットもある」と説明。
新工場の基板サイズは第8世代。「工程短縮や高精度な検査修正技術など新技術の開発により、投資額をガラス面積で割った投資効率では、他社の第8世代工場を上回る」という。また、エネルギー効率の向上、リサイクルエネルギーや自然エネルギーの活用、廃棄物の削減や再利用などにより、「環境保全の模範となるスーパーエコファクトリーを実現する」とした。この結果、茂原工場と比較して、パネル1台あたりのCO2排出量は25%ほど削減できるという。
■液晶ディスプレイ事業提携 − 日立と松下が正式契約締結へ
松下電器産業(株)、(株)日立製作所、キヤノン(株)の3社は、2007年12月25日に液晶ディスプレイ事業で包括的な提携を行うことで基本合意した(関連ニュース)が、本日、日立および松下の2社間で正式に契約締結がなされた。
提携内容は、日立の100%子会社である(株)日立ディスプレイズの株式を、松下が3月31日までに24.9%に取得する。さらに将来的には日立ディスプレイズが保有するIPSアルファの全株式を含む大型IPS液晶パネル付随事業を松下が660億円で取得。日立は10%を上限にLPSアルファ株式の保有を検討する。
松下は、前述のIPSアルファの新工場建設について、日立グループと提携しつつ同社が中核となって建設を進めていくとし、さらに将来的には、新工場で有機ELディスプレイを展開することを視野に入れ事業を推進していく。
なお、日立とキヤノン間については、現在最終合意に向けて交渉中だという。
(Phile-web編集部)