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公開日 2010/12/28 16:17
【年末特別企画】ホームシアターファイル誌編集長・川嶋がゼンブ答える! − 「2011年のホームシアターはどうなりますか?」<第1部>
3D・大画面・5.1chサラウンドがキーワード
ホームシアターづくりの環境が整った!
― 2011年のホームシアターの展望を、日本で唯一のホームシアター定期刊行誌『ホームシアターファイル』編集長の川嶋隆寛さんにお話しいただきます。2010年はエコポイントもあって大型テレビの普及が進みましたし、3Dやネットワークなど、オーディオビジュアル関係の話題に事欠きませんでした。2011年はホームシアターがブームになるような予感がありますが…。
川嶋 ホームシアターを楽しむ環境は整ってきましたね。インフラが整備されたというか。2010年はホームシアターに関連するネタが出そろいました。ここではキーワードを3つ出します。ひとつは大型テレビの普及/地デジへの完全移行。もうひとつは3D環境の整備。順を追ってお話します。
【第1部】2011年のトレンド、それは「地デジ対応リビング」
川嶋 2010年のオーディオビジュアルの大きな話題は大型テレビの普及でした。まあせっかく大型テレビを手に入れたのだから…。
― ホームシアターをはじめよう、と。
川嶋 ちょ…、結論を急がないで(笑)。でも、あなたの言うとおりですよ。大型テレビを手に入れると、しかもフルHDの美しい映像を日常的に見るようになると、画面のサイズに相応しいサウンドがほしくなるんです。
でも、ただ単にテレビのボリュームをあげればいいわけではない。テレビで映画を観ていると気づくと思いますが、聴き取りづらいんですよね。映画は低域と高域が多く入っていますが、テレビに付属のスピーカーは、低域と高域の再生は苦手なものが多いのです。だから画面サイズに見合うオーディオセットがほしくなる。
と同時に、実は忘れられていることがあります。デジタル放送に変わると、映像が美しくなるだけではありません。先日あるセミナーの冒頭で次のような質問をしました。「紅白歌合戦を知らない人は手をあげてください」
― 知らない人はいないでしょ。日本に数年住んでいれば外国人だって知っているでしょう。
川嶋 まあさすがにひとりも手をあげませんでしたよ。それでね、次に「じゃあ、紅白歌合戦が何年も前からサラウンドで放送されているのは知っていますか」という質問をしたんです。どのくらい手を挙げたと思いますか?
― 8割くらいですか?
川嶋 いやいや、ファイル・ウェブの読者じゃないんで…。そのセミナーは設計の先生を対象にしたものですから。で、20人あまりのうち、たった2人だけでした。
― ほー。いやぁ、そんなものですか。
川嶋 うーん、これは憂うべき事態でしてね。要するに政府の広報不足で、地デジ地デジといいながらも、サラウンド放送に関してはあまり広報していないわけでしょ。「7月24日にアナログ放送は終わります」とか女子アナが媚笑して言いつつも、サラウンドにはほとんどふれていない。デジタル放送化のメリットはいろいろとありますが、オーディオビジュアルファン的観点からはフルHD化による画質の向上に加えて、5.1chサラウンドというフォーマットが用意されている点に注目しますよね。
―いや、映画ファン的観点からも音楽ファン的観点からもスポーツファン的観点からもアイドルファン的観点からも、5.1chサラウンドがフォーマットとして用意されている点には注目しますよ。実際、映画や音楽番組では5.1chサラウンドで放映するコンテンツが増えていますよね。
川嶋 「日曜洋画劇場」とかでも5.1chで放映しているのがありますね。「ミュージックステーション」とかもね。NHKなんかでは、コンサートでとてもよいものがありますよ。BSまで含めると、5.1chで放映されているコンテンツはとても多い。
― 知らないのはもったいないですよね。
川嶋 大画面+5.1chサラウンドのコンテンツが空から降ってきているわけなんです。ひと昔前だと考えられない状況ですよ。さすがに映画館並みとは言わないけど、でも家のリビングで映画館の疑似体験ができるんです。
― しかもタダですよね。
川嶋 うん、せっかくそういう環境があるのですから、『ホームシアターファイル』誌としては、提案したいわけ。リビングに大型テレビを手に入れたなら、サラウンドを導入してみましょうよ、と。これを我々は「地デジ対応リビング」と呼んでいるんです。BS含む、だけど。で、入門としてはフロントサラウンドでもかまいませんが、できればAVアンプと5.1chスピーカーを使ったリアルサラウンドで楽しんでほしい。
― 臨場感が違いますからね。
川嶋 ええ、臨場感がまったく違う。しかも、2010年のオーディオビジュアルにおいて、実はAVアンプというジャンルが最も豊作だったのではないかと思うんですよ。
― 機能面がとても充実していますからね。
川嶋 ネットワーク機能を中心に、各社が、それこそハイCPというよりもオーバースペックじゃないかしら、というような製品を出してきました。
― Air Playに対応したデノンのAVR-4311とか。
川嶋 ええ。マランツのセパレートAVアンプなんて、これ、ネットワークプレーヤーにもなるし、2chの音もよいし、なんでこの値段でこんなに機能が詰め込まれているの? というほど…。それこそ、5.1chサラウンド放送が無料で空から降ってきているのと同じように、こんなに機能豊富なAVアンプがこれだけ廉価で売られているなんて…。
― 知らないなんてもったいないと。
川嶋 そう、大型テレビを買ってもらうエコポイントは、AVアンプ+5.1chスピーカー購入の一部に当ててほしい。というか、そうしないとはっきり言ってもったいないです。だって地デジを使いこなしていないわけですから。是非とも「地デジ対応リビング」をつくってみましょう、と。まあ、BSも含めてだけどね。キャッチとしては「地デジ対応リビング」。これがひとつ目の結論です。
はっきり言って知らないともったいないですよ。だって、NHKがサラウンドで流しているコンテンツなんて、受信料でつくっているわけでしょ。サラウンドで放映するための機材とかの設備投資や人件費は受信料が元でしょ。じゃあ、元はとらなくちゃ(笑)。
― しかし、5.1chスピーカーの設置やAVアンプの使いこなしは難しいという方もおられます。
川嶋 ああ、それはもうね、『ホームシアターファイル』をお読みくださいと。バックナンバーも含めて、何冊か読破すれば、きっとステキな「地デジ対応リビング」がつくれますよ。
― 2011年のトレンドは『ホームシアターファイル』を読んで、「地デジ対応リビング」をつくるということですね!
川嶋 ええ、おっしゃるとおりでございます。
― 2011年のホームシアターの展望を、日本で唯一のホームシアター定期刊行誌『ホームシアターファイル』編集長の川嶋隆寛さんにお話しいただきます。2010年はエコポイントもあって大型テレビの普及が進みましたし、3Dやネットワークなど、オーディオビジュアル関係の話題に事欠きませんでした。2011年はホームシアターがブームになるような予感がありますが…。
【第1部】2011年のトレンド、それは「地デジ対応リビング」
川嶋 2010年のオーディオビジュアルの大きな話題は大型テレビの普及でした。まあせっかく大型テレビを手に入れたのだから…。
― ホームシアターをはじめよう、と。
川嶋 ちょ…、結論を急がないで(笑)。でも、あなたの言うとおりですよ。大型テレビを手に入れると、しかもフルHDの美しい映像を日常的に見るようになると、画面のサイズに相応しいサウンドがほしくなるんです。
でも、ただ単にテレビのボリュームをあげればいいわけではない。テレビで映画を観ていると気づくと思いますが、聴き取りづらいんですよね。映画は低域と高域が多く入っていますが、テレビに付属のスピーカーは、低域と高域の再生は苦手なものが多いのです。だから画面サイズに見合うオーディオセットがほしくなる。
と同時に、実は忘れられていることがあります。デジタル放送に変わると、映像が美しくなるだけではありません。先日あるセミナーの冒頭で次のような質問をしました。「紅白歌合戦を知らない人は手をあげてください」
― 知らない人はいないでしょ。日本に数年住んでいれば外国人だって知っているでしょう。
川嶋 まあさすがにひとりも手をあげませんでしたよ。それでね、次に「じゃあ、紅白歌合戦が何年も前からサラウンドで放送されているのは知っていますか」という質問をしたんです。どのくらい手を挙げたと思いますか?
― 8割くらいですか?
川嶋 いやいや、ファイル・ウェブの読者じゃないんで…。そのセミナーは設計の先生を対象にしたものですから。で、20人あまりのうち、たった2人だけでした。
― ほー。いやぁ、そんなものですか。
川嶋 うーん、これは憂うべき事態でしてね。要するに政府の広報不足で、地デジ地デジといいながらも、サラウンド放送に関してはあまり広報していないわけでしょ。「7月24日にアナログ放送は終わります」とか女子アナが媚笑して言いつつも、サラウンドにはほとんどふれていない。デジタル放送化のメリットはいろいろとありますが、オーディオビジュアルファン的観点からはフルHD化による画質の向上に加えて、5.1chサラウンドというフォーマットが用意されている点に注目しますよね。
―いや、映画ファン的観点からも音楽ファン的観点からもスポーツファン的観点からもアイドルファン的観点からも、5.1chサラウンドがフォーマットとして用意されている点には注目しますよ。実際、映画や音楽番組では5.1chサラウンドで放映するコンテンツが増えていますよね。
川嶋 「日曜洋画劇場」とかでも5.1chで放映しているのがありますね。「ミュージックステーション」とかもね。NHKなんかでは、コンサートでとてもよいものがありますよ。BSまで含めると、5.1chで放映されているコンテンツはとても多い。
― 知らないのはもったいないですよね。
川嶋 大画面+5.1chサラウンドのコンテンツが空から降ってきているわけなんです。ひと昔前だと考えられない状況ですよ。さすがに映画館並みとは言わないけど、でも家のリビングで映画館の疑似体験ができるんです。
― しかもタダですよね。
川嶋 うん、せっかくそういう環境があるのですから、『ホームシアターファイル』誌としては、提案したいわけ。リビングに大型テレビを手に入れたなら、サラウンドを導入してみましょうよ、と。これを我々は「地デジ対応リビング」と呼んでいるんです。BS含む、だけど。で、入門としてはフロントサラウンドでもかまいませんが、できればAVアンプと5.1chスピーカーを使ったリアルサラウンドで楽しんでほしい。
― 臨場感が違いますからね。
川嶋 ええ、臨場感がまったく違う。しかも、2010年のオーディオビジュアルにおいて、実はAVアンプというジャンルが最も豊作だったのではないかと思うんですよ。
― 機能面がとても充実していますからね。
川嶋 ネットワーク機能を中心に、各社が、それこそハイCPというよりもオーバースペックじゃないかしら、というような製品を出してきました。
― Air Playに対応したデノンのAVR-4311とか。
― 知らないなんてもったいないと。
川嶋 そう、大型テレビを買ってもらうエコポイントは、AVアンプ+5.1chスピーカー購入の一部に当ててほしい。というか、そうしないとはっきり言ってもったいないです。だって地デジを使いこなしていないわけですから。是非とも「地デジ対応リビング」をつくってみましょう、と。まあ、BSも含めてだけどね。キャッチとしては「地デジ対応リビング」。これがひとつ目の結論です。
はっきり言って知らないともったいないですよ。だって、NHKがサラウンドで流しているコンテンツなんて、受信料でつくっているわけでしょ。サラウンドで放映するための機材とかの設備投資や人件費は受信料が元でしょ。じゃあ、元はとらなくちゃ(笑)。
― しかし、5.1chスピーカーの設置やAVアンプの使いこなしは難しいという方もおられます。
川嶋 ああ、それはもうね、『ホームシアターファイル』をお読みくださいと。バックナンバーも含めて、何冊か読破すれば、きっとステキな「地デジ対応リビング」がつくれますよ。
― 2011年のトレンドは『ホームシアターファイル』を読んで、「地デジ対応リビング」をつくるということですね!
川嶋 ええ、おっしゃるとおりでございます。