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公開日 2011/01/07 15:38
【CES】新モデル「TRYX」はデジカメの使い方を変えてしまうのか? − 一条真人のCASIOプレスカンファレンスレポート
クラウドのアート処理サービスも発表
2011年CESのプレスカンファレンスで、カシオはかつて同社がQV-10でデジカメ市場の立ち上げに一役買ったように、再びデジタルカメラを改革する意志があることを表明した。
今回、カシオが発表したのは、デジカメというハードウェア自体に加え、撮影した画像を扱うクラウドサービス。デジカメはフラッグシップとなる「EX-ZR100」に加え、新路線を開拓する「TRYX」の2台だ。
「速度改革」から「クリエイティブ」に
両者に共通する改革点は画像処理エンジンが「Exilim Engine HS」に進化していること。デュアルコアを備えたことで画像処理速度が飛躍的に向上している。
フラッグシップ機のEX-ZR100は、この高速化によって、スローモーション(ハイスピード)ビデオ撮影やHDR-ART機能を実現している。
ハイスピード撮影では最大1,000fpsが224×64ドット、480fpsが224x160ドット、240fpsが432x320ドットで撮影できる。しかし、ハイスピード撮影は従来からの、カシオ製デジカメのお家芸なので、いまさら目新しくはない。
特徴的な機能はHDR-ART機能にある。HDRは複数の露出の映像を連続的に撮影して、それを合成することで、高いダイナミックレンジで撮影できる機能だ。この機能自体は従来機にも搭載されていた。HDR-ART機能では“ART”という名前で想像できるように、撮影画像にアーティスティックなエフェクトをかける機能だ。これは従来はアプリを使って行っていたようなことだが、それがカメラ単体で手軽に処理できるようになったことになる。
それ以外の特徴としては24mmからの光学12.5倍ズームレンズを搭載しながら、0.95インチの薄さを実現していること。24mmという広角は室内などの撮影で威力を発揮しそうだ。
クラウドでアート処理する「Imaging Square」
単純にデジカメで撮影した画像をアップロードして公開するシステムは数多く存在するが、カシオが今回発表した「Imaging Square」は、サーバー側でペイント風の画像レタッチ処理を行うことができる「DigitalCraft」機能が用意されている点が異なっている。
油絵、ゴシック油絵など12種類の処理が用意されている。また、近い将来はアップロードした写真をオンラインプリントするようなサービスも開始する予定だという。
「TRYX」はデジカメの使い方を変えるのか
EX-ZR100よりもインパクトが大きく、今回の主役とも言えるのが「TRYX」。外観からして今までのデジカメとは異なり、外部フレームと独立して液晶ディスプレイが回転するようになっている。
フレームを中心に360度回転するのに加え、横方向にも360度回転するため、その自由度は高い。このおかげで本体単体で三脚のように立てて撮影することができるし、どこかにぶら下げて撮影することもできる。
ちょっと変わっているのがレンズが単焦点21mmと広角であること。これによって、一般的なデジカメよりも広い範囲を手軽に撮影することができる。さすがに21mmだけでは使い勝手が悪いが、超解像技術による高画質な2倍のデジタルズームが使えるので、実用的に使えそうだ。言うまでもなくこの超解像処理も「Exilim Engine HS」によって行われる。
さて、液晶がバリアブルに動くと、普通のシャッターでは使いづらいシチュエーションが出てくると思うが、TRYXではタッチ液晶でシャッターを切ることができる。この場合、タッチした場所にフォーカスを合わせてシャッターを切ることができるので、使いやすそうだ。
さらにモーションシャッター機能を使うと、画面のなかの特定エリアを指定して、その場所で動くものがあれば、シャッターを切ることができる。セルフタイマーのような単純な時間ではなく、手を振るなどの動作でシャッターを切ることができるため、集合写真などでも、自分が入っていないのにシャッターが下りるといった事態を、ある程度は防げるだろう。
動画撮影に関してはH.264でフルHDの撮影が可能であり、HDMI接続でテレビに映像を出力することができる。そしてEX-ZR100と同様、HDR-ART機能も使うことができる。
またソーシャルネットワークも意識しており、撮影後にマークしておくと、Facebook、YouTubeなどにPC接続時に自動的にアップロードしてくれる。
TRYXは従来のデジカメよりも、気軽に多彩なシチュエーションで活躍できるポテンシャルを感じる革新的な製品だが、北米での予価$249.99という価格も魅力的であり、ヒットを予感させる。ちなみに北米での発売は2011年4月の予定。
全体にアート的な画像処理機能が目立つ今回の製品群だが、これが世の中にどう受け入れられるかは興味深い。ともあれTRYXが革新的な製品なのは間違いなく、国内の登場が待ち遠しい。
今回、カシオが発表したのは、デジカメというハードウェア自体に加え、撮影した画像を扱うクラウドサービス。デジカメはフラッグシップとなる「EX-ZR100」に加え、新路線を開拓する「TRYX」の2台だ。
「速度改革」から「クリエイティブ」に
両者に共通する改革点は画像処理エンジンが「Exilim Engine HS」に進化していること。デュアルコアを備えたことで画像処理速度が飛躍的に向上している。
フラッグシップ機のEX-ZR100は、この高速化によって、スローモーション(ハイスピード)ビデオ撮影やHDR-ART機能を実現している。
ハイスピード撮影では最大1,000fpsが224×64ドット、480fpsが224x160ドット、240fpsが432x320ドットで撮影できる。しかし、ハイスピード撮影は従来からの、カシオ製デジカメのお家芸なので、いまさら目新しくはない。
特徴的な機能はHDR-ART機能にある。HDRは複数の露出の映像を連続的に撮影して、それを合成することで、高いダイナミックレンジで撮影できる機能だ。この機能自体は従来機にも搭載されていた。HDR-ART機能では“ART”という名前で想像できるように、撮影画像にアーティスティックなエフェクトをかける機能だ。これは従来はアプリを使って行っていたようなことだが、それがカメラ単体で手軽に処理できるようになったことになる。
それ以外の特徴としては24mmからの光学12.5倍ズームレンズを搭載しながら、0.95インチの薄さを実現していること。24mmという広角は室内などの撮影で威力を発揮しそうだ。
クラウドでアート処理する「Imaging Square」
単純にデジカメで撮影した画像をアップロードして公開するシステムは数多く存在するが、カシオが今回発表した「Imaging Square」は、サーバー側でペイント風の画像レタッチ処理を行うことができる「DigitalCraft」機能が用意されている点が異なっている。
油絵、ゴシック油絵など12種類の処理が用意されている。また、近い将来はアップロードした写真をオンラインプリントするようなサービスも開始する予定だという。
「TRYX」はデジカメの使い方を変えるのか
EX-ZR100よりもインパクトが大きく、今回の主役とも言えるのが「TRYX」。外観からして今までのデジカメとは異なり、外部フレームと独立して液晶ディスプレイが回転するようになっている。
フレームを中心に360度回転するのに加え、横方向にも360度回転するため、その自由度は高い。このおかげで本体単体で三脚のように立てて撮影することができるし、どこかにぶら下げて撮影することもできる。
ちょっと変わっているのがレンズが単焦点21mmと広角であること。これによって、一般的なデジカメよりも広い範囲を手軽に撮影することができる。さすがに21mmだけでは使い勝手が悪いが、超解像技術による高画質な2倍のデジタルズームが使えるので、実用的に使えそうだ。言うまでもなくこの超解像処理も「Exilim Engine HS」によって行われる。
さて、液晶がバリアブルに動くと、普通のシャッターでは使いづらいシチュエーションが出てくると思うが、TRYXではタッチ液晶でシャッターを切ることができる。この場合、タッチした場所にフォーカスを合わせてシャッターを切ることができるので、使いやすそうだ。
さらにモーションシャッター機能を使うと、画面のなかの特定エリアを指定して、その場所で動くものがあれば、シャッターを切ることができる。セルフタイマーのような単純な時間ではなく、手を振るなどの動作でシャッターを切ることができるため、集合写真などでも、自分が入っていないのにシャッターが下りるといった事態を、ある程度は防げるだろう。
動画撮影に関してはH.264でフルHDの撮影が可能であり、HDMI接続でテレビに映像を出力することができる。そしてEX-ZR100と同様、HDR-ART機能も使うことができる。
またソーシャルネットワークも意識しており、撮影後にマークしておくと、Facebook、YouTubeなどにPC接続時に自動的にアップロードしてくれる。
TRYXは従来のデジカメよりも、気軽に多彩なシチュエーションで活躍できるポテンシャルを感じる革新的な製品だが、北米での予価$249.99という価格も魅力的であり、ヒットを予感させる。ちなみに北米での発売は2011年4月の予定。
全体にアート的な画像処理機能が目立つ今回の製品群だが、これが世の中にどう受け入れられるかは興味深い。ともあれTRYXが革新的な製品なのは間違いなく、国内の登場が待ち遠しい。