• ブランド
    特設サイト
公開日 2011/12/06 14:00

【更新】SHURE、初のオープン型ヘッドホン「SRH1840」「SRH1440」を発売

左右のドライバー特性を揃え高音質化
ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
完実電気は、SHURE初のオープン型ヘッドホン「SRH1840」「SRH1440」を2012年に発売する。価格はオープンだが、SRH1840は7万円前後、SRH1440は4万円前後での販売が予想される。

右:SRH1840 左:SRH1440

SHUREは2009年に密閉型ヘッドホン「SRH840/440/240/750DJ」4機種をリリース。2010年には「SRH940/550DJ」をラインナップに追加した。今回発売する2機種はSHUREとして初のオープン型ヘッドホンとなる。密閉型を出したあと、市場から「オープン型ヘッドホンも欲しい」という声が高まったことから開発を始めたという。

特に今回の製品は日本での販売が期待されている。SHURE JAPAN社長の岩崎顕悟氏は、「新製品は全世界で販売するが、アメリカでも中国でもなく、日本で初めて発表された」と、日本市場が重視されていることを強調した。

SHURE JAPAN社長の岩崎顕悟氏

岩崎氏は「SHUREはイヤホンでは先行したが、ハイエンドヘッドホンを出したいと常々思ってきた。日本とアメリカ本社で喧々諤々の議論の末、ついに発表することができた」とも述べ、製品開発に日本の意見が多く採り入れられていることも示唆した。

本日完実電気とSHURE JAPANは、新製品の発表会を開催。SHURE本社より、イヤホン/ヘッドホン担当 アソシエイト・プロダクト・マネージャーのマイケル・ジョーンズ氏、モニタリング・カテゴリー・ディレクターのマット・エングストローム氏も来日し、すでに発売されているSE535 Special Edtionも含めた新製品の説明を行った。

左:マイケル・ジョーンズ氏 右:マット・エングストローム氏

■フラグシップヘッドホン「SRH1840」

SRH1840は同社のフラグシップヘッドホンという位置づけ。ジョーンズ氏は「本機のターゲットユーザーは2種類」とし、「1つはプロフェッショナル・サウンドエンジニアにアピールしたい。もう1つはオーディオファンで、自宅でハイファイシステムを使用しているユーザーを想定している」とした。

SRH1840

SRH1840の装着例

音質はもちろん、外観の高級感も高めた。ジョーンズ氏は「オープンバックヘッドホン市場への参入モデルにふさわしい傑作。他社同クラスの製品と比べても競争力がある」とコメントした。

SRH1840の概要

SRH1840のターゲットユーザー

ドライバーは40mmダイナミック型で、マイラー製のダイヤフラムを搭載。ネオジウムマグネットを採用している。感度は96dB SPL/mW。インピーダンスは65Ω(1kHz)、最大許容入力は1,000mW(1kHz)。再生周波数帯域は10Hz〜30kHz。

イヤーパッドを外したところ

SRH1840の周波数特性。低域と高域が伸びている

インピーダンスや感度は高めとなっており、ヘッドホンアンプの接続を主に想定しているが、ポータブルヘッドホンアンプとの組み合わせも行える範囲に設定している。また最大許容入力の1,000mWという数値については「1Wで出力するヘッドホンアンプは存在しない」(ジョーンズ氏)と、非常に余裕を持たせた仕様であることをアピールした。

SRH1840の内部構造

左右のドライバー特性を揃えることで、スムーズな高域と正確な低域を実現した点も、SRH1840の音質対策の大きなポイント。「低域から高域まで、中域の量感を犠牲にすることなく鳴らしきる」とジョーンズ氏は胸を張った。さらに同氏は本機のサウンドについて「ニアフィールドモニタースピーカーに近い音場再生が可能になる。余計な色付けや歪みのない、原音に忠実な再生を楽しんでもらいたい」と述べた。

筐体は航空機グレードのアルミ合金ヨーク「T-6061」を採用した軽量設計で、快適性と耐久性を強化。本体質量は268gと非常に軽量だ。

ドライバー部分については、フレーム部はスチール製で通気口のあるセンター・ポールピースを装備。これによりリニアリティを改善し、内部共鳴を抑えているという。

ドライバーフロントプレートは中央部分に白いフィルターを持ち、これが空気の流れを調整する。さらにリア・ダンパースクリーン自体も空気の流れをコントロールすることで、音質の改善に貢献。またグリルはステンレス製で、ドライバーの保護のためだけでなく、美観を高める効果もねらっているという。

グリルはステンレス製

ヘッドバンド部はデュアルフレーム構造。ヘッドバンド部にはパッドも備えている。軽量であるとともに、調整も広範囲で行え、長時間使用時の快適性を高めている。

ヘッドバンド部はデュアルフレーム構造でしなやか

ケーブルは両出しタイプで、金メッキのMMCXコネクターにより着脱可能。ただしMMCXコネクターを採用している、同社製イヤホン用ケーブルとの互換性は無い。ケーブルの導体にはOFCが採用され、ケブラー被覆が用いられている。ケーブル長は2.1m。

SRH1840の付属アクセサリー。SRH1440も同様

ケーブルはMMCXコネクターで着脱が可能(写真はSRH1440)

交換用のベロア素材イヤーパッドや着脱式ケーブル、6.3mmの標準プラグアダプター、ジッパー式のハードケースなどを同梱している。

ジッパー式のハードケース

ウレタンフォームが型抜きされており、ヘッドホンがすっぽり収まる

本体デザインはシャープなラインとメタリック仕上げにより、ビンテージ感とレトロ感を強調。「見た目はレトロだが、そこにモダンなテクノロジーを詰め込んだ」とSHUREでは説明している。

SRH1840の外箱

■ポータブルプレーヤーとの親和性を高めた「SRH1440」

下位機種のSRH1440は、SRH1840とほぼ同時期に発売される予定。SRH1840では左右のドライバー特性を揃えることで、スムーズな高域と正確な低域を提供しているのに対し、SRH1440は低域がよりコントロールされたフルレンジサウンドを提供すると説明している。

SRH1440

SRH1440の装着例

またSRH1440は、オープン型の長所も持ちつつ、適度な遮音性を実現した点も特徴。これにより、家の中だけでなく外出先での使用も快適に行えるという。

SRH1440はデザインや使用素材もSRH1840とは異なっており、アルミ合金ヨーク「T-6061」を採用しているのはSRH1840のみ。SRH1440のフレームはスチール製となっている。本体質量も343gと、268gのSRH1840に比べ重い。ただしこの重さは、「ポータブルでの使用も想定し、頑丈さにも配慮した結果でもある」(ジョーンズ氏)という。

SRH1440の内部構造

さらにSRH1440はポータブルオーディオプレーヤーと直接接続しても使えるよう、感度やインピーダンスを最適化した。感度は101 dB SPL/mWで、SRH1840の96dBに比べ5dBほど高い。インピーダンスも36Ω(1kHz)で、65ΩのSRH1840に比べ低く設定した。再生周波数帯域は15Hz〜27kHz。

SRH1440の概要

SRH1440の周波数特性。全帯域において高感度になっている

■日本市場のために作られた「SE535 Special Edition」

発表会ではまた、すでに発売している「SE535 Special Edition」(関連ニュース)についても、改めて説明が行われた。「SE535 Special Editionも非常に重要な製品だ。日本マーケットのために特別に作った製品で、アジア、日本市場を意識して作ったモデルは今回が初めてだ」とエングストローム氏はその意義を強調。

SE535 Special Editionの分解図

音質については、1年程前に日本に来た際、日本のリスナーには高域の鮮明さがもっと必要だと指摘されたことを受け、改良を行ったことを紹介。SE535との周波数帯域の比較グラフも見せ、「SE535に比べ3〜4kHz付近の特性が持ち上がっている。この帯域周辺が持ち上がったことでボーカルにより明瞭感が加わった」と、具体的な音質向上のポイントについても言及した。

SE535とSE535 Special Editionの周波数特性の比較

また使い勝手に関しては、着脱式ケーブルの長さを116cmにしたことで取り回しをよくしたほか、レッドハウジング+シルバーのロゴ刻印というオリジナルカラーを採用したことを改めて紹介。

さらに内部構造を見せながら各デバイスの役割を紹介し、ノズル部分の周波数フィルターによって高域が飽和しないよう工夫していることなど、Special Editionだけの仕様を解説。日本市場からの要求を受け開発された本機の特徴を強くアピールした。

【問い合わせ】
完実電気
TEL/03-5821-1321
※2012年4月以降は03-3261-2071

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

製品スペックを見る
  • ジャンルヘッドホン(単体)
  • ブランドSHURE
  • 型番SRH1840
  • 発売日2012年
  • 価格¥OPEN(予想実売価格70,000円前後)
【SPEC】●型式:ダイナミック、開放型 ●ドライバー口径:40mm ●感度(1kHz):96dB SPL/mW ●再生周波数帯域:10Hz〜30kHz ●最大許容入力(1kHz):1000mW ●インピーダンス(1kHz):65Ω ●入力コネクター:金メッキ3.5mmステレオ・ミニプラグ 金メッキ6.3mm標準プラグアダプター ●ケーブル:2.1m(着脱式、OFC) ●質量(ケーブル除く):約268g
  • ジャンルヘッドホン(単体)
  • ブランドSHURE
  • 型番SRH1440
  • 発売日2012年
  • 価格¥OPEN(予想実売価格40,000円前後)
【SPEC】●型式:ダイナミック、開放型 ●ドライバー口径:40mm ●感度(1kHz):101dB SPL/mW ●再生周波数帯域:15Hz〜27kHz ●最大許容入力(1kHz):1000mW ●インピーダンス(1kHz):37Ω ●入力コネクター:金メッキ3.5mmステレオ・ミニプラグ 金メッキ6.3mm標準プラグアダプター ●ケーブル:2.1m(着脱式、OFC) ●質量(ケーブル除く):約343g
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX