• ブランド
    特設サイト
公開日 2013/04/19 14:03

【短期集中連載】コレが我が社の4K/8K技術(2)スカパーJSAT「4K映像のライブ伝送」

月刊「AVレビュー」連動企画
インタビュアー / 折原一也
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
スカパーJSATは、昨年10月(関連ニュース)と今年3月(関連ニュース)の2回、自社の衛星を使い、Jリーグを生中継する4K映像伝送実験を行った。映画や編集済みの番組を流すのではなく、録り直しの効かない生中継を2時間近くに渡り、しかも「4K/60p」で伝送した試みは、恐らく世界初だったのではないか。「4K放送のスタートはCSが有力」との噂もある中、彼らは4Kをどう捉えているのか? 実験の詳細と共に、今後の展開を聞いた。

■4K/60p映像には新世界を切り開くパワーはあるか?


スカパーJSAT株式会社 有料多チャンネル事業部門 マーケティング本部 プラットフォームサービス部 サービス開発チーム サービス開発担当主幹 今井 豊氏  大手家電メーカーにてマーケティングと映像分野の技術企画業務を経て、2009年より現職であるスカパーJSAT(株)有料多チャンネル事業部門で新規サービスの企画業務を担当する。3D放送の立ち上げや4K放送の検討などを行う。
折原 昨年10月、そして今年3月と4K映像のライブ伝送実験を行いましたね。この実験にはどのような目的があったのでしょうか?

今井 我々が確認したかったのは、4K/60p(59.94p)という未知のフォーマットが、HDとは異なる、新しい放送の世界を切り開くパワーを持っているのか否か? ということでした。今見ることができる4Kは、映画やゲーム、もしくはアップコンされた映像しかありません。つまり4K/60pの映像をほとんどの方が見たことが無い。加えてフォーマットの議論ばかりが先行して、実際に4Kで何ができるのか、どのような画が撮れるのか、という視点で番組製作に挑戦するところも無い。こうした実情を歯痒く感じていました。普段放送しているサッカーを素材にして、4K/60pで番組を作るとどうなるか? これが我々が行った実験の出発点でした。

折原 4K番組の製作ではどのような点を重視したのでしょう?

今井 伝送実験の公開に参加した方は「4Kの解像度」を期待して足を運んでいるわけです。その期待を裏切らぬよう、解像感を引き出す機材の選定、選手やサポーター、スタジアムの様子を臨場感豊かに表現するための構図など、視聴者に4Kのポテンシャルが体感できるよう画質面を重視しました。

折原 4K/60pの映像を体感した方々の反響はいかがでしたか?

今井 「期待以上だった」と言う声を多く頂きました。4Kであれば、スタジアムの群衆一人一人がクッキリと映りますし、ピッチ上の選手の表情も手に取るように分かります。また60p撮影による奥行き感・空気感も、HDとは全く異なるものだということが伝わったのではないかと思います。

■4K画質を徹底的に追及しカメラ・レンズの選定を行った

折原 先ほど「画質面を重視した」とありましたが、どのような撮影をしたのか具体的に教えて下さい。

今井 昨年10月の伝送実験では、周辺の解像度をキープさせるためにズームレンズのテレ端・ワイド端を使わないようにしました。また絞りも画質と使い勝手のバランスで決めました。カメラのセンサーサイズが大きいこともあり、4Kはピント合わせが非常にシビアです。レンズを絞ればピントも合わせ易くなるのですが、絞り過ぎるとコントラストが低下してしまいます。それから色のキレを考慮して、今回の実験では色深度を4:2:2に設定しています。レンズ・カメラを選定するだけでなく、細かな調整を重ねて4Kの解像感を追及しました。

折原 撮影にはキヤノンのEOS-C500を使っていますね。採用された理由は何ですか?

今井 まずはコンパクトなサイズであるということです。それから今回の中継の場合、4K信号をリアルタイムで出力する必要がありますが、昨年の実験段階では、EOS-C500しか対応していませんでした。またキヤノンレンズの性能も本機を選んだ理由です。

折原 使用したレンズはEFシネマレンズですか?

今井 メインに使ったのはEFシネマレンズです。中継車内部の撮影には一眼用のEFレンズも使いました。今ある4Kカメラ用のレンズは映画撮影を前提に作られています。ボケ味が美しく非常に柔らかい描写なのですが、放送用で求められる特性とは異なります。今後は4K放送用のレンズも登場すると思いますが、現段階ではEFレンズの解像感が優れていました。4Kで撮ると、レンズの性能や特徴が顕著に現れます。


本記事は月刊「AVレビュー」2013年5月号(4月17日発売)の特集「4Kのすべて」からの抄録です。誌面では、この記事の倍のインタビュー全文がお読み頂けます。「続きが読みたい!」「特集をすべて読みたい!」という方、「AVレビュー」のご購入はこちらからどうぞ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「Amazon プライムデー」本セールが7月16日0時からついにスタート!安くなるものを事前チェック!
2 ヨドバシやビック、Amazonプライムデーより安い超特価セール実施中!見比べないと損をする
3 【レビューあり】Amazonプライムセール、JBLの人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!
4 Amazonプライムデー先行セールで「半額」「半額以下」で買えちゃうイヤホン・ヘッドホン
5 Amazonプライムデー、FireTV Stick 4K/4K Maxが過去セール超えの大幅割引中
6 Amazonプライムデー、オーディオテクニカのTWS、ヘッドホン、マイクが多数お買い得に!
7 Amazonプライムデー、読み放題・聴き放題などサブスクも無料に! 登録すべきキャンペーンまとめ
8 Prime Videoの有料チャンネル「アニメタイムズ」が60日間無料。7/17まで
9 ノジマとオーディオスクエアのシナジーで“テレビの音の最適解”を案内。存在感を増すネットワーク&HDMI対応アンプ
10 <ポタフェス>FIIOやiFi audioに「本邦初公開」多数/Noble Audio「FoKus TRIUMPH」は今夏発売
7/16 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.193
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX