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公開日 2016/01/06 18:25
<CES>ソニー、プレスカンファレンスで独自の「4K/HDR」ロゴやハイレゾ対応戦略商品を発表
4K配信サービス「ULTRA」とは?
ソニーは現地時間5日に、ラスベガスで開催される2016 International CESの会場にてプレスカンファレンスを開催。平井一夫社長が2016年の4Kやハイレゾに関連するビジネス戦略を説明した。
カンファレンスの冒頭に登壇した平井社長は、ソニー全体のグローバル戦略についてスピーチした。平井氏は、ソニー製品を選択したユーザーに、クリエーションを軸とした新たな価値を提供できるイノベーティブな製品を、これからも一貫して作り続けることの重要性を繰り返し説いた。平井氏は、今後ソニーは日々の暮らしのスタイルを劇的に変化させるような製品を開発していくことがポリシーとしながら「独創的な体験こそが、人々の“感動”を呼び覚ます。ソニーは世界中の方々が日々味わう感動体験の一部になりたい。感動のシーンをキャプチャーするデジタルイメージング機器や、音楽で感動を呼び覚ますハイレゾリューションオーディオ、映像で感動を伝える窓となるテレビがつながって革新を生み出す」と述べた。
「ソニーはユーザーに感動を軸とした価値体験を提供するという、今後のビジネスを展開していく上での重要な“選択”をした。今後は既成の価値を突き破るような新しいことに対して、リスクを恐れず積極的に“チャレンジ”していくことを宣言したい。ユーザーからいただく厚い信頼を糧に、ユーザーの好奇心やクリエイティビティの華を開かせるようなものづくりがソニーの理想」だと平井氏は語り、今後の展開に向けた意気込みを顕わにした。
続いて壇上に立ったのは、北米の現地法人Sony Electronicsのプレジデント兼COOであるマイケル・ファスーロ氏だ。ソニーが今年のCESのプレスカンファレンスで発表した新製品やサービスは別項でお伝えしている通りだが、ファスーロ氏は4K対応のブラビアやハイレゾ対応のヘッドホン「h.ear」シリーズの新製品など、今年北米市場向けに展開を予定している新製品やサービスの内容を紹介した。本項では、製品以外で紹介されたいくつかの興味深い発表内容について触れておきたい。
まずは「4K/HDR」について、ソニー独自のロゴが壇上で発表された。ソニーは、4K(UHD)テレビの普及拡大を視野に、大手テレビメーカーやコンテンツプロバイダーが昨年1月に設立した「UHD Alliance」(関連ニュース)のメンバーだ。ソニーのプレスカンファレンスの開催前日、現地時間4日にはUHD Allianceによる記者会見が行われ、「ULTRA HDプレミアム」のロゴ規定が発表されたことは既報の通りである。
これに対して、本日のカンファレンスでソニーは自社の4K/HDR対応製品に用いる独自ロゴをつくり、運用していくことを宣言した格好となる。CESのブラビア展示コーナーでも、新たなロゴが目立つかたちで紹介されていた。同社スタッフに独自ロゴの意図について訊ねたところ、「確かにソニーはUHD Allianceに参加しているが、ソニーは4K/HDR対応のテレビだけをつくっているメーカーではない。今後4K/HDRのバリューチェーンを構築していくためにも、独自のブランディングが必要と判断したことから、ソニーオリジナルのロゴを発表した」との回答を得た。本件の戦略的な背景については、CES期間中に追加取材の機会を見つけて報告したいと考えている。
4K関連では、新たな動画ストリーミングサービス「ULTRA」も発表された。概略は既報の通りだが、本日取材してわかったことを補足しておくと、プラットフォームは4K対応のAndroid OSを搭載するブラビアになる模様。Android OS採用テレビはソニー以外のメーカーも商品化しているが、「ULTRA」はソニーのAndroid OS搭載ブラビアだけに、アプリで提供されることになりそうだ。2016年に北米でスタートし、以後グローバル展開も検討されている。サービスの主体はソニー・ピクチャーズホームエンタテインメント(SPE)で、当初提供されるコンテンツの数や作品の内容については明らかにされていないが、SPE以外のパートナーにも拡大する可能性は、ゼロではないという。またHDRコンテンツには「HDR10」方式が採用される見込みだ。
オーディオ関連では、北米でのハイレゾ普及拡大に弾みを付けるため、昨秋投入したスタンダード価格帯のハイレゾ対応ヘッドホン「h.ear」シリーズのラインナップを拡充。LDAC対応のBluetoothスピーカーも発表された。また全米に展開する家電量販店、ベスト・バイのオーディオ・ビジュアル専門店「マグノリア」にて、ソニーミュージックやユニバーサル ミュージック、ワーナーミュージックと共に、配信を含む音楽コンテンツの魅力を積極的にアピールする店頭展示戦略も行っていく。
一方でファスーロ氏は「近年若者を中心に音楽の好みの傾向が変化している」とし、特にEDMやR&B、ヒップホップやロックなどの音楽ジャンルにおいて、ヒットする曲が軒並み「低域の深化」「リズムやグルーブ重視」の傾向にあると指摘。ソニーのオーディオ製品の音づくりについても、このようにシフトしつつある音楽ファンの嗜好に対して柔軟に適応することの重要性を説き、低音再生に個性を持たせた「EXTRA BASS」シリーズのヘッドホン、およびBluetoothワイヤレススピーカーの新ラインナップを壇上で発表した。
日本国内では「ハイレゾ」という言葉やその楽しみ方に関する知識が一般層にも浸透しつつあるが、北米ではまだ広く知れわたるまでに至っていない。
ソニーが今後、北米でも日本と同様、ハイレゾを軸とした付加価値戦略を成功させるためには、まずは音楽のトレンドに合わせた“いい音”のヘッドホンやスピーカーで潜在需要を掘り起こし、続いて北米の消費者に親和性の高い便利な配信プラットフォームを軌道に乗せ、続く道のりとしてハイレゾに目を向けさせるという、大まかなプランが、今回のカンファレンスの発表から垣間見えてきた。
カンファレンスの冒頭に登壇した平井社長は、ソニー全体のグローバル戦略についてスピーチした。平井氏は、ソニー製品を選択したユーザーに、クリエーションを軸とした新たな価値を提供できるイノベーティブな製品を、これからも一貫して作り続けることの重要性を繰り返し説いた。平井氏は、今後ソニーは日々の暮らしのスタイルを劇的に変化させるような製品を開発していくことがポリシーとしながら「独創的な体験こそが、人々の“感動”を呼び覚ます。ソニーは世界中の方々が日々味わう感動体験の一部になりたい。感動のシーンをキャプチャーするデジタルイメージング機器や、音楽で感動を呼び覚ますハイレゾリューションオーディオ、映像で感動を伝える窓となるテレビがつながって革新を生み出す」と述べた。
「ソニーはユーザーに感動を軸とした価値体験を提供するという、今後のビジネスを展開していく上での重要な“選択”をした。今後は既成の価値を突き破るような新しいことに対して、リスクを恐れず積極的に“チャレンジ”していくことを宣言したい。ユーザーからいただく厚い信頼を糧に、ユーザーの好奇心やクリエイティビティの華を開かせるようなものづくりがソニーの理想」だと平井氏は語り、今後の展開に向けた意気込みを顕わにした。
続いて壇上に立ったのは、北米の現地法人Sony Electronicsのプレジデント兼COOであるマイケル・ファスーロ氏だ。ソニーが今年のCESのプレスカンファレンスで発表した新製品やサービスは別項でお伝えしている通りだが、ファスーロ氏は4K対応のブラビアやハイレゾ対応のヘッドホン「h.ear」シリーズの新製品など、今年北米市場向けに展開を予定している新製品やサービスの内容を紹介した。本項では、製品以外で紹介されたいくつかの興味深い発表内容について触れておきたい。
まずは「4K/HDR」について、ソニー独自のロゴが壇上で発表された。ソニーは、4K(UHD)テレビの普及拡大を視野に、大手テレビメーカーやコンテンツプロバイダーが昨年1月に設立した「UHD Alliance」(関連ニュース)のメンバーだ。ソニーのプレスカンファレンスの開催前日、現地時間4日にはUHD Allianceによる記者会見が行われ、「ULTRA HDプレミアム」のロゴ規定が発表されたことは既報の通りである。
これに対して、本日のカンファレンスでソニーは自社の4K/HDR対応製品に用いる独自ロゴをつくり、運用していくことを宣言した格好となる。CESのブラビア展示コーナーでも、新たなロゴが目立つかたちで紹介されていた。同社スタッフに独自ロゴの意図について訊ねたところ、「確かにソニーはUHD Allianceに参加しているが、ソニーは4K/HDR対応のテレビだけをつくっているメーカーではない。今後4K/HDRのバリューチェーンを構築していくためにも、独自のブランディングが必要と判断したことから、ソニーオリジナルのロゴを発表した」との回答を得た。本件の戦略的な背景については、CES期間中に追加取材の機会を見つけて報告したいと考えている。
4K関連では、新たな動画ストリーミングサービス「ULTRA」も発表された。概略は既報の通りだが、本日取材してわかったことを補足しておくと、プラットフォームは4K対応のAndroid OSを搭載するブラビアになる模様。Android OS採用テレビはソニー以外のメーカーも商品化しているが、「ULTRA」はソニーのAndroid OS搭載ブラビアだけに、アプリで提供されることになりそうだ。2016年に北米でスタートし、以後グローバル展開も検討されている。サービスの主体はソニー・ピクチャーズホームエンタテインメント(SPE)で、当初提供されるコンテンツの数や作品の内容については明らかにされていないが、SPE以外のパートナーにも拡大する可能性は、ゼロではないという。またHDRコンテンツには「HDR10」方式が採用される見込みだ。
オーディオ関連では、北米でのハイレゾ普及拡大に弾みを付けるため、昨秋投入したスタンダード価格帯のハイレゾ対応ヘッドホン「h.ear」シリーズのラインナップを拡充。LDAC対応のBluetoothスピーカーも発表された。また全米に展開する家電量販店、ベスト・バイのオーディオ・ビジュアル専門店「マグノリア」にて、ソニーミュージックやユニバーサル ミュージック、ワーナーミュージックと共に、配信を含む音楽コンテンツの魅力を積極的にアピールする店頭展示戦略も行っていく。
一方でファスーロ氏は「近年若者を中心に音楽の好みの傾向が変化している」とし、特にEDMやR&B、ヒップホップやロックなどの音楽ジャンルにおいて、ヒットする曲が軒並み「低域の深化」「リズムやグルーブ重視」の傾向にあると指摘。ソニーのオーディオ製品の音づくりについても、このようにシフトしつつある音楽ファンの嗜好に対して柔軟に適応することの重要性を説き、低音再生に個性を持たせた「EXTRA BASS」シリーズのヘッドホン、およびBluetoothワイヤレススピーカーの新ラインナップを壇上で発表した。
日本国内では「ハイレゾ」という言葉やその楽しみ方に関する知識が一般層にも浸透しつつあるが、北米ではまだ広く知れわたるまでに至っていない。
ソニーが今後、北米でも日本と同様、ハイレゾを軸とした付加価値戦略を成功させるためには、まずは音楽のトレンドに合わせた“いい音”のヘッドホンやスピーカーで潜在需要を掘り起こし、続いて北米の消費者に親和性の高い便利な配信プラットフォームを軌道に乗せ、続く道のりとしてハイレゾに目を向けさせるという、大まかなプランが、今回のカンファレンスの発表から垣間見えてきた。