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公開日 2016/04/13 19:14
「もう有機ELの時代は始まっている」 − LG発表会で有機ELやドルビービジョンの優位性アピール
ドルビー/Netflix/出光の幹部も登壇
別項の通り、LGエレクトロニクス・ジャパンは4K/HDRおよびドルビービジョン対応の有機ELテレビ「OLED E6P」「OLED C6P」「OLED B6P」を発表。発表会では同社代表取締役社長の李仁奎(イ・インギュ)氏が有機ELテレビの先進性をアピールしたほか、ドルビージャパン、出光興産、Netflixからも各社幹部が駆けつけてゲストスピーチを行った。
■「もう有機ELテレビの時代は始まっている」
2013年にグローバル市場で有機ELテレビを展開してからすでに4年の経験を持つLG。「もう有機ELテレビの時代は始まっている」と語る同社の李氏は、今回の新製品で伝えたいメッセージが「有機ELテレビの『進化』と『普及』」だとコメント。
デザイン、機能、映像美という3点の進化が新モデルの特徴だとし、液晶テレビでは難しかった薄型デザインを実現したこと、Web OS 3.0でスマートテレビとしてさらに進化したこと、そして最新のHDR規格であるドルビービジョンに対応したことを紹介した。
ドルビービジョン対応の意図については「有機ELテレビは最先端の技術を搭載するモデル。そのためには全部の規格に対応するべきだという考えだ」と説明。HDR 10などを含めたすべての規格にいち早く対応させたことを改めて説明した。
また、発表会では同社マーケティングチーム部長の首藤晃氏がHDRのメリットを改めて紹介。「SDRは映像情報が画面にうつしだされるまでにかなりの情報が損失しているが、HDRではそれらをきちんと映し出せる」と語った。
加えて、液晶では明暗の幅が14段階であるのに対し、有機ELではそれよりも暗さ方向に6段階多い、20段階の幅を持っていることを説明。自発光でバックライト不要なため黒の表現能力にも優れること、10億色以上の色表現力などで色彩表現に優れることも紹介し、有機ELこそがHDRに最適なディスプレイであるとアピールした。
そして李氏は「有機ELテレビは、これまでのテレビの概念を変える素晴らしい製品」とコメント。「より多くの方に有機ELテレビをご体験いただけるようラインナップを増やす。これからのLGの有機ELテレビにぜひご期待いただきたい」とアピールした。
■ドルビービジョンの優位点は輝度・コントラスト・色合い・画像のディテール
Dolby Japan代表取締役社長の大沢幸弘氏は、「従来、日本のテレビ市場はややもすれば解像度の向上に特化してきた面がある。しかし本当に画像をよくするのであれば解像度だけでなく輝度の幅の広さ、HDRの幅の範囲拡張も必要だった」とコメント。「一般的なHDRに比べて、輝度、コントラスト、色合い、画像のディテールという4点においてより優れている」と、ドルビービジョンの特徴をアピールする。
「今まで表現できなかった太陽の輝きや漆黒の闇を表現できる時代が近づいてきた」とし、「今までにない最高の映像体験を、LGの有機ELテレビとNetflixのドルビービジョンコンテンツで体験して欲しい」と述べた。
そしてNetflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズ氏は、「世界最高峰のコンテンツライブラリーをお届けするため、今年は60億ドル以上の投資を行う」と宣言。「4K同様に世界最高峰のHDRライブラリー構築を目指す」とし、Netflixにおけるアニメ初のHDR対応作品として「シドニアの騎士」を提供すると明かした。
発表会場ではドルビービジョン対応で配信する第一弾作品「マルコ・ポーロ」のデモ上映も展開。なお、同社スタッフによればNetflixのHDRコンテンツは基本的にすべてドルビービジョンとHDR10の両方に対応する予定だという。「今後について具体的なことは明かせないが、社内的には『この時期までにどれくらいの作品を揃える』という目標数値は通達されている」とのことで、グレッグ・ピーターズ氏の言葉通り、今後の作品拡充にも期待できそうだ。
今回の新モデルに使われている有機EL材料は、出光興産によるもの。出光興産は1980年代から有機EL材料の研究開発を手がけ、多数の関連特許も取得。日本・韓国に製造拠点を置いて有機EL材料を様々なメーカーに供給している。
出光とLGは2009年に有機EL事業における戦略提携に合意し、2014年12月には有機EL技術の相互協力およびデバイス関連特許のライセンス契約も締結。製品開発に協力関係を築いていた。
出光興産 代表取締役副社長の松本佳久氏は、「LGは韓国のブランドだが、この有機ELテレビには日本の最先端技術が投入されている」と、両者の協業によって誕生した製品だとコメント。「有機ELの特長のなかでも私は特に、応答速度がよいため、速い動きでも目が疲れない点が気に入っている。来る東京オリンピックに有機ELテレビはうってつけだ」とアピールした。
■目標は100万台販売 − ハイエンドテレビ市場の4分の1を有機ELテレビに
質疑応答で有機ELテレビの戦略を問われたLGの李氏は、「今年で100万台の販売を目指す」とコメント。「現在、全世界での2,500ドル以上のハイエンドモデルのテレビ市場は400万台程度。その4分の1くらいの規模だ」と目標を語る。
また、鴻海の出資を受けたシャープが2,000億円を有機EL事業へ投入することに関しては、有機ELディスプレイ搭載製品が様々な企業から市場投入されるだろうことを歓迎する意向を表明。LG一社だけではなく複数のメーカーが参入することで市場が盛り上がることを期待していると述べた。
加えて、LGが生産した有機ELパネルを他社に供給する用意もあると発言。「他のメーカーにパネルを供給してインダストリーを作り、そのなかで競争しながら市場を作っていきたい」とした。
また、シャープの有機ELは「主に中小型パネルになると聞いている」とし、それらによって「これからは携帯電話も有機ELに転換していくだろうし、テレビもそうなっていくだろう」とコメント。ブラウン管から液晶へとディスプレイのトレンドが移ってきたように、今後は有機ELが次のトレンドになるとした。
■「もう有機ELテレビの時代は始まっている」
2013年にグローバル市場で有機ELテレビを展開してからすでに4年の経験を持つLG。「もう有機ELテレビの時代は始まっている」と語る同社の李氏は、今回の新製品で伝えたいメッセージが「有機ELテレビの『進化』と『普及』」だとコメント。
デザイン、機能、映像美という3点の進化が新モデルの特徴だとし、液晶テレビでは難しかった薄型デザインを実現したこと、Web OS 3.0でスマートテレビとしてさらに進化したこと、そして最新のHDR規格であるドルビービジョンに対応したことを紹介した。
ドルビービジョン対応の意図については「有機ELテレビは最先端の技術を搭載するモデル。そのためには全部の規格に対応するべきだという考えだ」と説明。HDR 10などを含めたすべての規格にいち早く対応させたことを改めて説明した。
また、発表会では同社マーケティングチーム部長の首藤晃氏がHDRのメリットを改めて紹介。「SDRは映像情報が画面にうつしだされるまでにかなりの情報が損失しているが、HDRではそれらをきちんと映し出せる」と語った。
加えて、液晶では明暗の幅が14段階であるのに対し、有機ELではそれよりも暗さ方向に6段階多い、20段階の幅を持っていることを説明。自発光でバックライト不要なため黒の表現能力にも優れること、10億色以上の色表現力などで色彩表現に優れることも紹介し、有機ELこそがHDRに最適なディスプレイであるとアピールした。
そして李氏は「有機ELテレビは、これまでのテレビの概念を変える素晴らしい製品」とコメント。「より多くの方に有機ELテレビをご体験いただけるようラインナップを増やす。これからのLGの有機ELテレビにぜひご期待いただきたい」とアピールした。
■ドルビービジョンの優位点は輝度・コントラスト・色合い・画像のディテール
Dolby Japan代表取締役社長の大沢幸弘氏は、「従来、日本のテレビ市場はややもすれば解像度の向上に特化してきた面がある。しかし本当に画像をよくするのであれば解像度だけでなく輝度の幅の広さ、HDRの幅の範囲拡張も必要だった」とコメント。「一般的なHDRに比べて、輝度、コントラスト、色合い、画像のディテールという4点においてより優れている」と、ドルビービジョンの特徴をアピールする。
「今まで表現できなかった太陽の輝きや漆黒の闇を表現できる時代が近づいてきた」とし、「今までにない最高の映像体験を、LGの有機ELテレビとNetflixのドルビービジョンコンテンツで体験して欲しい」と述べた。
そしてNetflix代表取締役社長のグレッグ・ピーターズ氏は、「世界最高峰のコンテンツライブラリーをお届けするため、今年は60億ドル以上の投資を行う」と宣言。「4K同様に世界最高峰のHDRライブラリー構築を目指す」とし、Netflixにおけるアニメ初のHDR対応作品として「シドニアの騎士」を提供すると明かした。
発表会場ではドルビービジョン対応で配信する第一弾作品「マルコ・ポーロ」のデモ上映も展開。なお、同社スタッフによればNetflixのHDRコンテンツは基本的にすべてドルビービジョンとHDR10の両方に対応する予定だという。「今後について具体的なことは明かせないが、社内的には『この時期までにどれくらいの作品を揃える』という目標数値は通達されている」とのことで、グレッグ・ピーターズ氏の言葉通り、今後の作品拡充にも期待できそうだ。
今回の新モデルに使われている有機EL材料は、出光興産によるもの。出光興産は1980年代から有機EL材料の研究開発を手がけ、多数の関連特許も取得。日本・韓国に製造拠点を置いて有機EL材料を様々なメーカーに供給している。
出光とLGは2009年に有機EL事業における戦略提携に合意し、2014年12月には有機EL技術の相互協力およびデバイス関連特許のライセンス契約も締結。製品開発に協力関係を築いていた。
出光興産 代表取締役副社長の松本佳久氏は、「LGは韓国のブランドだが、この有機ELテレビには日本の最先端技術が投入されている」と、両者の協業によって誕生した製品だとコメント。「有機ELの特長のなかでも私は特に、応答速度がよいため、速い動きでも目が疲れない点が気に入っている。来る東京オリンピックに有機ELテレビはうってつけだ」とアピールした。
■目標は100万台販売 − ハイエンドテレビ市場の4分の1を有機ELテレビに
質疑応答で有機ELテレビの戦略を問われたLGの李氏は、「今年で100万台の販売を目指す」とコメント。「現在、全世界での2,500ドル以上のハイエンドモデルのテレビ市場は400万台程度。その4分の1くらいの規模だ」と目標を語る。
また、鴻海の出資を受けたシャープが2,000億円を有機EL事業へ投入することに関しては、有機ELディスプレイ搭載製品が様々な企業から市場投入されるだろうことを歓迎する意向を表明。LG一社だけではなく複数のメーカーが参入することで市場が盛り上がることを期待していると述べた。
加えて、LGが生産した有機ELパネルを他社に供給する用意もあると発言。「他のメーカーにパネルを供給してインダストリーを作り、そのなかで競争しながら市場を作っていきたい」とした。
また、シャープの有機ELは「主に中小型パネルになると聞いている」とし、それらによって「これからは携帯電話も有機ELに転換していくだろうし、テレビもそうなっていくだろう」とコメント。ブラウン管から液晶へとディスプレイのトレンドが移ってきたように、今後は有機ELが次のトレンドになるとした。