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公開日 2017/09/22 16:22
【レポート】キュー・テック、完全オリジナルの8K/60Pコンテンツ3作品の視聴会を開催
8K/120P作品も制作中
(株)キュー・テックは、同社完全オリジナルの8Kコンテンツ3作品を発表。業界関係者に向けた上映会を開催した。
紹介されたのは、すでに8K主観評価動画として使われている「8K 京都ダイジェスト」(QT-8210D)、8Kカメラを電車内に持ち込み撮影された「ぶらっと江ノ電の旅」(参考出品)、業界初のフル8K/60PのCG作品「ころころ」(QT-8101)。
各作品の標準仕様は、解像度が7,680×4,320/60Pの8K UHDTV 、輝度再現および色再現はSDR/BT.709、HDR(PQ・HLG)/BT.2100。音声記録は48kHz/24bit WAVの2chステレオとなる。
再生にはシャープ製の8Kディスプレイを使用。先日発表された“AQUOS 8K”「LC-70X500」(関連ニュース)ではなく、業務用モニター「LV-70002」(関連ニュース)2台が用意された。
ほか、計測技術研究所製の4K/60P非圧縮レコーダー「UDR-N50A」を4台使用し、接続にはエイム電子のHDMI分配器およびHDMIケーブルを採用。Spin Digital製メディアプレーヤーを用いて、すべて非圧縮HDR/BT.2100/60pでの再生が行われた。
「京都ダイジェスト」は、QT-4000シリーズの茶屋やトロッコ列車、渓流、紅葉といった京都編の映像を8K高精細版でまとめたコンテンツとなる。4K主観評価ソフト制作プロジェクトとして、スーパー35mmサイズの8K単板CMOSイメージセンサーを搭載したソニー「F65」で撮影されている。
撮影時にはフィールド用の7インチ有機ELモニターを使用し、RAWで収録。SDR/BT.709色域で出力確認が行われた。8K「京都ダイジェスト」の編集、グレーディング作業では、RAWから8Kを生成。slogにディベイヤー、SDR/PQ/HLG/BT.709/BT.2020といった各フォーマットに作成したという。
「ぶらっと江ノ電の旅」は最新8Kカメラを電車内に持ち込み、リアルタイムHDR/WCG撮影を非圧縮収録で行ったという作品。江ノ島電鉄が藤沢から鎌倉までの10km間を結ぶローカル電車「江ノ電」をテーマに、車内から見た車窓風景、外から撮影した江ノ電、沿線の名勝や風物など、江ノ電のさまざまな魅力を8Kの高品位・高画質・超高精細映像で紹介するミニ紀行となっている。
使用されたカメラはIkegamiの8Kハンディカメラ「SHK-810」、レンズはFUJINON「SL3×12」。車内に持ち込むことも考えて機材が選定されたという。撮影は60Pで行われている。カメラはHLG/BT.2020設定で出力。撮影電場ではソニーの30インチ4K有機ELもニアー「BVM-X300」とHDR対応波形モニターを用意し、カラーグレーディングを想定したHLG方式の輝度管理が行われたとのこと。
映像仕様は広色域WCG(ITU-R BT.2020)/HDR収録によるHLG方式。音声仕様は48kHz/24bitで、5.1chおよび2chを収録。
「ころころ」は業界で初めて8K/60pでレンダリングしたCG作品。フル4K/60Pで人気だったコンテンツが、8Kバージョンとして制作されたかたち。日本伝統の京手毬が、江戸千代紙と漆のきざはしを転がり降りる様子を描いた内容で、背景が8Kベースで作り直されている。
8Kの解像度、良さを実感できるよう、すべてにフォーカスがあっているパンフォーカス映像となっている。1分間の映像ながら、8K画像1枚あたりのレンダリング時間は約20分で、レンダリングに要したのは1200時間。複数台のPCを使用して、2週間掛かったという。
映像・通信関連研究所の研究開発用途や、ディスプレイ開発・生産メーカーの開発・生産調整・品質評価用と、画像処理IC開発・生産メーカーや通信機器メーカーの各種コーデック開発・評価用途などに耐えられるように制作。
この「ころころ」については、8K/120Pスペックでの制作も進めており、現時点で一部はでき上がってきているとのこと。
上映会においては、キュー・テック代表取締役社長の古迫智典氏が「ご要望の多かった作品の8Kコンテンツを作成した。4Kはもとより、8Kについても積極的に取り組んでいきたい」と挨拶。
また、麻倉怜士氏が8K作品の特徴について「いままでの4Kとは質がまったく違う。8Kは圧倒的な画素数で、ディスプレイの奥にある風景をそのまま見ているようにナチュラル。解像感があるので、なかに入り込んでいけるようなリアリティがある劇的な画。食べ物であれば、生々しさ以上に、食べてみたいなと思わせるような誘引力がある」と解説を行った。
そして、カラーリストの今塚 誠氏も、キュー・テックの8Kコンテンツについて解説。8Kの主観評価動画においては、「撮影時にも同行し、実際に目にした風景をもとに制作した。HDRは、1000nitsのモニターに対して1000nitsを出せば良いというものではなく、光る部分と光らない部分の差を出すことが大事。眩しさを感じない、キレイな光になるようなHDRを目指してグレーディングしている」とコメント。
また8Kの利点として、「8Kは高精細なのでドットが小さく、近くで見ることができるため、最適視聴距離では100度の視野角が確保できる。解像度により実物感、奥行き感、立体感が得られ、観視画角からは臨場感、力量感、没入感が得られる」と解説するとともに、「ハイライトやシャドーは、白つぶれや黒つぶれがなくなることでディテールの再現性や良くなったようにみえるが、一方でメリハリ感が失われて被写体が目立たなくなることがある。輝度が高いことで色の再現が豊かになるが、過剰な彩度再現が目を疲れさせてしまう」と制作におけるバランス調整について説いた。
さらに、QT-4000シリーズのデファクトスタンダートとなっている代表的なコンテンツについても、カメラRAWデータから新たに8Kディベイヤーを行い「8Kダイジェスト」を制作予定という。
紹介されたのは、すでに8K主観評価動画として使われている「8K 京都ダイジェスト」(QT-8210D)、8Kカメラを電車内に持ち込み撮影された「ぶらっと江ノ電の旅」(参考出品)、業界初のフル8K/60PのCG作品「ころころ」(QT-8101)。
各作品の標準仕様は、解像度が7,680×4,320/60Pの8K UHDTV 、輝度再現および色再現はSDR/BT.709、HDR(PQ・HLG)/BT.2100。音声記録は48kHz/24bit WAVの2chステレオとなる。
再生にはシャープ製の8Kディスプレイを使用。先日発表された“AQUOS 8K”「LC-70X500」(関連ニュース)ではなく、業務用モニター「LV-70002」(関連ニュース)2台が用意された。
ほか、計測技術研究所製の4K/60P非圧縮レコーダー「UDR-N50A」を4台使用し、接続にはエイム電子のHDMI分配器およびHDMIケーブルを採用。Spin Digital製メディアプレーヤーを用いて、すべて非圧縮HDR/BT.2100/60pでの再生が行われた。
「京都ダイジェスト」は、QT-4000シリーズの茶屋やトロッコ列車、渓流、紅葉といった京都編の映像を8K高精細版でまとめたコンテンツとなる。4K主観評価ソフト制作プロジェクトとして、スーパー35mmサイズの8K単板CMOSイメージセンサーを搭載したソニー「F65」で撮影されている。
撮影時にはフィールド用の7インチ有機ELモニターを使用し、RAWで収録。SDR/BT.709色域で出力確認が行われた。8K「京都ダイジェスト」の編集、グレーディング作業では、RAWから8Kを生成。slogにディベイヤー、SDR/PQ/HLG/BT.709/BT.2020といった各フォーマットに作成したという。
「ぶらっと江ノ電の旅」は最新8Kカメラを電車内に持ち込み、リアルタイムHDR/WCG撮影を非圧縮収録で行ったという作品。江ノ島電鉄が藤沢から鎌倉までの10km間を結ぶローカル電車「江ノ電」をテーマに、車内から見た車窓風景、外から撮影した江ノ電、沿線の名勝や風物など、江ノ電のさまざまな魅力を8Kの高品位・高画質・超高精細映像で紹介するミニ紀行となっている。
使用されたカメラはIkegamiの8Kハンディカメラ「SHK-810」、レンズはFUJINON「SL3×12」。車内に持ち込むことも考えて機材が選定されたという。撮影は60Pで行われている。カメラはHLG/BT.2020設定で出力。撮影電場ではソニーの30インチ4K有機ELもニアー「BVM-X300」とHDR対応波形モニターを用意し、カラーグレーディングを想定したHLG方式の輝度管理が行われたとのこと。
映像仕様は広色域WCG(ITU-R BT.2020)/HDR収録によるHLG方式。音声仕様は48kHz/24bitで、5.1chおよび2chを収録。
「ころころ」は業界で初めて8K/60pでレンダリングしたCG作品。フル4K/60Pで人気だったコンテンツが、8Kバージョンとして制作されたかたち。日本伝統の京手毬が、江戸千代紙と漆のきざはしを転がり降りる様子を描いた内容で、背景が8Kベースで作り直されている。
8Kの解像度、良さを実感できるよう、すべてにフォーカスがあっているパンフォーカス映像となっている。1分間の映像ながら、8K画像1枚あたりのレンダリング時間は約20分で、レンダリングに要したのは1200時間。複数台のPCを使用して、2週間掛かったという。
映像・通信関連研究所の研究開発用途や、ディスプレイ開発・生産メーカーの開発・生産調整・品質評価用と、画像処理IC開発・生産メーカーや通信機器メーカーの各種コーデック開発・評価用途などに耐えられるように制作。
この「ころころ」については、8K/120Pスペックでの制作も進めており、現時点で一部はでき上がってきているとのこと。
上映会においては、キュー・テック代表取締役社長の古迫智典氏が「ご要望の多かった作品の8Kコンテンツを作成した。4Kはもとより、8Kについても積極的に取り組んでいきたい」と挨拶。
また、麻倉怜士氏が8K作品の特徴について「いままでの4Kとは質がまったく違う。8Kは圧倒的な画素数で、ディスプレイの奥にある風景をそのまま見ているようにナチュラル。解像感があるので、なかに入り込んでいけるようなリアリティがある劇的な画。食べ物であれば、生々しさ以上に、食べてみたいなと思わせるような誘引力がある」と解説を行った。
そして、カラーリストの今塚 誠氏も、キュー・テックの8Kコンテンツについて解説。8Kの主観評価動画においては、「撮影時にも同行し、実際に目にした風景をもとに制作した。HDRは、1000nitsのモニターに対して1000nitsを出せば良いというものではなく、光る部分と光らない部分の差を出すことが大事。眩しさを感じない、キレイな光になるようなHDRを目指してグレーディングしている」とコメント。
また8Kの利点として、「8Kは高精細なのでドットが小さく、近くで見ることができるため、最適視聴距離では100度の視野角が確保できる。解像度により実物感、奥行き感、立体感が得られ、観視画角からは臨場感、力量感、没入感が得られる」と解説するとともに、「ハイライトやシャドーは、白つぶれや黒つぶれがなくなることでディテールの再現性や良くなったようにみえるが、一方でメリハリ感が失われて被写体が目立たなくなることがある。輝度が高いことで色の再現が豊かになるが、過剰な彩度再現が目を疲れさせてしまう」と制作におけるバランス調整について説いた。
さらに、QT-4000シリーズのデファクトスタンダートとなっている代表的なコンテンツについても、カメラRAWデータから新たに8Kディベイヤーを行い「8Kダイジェスト」を制作予定という。