HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2018/04/16 15:05
ドワンゴ、VTuberとして公開生放送できる「バーチャル機能」。3D CGキャラ共通フォーマット「VRM」も
ニコニコ本社で生放送可能に
ドワンゴは、ニコニコ本社のスタジオでVTuberとして番組を公開生放送できる「バーチャル機能」、およびキャラクターの3D CGデータを様々なプラットフォームで共通して使えるようにする新たなフォーマット「VRM」を公開した。バーチャル機能の利用料は15万円だが初回特別価格として5万円で提供。なおこれとは別に本社スタジオの利用料などが必要。VRMはオープンソースとして無償公開する。
■VTuberとしてスタジオで公開生放送可能に
バーチャル機能は、ラジオの公開収録のような番組づくりを、VTuberとして行うことができるシステム。ゲストや観覧者が見られるスペースにはモニター上でキャラクターが出演し、バックヤードにVTuber本人が各種操作を行うスペースを用意している。モデルデータを事前に送付しておくことで、演者側は当日身一つでラジオの公開収録スタイルのリアルゲスト/観客とのコミュニケーション放送が可能。
同システムでは、スタジオに設置された透過型有機ELモニターにキャラクターを表示。VTuber本人はバックヤードで両手と頭(ヘルメット)にモーションキャプチャーをつけ、その動きがモニターのキャラクターに反映される。言葉を発したのを感知して、キャラクターもリップシンクして口を開閉する。
キャラクターの表情を何パターンか用意しておけば、表情を適宜切り替えて放送を進行することが可能。また、モニターの裏側、ちょうどキャラクターの顔の位置にはスタジオ内部の様子を撮影する小型カメラが設置され、VTuberがその映像を確認しながら放送を行うため、モニター前や観覧スペースにいる人物と“目線を合わせて”会話をすることができる。
上記の利用料金には有機ELモニターやキャラクター操作機材一式、セッティング、オペレーションスタッフの費用が含まれており、ドワンゴが用意する3D CGキャラクター「ニコニ立体ちゃん」も利用可能。このシステム利用料のほか、スタジオ利用料(11時〜22時)として平日は12万円、土日祝日17万円、そのほかニコニコ生放送利用料(ディレクターやスイッチャーなどスタッフ費用等)が必要となる。
■3D CGキャラクターを利用しやすくする新ファイル形式「VRM」
「VRM」は、各種3D CGソフトで作成したキャラクターデータを様々なプラットフォームで使えるようにするというもの。「Mayaを始めとする様々なソフトで作られたデータにはそれぞれ微妙にクセがあり、現状では各アプリ(サービス)側でそれぞれに対応する必要があるが、VRMにコンバートすることで、サービス側はVRMへの対応だけを考えればよくなるのが大きなポイント」だという。
先日発表したVRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」(関連ニュース)利用時のアバターが本ファイル形式を採用。立体投稿共有サービス「ニコニ立体」でも同形式での投稿受付を開始した。
前述のようにVRM形式とその標準実装(Unity対応)はすべて無料かつ自由に仕様できるオープンソースとして公開。https://dwango.github.io/vrmにてMITライセンスで提供開始している。
同社では、人形のキャラクター・アバターを取り扱いやすいことがVRMフォーマットの大きな特徴だと説明。UnityでVRMファイルを読み書きする標準実装が提供されるが、フォーマット自体はプラットフォーム非依存であるため、他エンジンや環境でも取り扱うことができる。
また、「ネットワークに相互接続されたアバターによるVRコミュニケーション」を考えた場合、自分のアバターデータを他の人から自分の姿が見えるように他のユーザーへ送信するということも行われることになる。この場合、従来の考え方に基づく再配布規定だけでは対応できない場面が考えられるため、VRMでは「モデルデータ自体に対しての改変・再配布規定(Creative Commonsなどから設定可能)」や「モデルデータを使用して“人格を演じる”ことについての許諾規定」をファイルに設定できるよう設計されている。
■「ニコニコはVTuberに向いているメディア」
ドワンゴ マルチメディア企画開発部 先端演出技術開発セクションの岩城進之介氏は、「超会議を始め、ドワンゴはネットとリアルの境界線を崩そうと長年取り組んでいる会社だ」とコメント。2011年にVRライブハウス「ニコファーレ」をオープンさせたこと、2014年に小林幸子 武道館コンサートをVR中継したこと、「N高等学校」の入学式をVRやMRで行ったことなどを紹介。
また、ボーカロイドを始めとする3D CGキャラクターが実際のミュージシャンをバックバンドに従えてステージ上でコンサートを行える「ARキャラクターライブ」システムを2011年から提供していることや、近年では初音ミクと歌舞伎役者が共演する「超歌舞伎」を行っていることなどにも言及。今回の取り組みが過去の流れを受けたものであると説明する。
そして、「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」や「月ノ美兎」といった人気VTuberがニコニコで番組を持ち、「あまり知られていないが、我々はVTuberのための最新の設備や技術を持っている」とコメント。リアルタイム配信も可能なモーションキャプチャースタジオを港区に有していることに加え、新たに最大10名規模での収録も可能なスタジオも品川区にオープンさせたという。
同社VR文化振興室 副室長の助田徹臣氏は、「実はニコニコはVTuberに向いているメディアだ」とアピール。先日放送された「月ノ美兎の放課後ニコ生放送局」では国内のTwitterトレンドが2位になっただけでなく、そこから海外にも情報が拡散され、グローバルでのトレンドも6位になるなど大きな反響を集めたことを紹介する。
そしてVTuberの番組配信などについても豊富なノウハウを持っていると改めてコメント。「バーチャルキャスト」機能についても、キャラクターや背景、演出を独自にカスタムできる企業向けメニューを提供するなど、様々な事業化のアイディアがあると説明した。
■VTuberとしてスタジオで公開生放送可能に
バーチャル機能は、ラジオの公開収録のような番組づくりを、VTuberとして行うことができるシステム。ゲストや観覧者が見られるスペースにはモニター上でキャラクターが出演し、バックヤードにVTuber本人が各種操作を行うスペースを用意している。モデルデータを事前に送付しておくことで、演者側は当日身一つでラジオの公開収録スタイルのリアルゲスト/観客とのコミュニケーション放送が可能。
同システムでは、スタジオに設置された透過型有機ELモニターにキャラクターを表示。VTuber本人はバックヤードで両手と頭(ヘルメット)にモーションキャプチャーをつけ、その動きがモニターのキャラクターに反映される。言葉を発したのを感知して、キャラクターもリップシンクして口を開閉する。
キャラクターの表情を何パターンか用意しておけば、表情を適宜切り替えて放送を進行することが可能。また、モニターの裏側、ちょうどキャラクターの顔の位置にはスタジオ内部の様子を撮影する小型カメラが設置され、VTuberがその映像を確認しながら放送を行うため、モニター前や観覧スペースにいる人物と“目線を合わせて”会話をすることができる。
上記の利用料金には有機ELモニターやキャラクター操作機材一式、セッティング、オペレーションスタッフの費用が含まれており、ドワンゴが用意する3D CGキャラクター「ニコニ立体ちゃん」も利用可能。このシステム利用料のほか、スタジオ利用料(11時〜22時)として平日は12万円、土日祝日17万円、そのほかニコニコ生放送利用料(ディレクターやスイッチャーなどスタッフ費用等)が必要となる。
■3D CGキャラクターを利用しやすくする新ファイル形式「VRM」
「VRM」は、各種3D CGソフトで作成したキャラクターデータを様々なプラットフォームで使えるようにするというもの。「Mayaを始めとする様々なソフトで作られたデータにはそれぞれ微妙にクセがあり、現状では各アプリ(サービス)側でそれぞれに対応する必要があるが、VRMにコンバートすることで、サービス側はVRMへの対応だけを考えればよくなるのが大きなポイント」だという。
先日発表したVRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」(関連ニュース)利用時のアバターが本ファイル形式を採用。立体投稿共有サービス「ニコニ立体」でも同形式での投稿受付を開始した。
前述のようにVRM形式とその標準実装(Unity対応)はすべて無料かつ自由に仕様できるオープンソースとして公開。https://dwango.github.io/vrmにてMITライセンスで提供開始している。
同社では、人形のキャラクター・アバターを取り扱いやすいことがVRMフォーマットの大きな特徴だと説明。UnityでVRMファイルを読み書きする標準実装が提供されるが、フォーマット自体はプラットフォーム非依存であるため、他エンジンや環境でも取り扱うことができる。
また、「ネットワークに相互接続されたアバターによるVRコミュニケーション」を考えた場合、自分のアバターデータを他の人から自分の姿が見えるように他のユーザーへ送信するということも行われることになる。この場合、従来の考え方に基づく再配布規定だけでは対応できない場面が考えられるため、VRMでは「モデルデータ自体に対しての改変・再配布規定(Creative Commonsなどから設定可能)」や「モデルデータを使用して“人格を演じる”ことについての許諾規定」をファイルに設定できるよう設計されている。
■「ニコニコはVTuberに向いているメディア」
ドワンゴ マルチメディア企画開発部 先端演出技術開発セクションの岩城進之介氏は、「超会議を始め、ドワンゴはネットとリアルの境界線を崩そうと長年取り組んでいる会社だ」とコメント。2011年にVRライブハウス「ニコファーレ」をオープンさせたこと、2014年に小林幸子 武道館コンサートをVR中継したこと、「N高等学校」の入学式をVRやMRで行ったことなどを紹介。
また、ボーカロイドを始めとする3D CGキャラクターが実際のミュージシャンをバックバンドに従えてステージ上でコンサートを行える「ARキャラクターライブ」システムを2011年から提供していることや、近年では初音ミクと歌舞伎役者が共演する「超歌舞伎」を行っていることなどにも言及。今回の取り組みが過去の流れを受けたものであると説明する。
そして、「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」や「月ノ美兎」といった人気VTuberがニコニコで番組を持ち、「あまり知られていないが、我々はVTuberのための最新の設備や技術を持っている」とコメント。リアルタイム配信も可能なモーションキャプチャースタジオを港区に有していることに加え、新たに最大10名規模での収録も可能なスタジオも品川区にオープンさせたという。
同社VR文化振興室 副室長の助田徹臣氏は、「実はニコニコはVTuberに向いているメディアだ」とアピール。先日放送された「月ノ美兎の放課後ニコ生放送局」では国内のTwitterトレンドが2位になっただけでなく、そこから海外にも情報が拡散され、グローバルでのトレンドも6位になるなど大きな反響を集めたことを紹介する。
そしてVTuberの番組配信などについても豊富なノウハウを持っていると改めてコメント。「バーチャルキャスト」機能についても、キャラクターや背景、演出を独自にカスタムできる企業向けメニューを提供するなど、様々な事業化のアイディアがあると説明した。