• ブランド
    特設サイト
公開日 2018/09/07 11:00

デノン、“竹” 採用の新フラグシップヘッドホン「AH-D9200」。“蛇口全開のオープンな音”

高知県産・孟宗竹を使用
編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
デノンは、ハウジング素材に高知県産・孟宗竹を用いたフラグシップ密閉型ヘッドホン「AH-D9200」を9月下旬に発売する。価格は195,000円(税抜)。

「AH-D9200」

2017年1月に当時のフラグシップとして発売された「AH-D7200」(実売10万円前後)のさらに上位に、新しいフラグシップモデルとして登場するのがこのAH-D9200となる。よってAH-D7200も引き続きラインナップされる。

ハウジングの素材に高知県産の「孟宗竹」という竹素材を使用したことが最大の特徴。様々な素材を検討する中で、竹が備える軽量性、適度な剛性、優れた振動吸収性に着目。ヘッドホンのハウジングの素材として最適であることを発見したという。このハウジングは、優れた木材加工技術を有する職人によって仕上げられる。

「AH-D9200」


竹ハウジングの製造工程も展示された

ドライバーはAH-D7200と同じく50mm径ナノファイバー・フリーエッジドライバーを搭載するが、孟宗竹ハウジングの採用に合わせて、振動板形状やナノファイバーの配合率を変更してブラッシュアップされた。駆動系には、軽量化によって振動系の反応を高めるというCCAWボイスコイルが用いられている。

AH-D9200のためにブラッシュアップされたナノファイバー・フリーエッジ・ドライバー

AH-D9200の分解モデルも展示

そのほか、アルミダイキャスト製ハンガー、国内メーカーと共同開発した人工皮革を用いた立体縫製イヤーパッドなどを採用する。ケーブルは着脱式で、AH-D7200同梱品よりグレードの高い6.3mmステレオミニ端子を備えたシルバーコートOFCケーブル(長さ3m)と、3.5mmステレオミニ端子のOFCケーブル(長さ1.3m)の2種類が同梱される。

国内メーカーと共同開発した人工皮革を用いて立体縫製されたイヤーパッド

ケーブルは2種類を同梱。利用シーンに合わせて使い分けができる

インピーダンスは24Ω、感度は105dB/mW、再生周波数帯域は5Hz〜56kHz、質量は375g(ケーブル除く)。

デノンはAH-D9200の製造を行うために、プレミアムクラスのHi-FiコンポーネントやAVアンプの製造を行う新白河の製造拠点「白河オーディオワークス」に、ヘッドホン生産設備を新設。選び抜かれた1人の担当者の手により、AH-D9200の組み立てから検査、梱包まで一貫して製造。メイド・イン・ジャパンの品質もアピールされた。

9月5日にデノンは発表会を開催した。発表会では本製品の開発を手がけたディーアンドエムの竹野勝義氏、孟宗竹ハウジングの製造を手がけたミロクの山本敦氏が登場。ヘッドホンの詳細について説明を行った。

竹野勝義氏

山本敦氏


竹ハウジングヘッドホンへの流れ − 上位機で一貫して木製ハウジングを採用

デノンが現在ラインナップする上位ヘッドホンはいずれも木製ハウジングを採用。これらの製品を“リアルウッドシリーズ”と呼称している。本シリーズは今回登場する「AH-D9200」(19.5万円)を頂点に、「AH-D7200」(’17年発売、10万円前後)、「AH-D5200」(’18年発売、6.5万円前後)、「AH-MM400」(’14年登場、4万円前後)というラインナップで展開する。

「AH-D9200」

いずれのモデルも木製ハウジングと、Hi-Fiスピーカーと同様の構造を備えるフリーエッジ・ドライバーを採用しており、この組み合わせがデノンの高級ヘッドホンの特徴となっている。

「AH-D7200」

「AH-D5200」

デノンにとって「AH-D7200」は、同社ヘッドホンの新世代を告げるモデルとなった(この点については開発者インタビューで詳しく話を聞いている)。ひとつ前の旗艦モデル「AH-D7100」(’12年発売、12万円前後)は従来路線からデザインや音質傾向を変更した意欲的モデルだったが、AH-D7200においては、ファンの間で非常に評価が高かった2つ前の旗艦モデル「AH-D7000」(2008年発売、12万円前後)の方向性へ回帰。こちらをベースに発展させたヘッドホンとして登場し、以降登場する同社高級ヘッドホンの礎となった。今年4月には、AH-D7200の技術を継承しつつハウジングの材質を変更した「AH-D5200」が登場していた。

また、2007年に発売した天然ウッド製ハウジング採用の「AH-D5000」を端緒として、近年は高級クラスのヘッドホンでは木製ハウジングを採用。天然素材である木材の響きや音響特性を活かした音作りを進めてきた。

AH-D7000とAH-D7100においてマホガニー材、AH-D7200ではウォールナット材を採用。今年登場したAH-D5200では、ナチュラル・ゼブラウッドが採用された。そして今回、新しいフラグシップとして登場したAH-D9200は、同社モデルとして初となる竹素材ハウジングが採用された。

サウンドマネージャーが語る、竹ハウジングが可能にしたサウンド

発表会ではデノンの全製品の音質チューニングを担当するサウンドマネージャー、山内慎一氏が登壇。AH-D9200で目指した音質について説明を行った。

山内慎一氏

AH-D9200では、同氏がこれまでデノンのHi-Fiコンポーネントで一貫して掲げてきた“ビビッド”かつ“スペーシャス”なサウンドをヘッドホンにおいても実現させるという目標があったという。「数年前まではスピーカーの音とヘッドホンの音は、ある程度分けて考えていた」と同氏。しかし、様々なヘッドホンを手がけるなかで手応えを得て、Hi-Fiの世界の音をそのままヘッドホンをシフトできることが可能になってきたのだという。「その集大成がAH-D9200」と山内氏は語る。

次ページ孟宗竹ハウジングは「蛇口全開のオープンな音」

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX