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公開日 2019/05/31 15:41

JEITA新会長に日本電気 遠藤信博氏が就任。課題解決型プラットフォームへの変革加速を宣言

今年のCEATECは学生1万人の来場目指す
Senka21編集部・竹内純
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■Society 5.0を支える業界団体

一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、5月29日、柵山正樹氏(三菱電機株式会社 取締役会長)が任期満了で会長を退任し、新たに、遠藤信博氏(日本電気株式会社 代表取締役会長)が会長に就任。本日、記者会見を行った。

5月29日、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の新しい会長に就任した遠藤信博氏(日本電気株式会社 代表取締役会長)。任期は1年

2000年11月に発足したJEITAは、本年が20年目を迎える節目の年。遠藤会長は「グローバル化やデジタル化を背景に、この20年、企業も変化を余儀なくされた。IoTやビッグデータ、AIの進展により、産業構造や社会構造は大きく変化した。中でも一番大きかったのは、価値創造の方法論が変わりつつあることだ」と激動の20年を振り返った。

「従来型の産業の垣根は崩れ、もはや単一業界のことだけを考えて行動する時代ではない」と指摘。「今、日本が目指すSociety 5.0の世界は、あらゆるものがインターネットを通してつながり、データを共有することで、多くの人が積極的に価値創造に参画できる、自分に合ったライフスタイルと幸せを実現できる社会。JEITAにはこのプラットフォームを構築する上でなくてはならない企業が集結し、まさに、Society5.0を支える業界団体と言っても過言ではない」とJEITAの役割、存在意義を強調した。

そこでは、業種や業界、地域や国家を超えてデータを利活用するため、よりスピーディーなルール策定や標準化が求められる。「業界団体も変化していかなければならない」とJEITAでは他の業界団体に先駆け、組織の変革に取り組んできた。会員制度に関する定款も変更され、IT・エレクトロニクス業界のメーカーに限定せず、IoTに密接に関係する企業やスタートアップへ会員の門戸を開放した。

現在では、JTB、セコム、損害保険ジャパン日本興亜、竹中工務店、LIXILなど幅広い業種・業界の企業が新たに入会。「今、JEITAは、電子部品や電子デバイス産業を含めたあらゆる産業をつなげるプラットフォームになりつつある。広範な企業の参画を得ることで、異なる知見や技術を持った者同士が連携し、新たな価値を共に創り出す“共創”により、新たな市場の創出にも取り組んでいる」と着実な変革を遂げていることをアピールする。

その成果として、家電やIT機器メーカーに限らず、住宅、住宅設備、サービス等の住まいに関わる幅広い企業の参画を得て、2017年に創設した「スマートホーム部会」が、業界をまたいだ横断的なデータ利活用に対するルール策定等に成果をあげていることや、新事業に取り組む企業や団体を支援する「JEITA共創プログラム」の活動を例に挙げた。

■業種・業界を越えて共創を推進

従来型の業界団体から、共創を実現する課題解決型プラットフォームへと変化を遂げるJEITA。「会長として、変革の手を決して緩めることなく、Society5.0を推進する業界団体として、産業と産業をつなぎ、業種・業界を越えた共創を推進するプラットフォームとなるべく、さまざまな取り組みを進めていく」と力を込める。その柱と位置づけたのは「体制強化」「事業環境整備」「CEATEC」だ。

体制強化では、理事会もIT・エレクトロニクス産業以外の企業へ拡大。JTBの田川博己代表取締役会長、セコムの中山泰男代表取締役社長が理事・副会長に就任。「幅広い産業の会員企業を有する特長を活かし、ITとサービスが一体となることで新たな価値を生み出していく。地域活性化や安心・安全なスマートホームの実現に向けた取り組みをさらに加速していきたい」と新体制の狙いを訴えた。

事業環境整備では、「Society 5.0の実現へ、データがつながることで新たな価値を生み出し、全体最適を図る新たな取り組みであるデジタルトランスフォーメーションに必要な事業環境の整備が求められている」と屋内外での活動を強化。すでに、IoT関連の研究開発投資を加速する税制の創設、データ利活用を促進するルール作りやセキュリティ確保、AIの発展と社会実装に向けた取り組みに注力する。

3つ目のCEATECでは、2016年に、従来の“家電見本市”から、“CPS/IoTの総合展”へと大きく舵を切り、一企業を超えた“共創”を通じて新たな価値創出を目指す、他に類を見ない展示会へと生まれ変わった。今年、10月15日(木)から18日(金)にわたって幕張メッセで開催される「CEATEC 2019」では、「学生へのアピール」を大きな目標に掲げる。

「CEATECそのものを産業界の“オープンキャンパス”に見立てて、基盤技術を支えるIT・エレクトロニクス業界やユーザー企業による課題解決の取り組みを、“見て”“聴いて”“感じて”“考えて”いただく場としたい。Society 5.0時代を牽引するIoT人材育成を大きな柱に掲げ、学生1万人の来場を目指す」と意気込みを示した。

「JEITAは幅広い産業から新たな会員企業と連携し、課題解決や競争力強化、新たな市場創出に取り組んでいく。日本経済・日本社会の未来のために、Society 5.0を実現するプラットフォームとして貢献していく」とさらなる変革への意気込みを語り、あいさつを締めくくった。

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