• ブランド
    特設サイト
公開日 2020/08/04 17:43

ソニー、第1四半期の営業利益は過去最高の前年度並みも、通期見通しはコロナ禍で大幅減益に

PS5は年末商戦投入へ生産も順調
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
■予見困難な環境変化への柔軟な対応が大切

ソニーは2020年度第1四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比432億円増となる1兆9,689億円、営業利益は過去最高を記録した前年度から微減となる同25億円減の2,284億円、四半期純利益は同811億円増の2,333億円となった。なお、前年同期の特定のライセンス契約締結に伴う特許料収入、今期のPledis Entertainmentの株式売却益、「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」にかかる費用の一時的要因を除く調整後の数字では、営業利益は同22億円増の2,252億円、四半期純利益は同844億円増の2,308億円となる。

2020年度 1Q連結業績

また、コロナの影響を合理的に見通すことが困難なため未定とし、第1四半期連結業績発表時に先延ばしされていた2020年度の通期見通しは、売上高が前年度比401億円増となる8兆3,000億円、営業利益が同2,255億円減となる6,200億円、当期純利益が同722億円減となる5,100億円とした。

2020年度 連結業績見通し

第1四半期のセグメント別業績では、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、売上高が1,486億円の大幅増収となる6,061億円、営業利益も502億円の大幅増益となる1,240億円と好調に推移した。自社制作タイトル『The Last of Us Part II』『Ghost of Tsushima』をはじめゲームソフトウェアが大きく寄与。プレイステーションプラス会員数は約4,500万人に到達した。今年度の見通しは、売上高が5,224億円の大幅増収となる2兆5,000億円、営業利益はプレイステーション5(PS5)の導入に伴う販管費の増加でほぼ前年度並みの2,400億円。生産も順調に進んでいるPS5の年末商戦期の発売に向けて、ユーザーエンゲージメントの強化・拡大を目指す。

2020年度 1Qセグメント別業績

2020年度 セグメント別業績見通し

音楽分野はコロナ禍での音楽制作および音楽出版の減収など、多くの収益源においてコロナの悪影響を受けており、売上高は251億円減の大幅減収、営業利益は34億円の減益となった。今年度は引き続きコロナの影響で減収減益を見通すが、ソニー(株)副社長 兼 CFO 十時祐樹氏は「新事業『Stagecrowd』のサービス開始や好調な新作モバイルゲームアプリ『ディズニー ツイステッドワンダーランド』など、今後の業績への貢献が期待される成果も出てきている」と指摘する。

ソニー(株)副社長 兼 CFO 十時祐樹氏

映画分野もコロナの影響により、映画作品・テレビ番組の制作に大幅な遅れが生じており、劇場公開延期に伴う業績への影響は2年から3年に及ぶと推測される。映画館の閉鎖による興行収入の減少で売上高は110億円減収の1,751億円となったが、営業利益は映画製作における広告宣伝費の減少に伴い244億円の大幅増益となった。2020年度の見通しは大幅減収・大幅減益とした。

エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(EP&S)分野は、コロナの影響でデジタルカメラやテレビの販売台数減少により、売上高は1,521億円の大幅減収で3,318億円、営業利益は342億円の大幅損益悪化で91億円の損失となった。サプライチェーンはほぼ復旧し、需要は回復基調にあり、十時氏は「地域別には、日本は好調、欧米も回復が早く、アジアと中南米でやや回復が遅れている。商品ジャンル別には、テレビは巣ごもり需要の影響もあり旺盛な需要が見られる一方、デジタルイメージングが厳しい局面に立たされるが、5月時点の見落としからは回復が早まっている」と説明する。2020年度の見通しは、売上高が1,213億円減収となる1兆8,700億円、営業利益は273億円の大幅減益となる600億円の見通し。なお、モバイル・コミュニケーションは第1四半期で110億円の黒字となり、通期でも黒字化を見通す。

イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野は、こちらもコロナの影響などによるイメージセンサーの減収で売上高は245億円の大幅減収、営業利益も241億円の大幅減益となった。2020年度は売上高が706億円の減収となる1兆円、営業利益は1,056億円の大幅減益となる1,300億円を見通す。モバイル向けイメージセンサーは、全世界的な景況感の悪化により、スマートフォンでも特に得意とするハイエンド機種のセールスが落ちるなど、事業環境が変化したことでマイナス成長が予想される。モバイルセンシングでもスマートフォンメーカーでの採用に遅れが出ており、AV向けイメージセンサーもコロナの影響で市場が縮小する。これらの環境変化に迅速に適応するため、投資や研究開発の観点から事業戦略の調整・強化を図る構えだ。

十時氏は、現在の同社を取り巻く事業環境について「コロナの影響や米中摩擦による地政学リスクの高まり、自然災害などの影響は短期にとどまらず予見も困難。これら環境の変化に柔軟に対応し、臨機応変に取り組むことが大切」と訴えた。アフターコロナを見据えた重要な年として位置付け、グループ全体で250億円の構造改革費用を充てた。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 CD再生は “クロック” でさらに化ける!プロ機譲りの実力機、MUTEC「MC-3+」の音質グレードアップ技
2 評論家イチオシ!LUMIN「P1 mini」レビュー。「驚くほどの音質の良さが体験できた」
3 VGP2025・優秀賞獲得モデルから厳選!審査員5名が “絶対推し” のデノン/マランツ/B&W/DALI
4 名盤『交響組曲宇宙戦艦ヤマト』の新たな船出。リミックスという選択に挑んだエンジニアの声を訊く
5 【インタビュー】ニコンのカメラが高評価な理由。出色のミドル機「Z6III」や人気機種「Z50II」が市場創造を牽引
6 “話題のバケモン級ドングルDAC”入りセットも。「MUSINオーディオ福袋」12/25 18時より予約販売スタート
7 Prime Video、『薬屋のひとりごと』第2期や『すずめの戸締まり』など注目アニメ登場の25年1月配信作品
8 アキュフェーズのフラグシップアンプ「E-800S」が堂々初登場3位<ハイファイオーディオ売れ筋ランキング11月>
9 EarFun、デュアルダイナミックドライバーとANCを搭載したBluetoothヘッドホン「Tune Pro」
10 価格を忘れる高音質!Bluesoundの“超ハイコスパ”ストリーマー「NODE NANO」レビュー
12/26 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX