HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2022/12/13 11:53
【販売店レポート】コジマ×ビックカメラ梶ケ谷店、ネット動画配信やmini LEDなど進化を目の当たりにテレビ買い替えへ本腰
もはや見逃せない相棒「サウンドバー」
■テレビ買い替え動機を高ぶらせるネット動画配信サービス
かつて “家電の王様” と言われたテレビが復権。コロナ禍のおうちエンタメを追い風に俄然、存在感を増している。流れを引き寄せた要因のひとつは「ネット動画配信」。コジマ×ビックカメラ梶ケ谷店(神奈川県川崎市)・渡辺陸哉氏は「テレビを購入・選択する際に外すことができない一番のポイントになっています」とネット動画配信の視聴がテレビの買い替えを促している。
「無料で楽しまれている方も圧倒的に多い『YouTube』や動画配信サービスのなかでは提供するコンテンツがもっとも多い『U-NEXT』への関心が高いですね。先日はご年配のお客様から『今、Netflixに加入しているんだけど、テレビで見られる機種はどれですか』と尋ねられました。老若男女の区別なしに、テレビの買い替えを大きく後押ししています」とお客様の心を揺さぶっている。
テレビ離れが指摘されていた若い人たちも動き出している。コロナ禍でおうち時間が増えたことを契機に、「YouTubeや動画配信サービスをスマホの小さな画面でなく、自宅なら大きなテレビの画面で楽しみたいという人が目に見えて増えてきました」と話す。「できるだけ大きな画面にしたい、4Kテレビにしたいといったこだわりも見受けられます。4Kテレビなら大きな画面でも視聴距離をより短くできるメリットがあります」と新たな流れに注目する。
テレビ買い替えに拍車をかけたのは昨夏の東京オリンピック開催、そして、日本代表の活躍で盛り上がる現在開催中のFIFAワールドカップ。「テレビに関する問い合わせを数多くいただきます。開催中のワールドカップでも、新しいテレビに買い替えて開幕前には設置を済ませたいと店頭に足を運ばれるお客様の姿が目立ちました」とスポーツのビッグイベントならではの底知れぬパワーを実感させる。
■「mini LED」って何?さらに深まる関心
現在の売れ筋は55V型以上の大型サイズで、有機ELテレビの需要が大きく伸長している。「お客様はきちんと下調べをされていて、有機ELと液晶の2つの方式があることはご存じです。それでは実際にどこがどう違うのか。質問されたり、画質を見比べたり、熱心に検討されており、実際に映像をご覧になられて、色味が液晶よりも有機ELの方がきれいだとおっしゃるお客様が多いですね」。
そして、「年末商戦はさらに盛り上がりそうです」と期待を寄せる渡辺氏が、注目ポイントとして挙げるのが「mini LED」。
「有機ELと比較すると認知はまだ低いですが、ご案内すると非常に興味を示されるお客様が少なくありません」と関心の高さに拡販への手応えを掴む。各社からmini LEDのモデルが増え選択肢も広がっている。売り場では「液晶」「有機EL」「mini LED」の三者の気になる違いを、実際に自分の目でしっかりと比較視聴できる環境が随所に整えられている。なお、お客様の液晶と有機ELの比較では有機ELに分があるようだが、有機ELとmini LEDとの比較では反応は五分五分のようだ。
現在、主力とも言える有機ELで人気を集めているのがソニーのBRAVIA。画面そのものから音が出る「アコースティック サーフェス オーディオ プラス」が注目の的だ。「お客様にとっては驚きのようで、大きなインパクトがあります。音と映像が融合する、言わばサウンドスクリーンを使用した映画館と同じ仕組みで、テレビの “音” に対する関心は確実に高まっています」と着目する。
■必聴!サウンドバーがリビング空間を次のステージへ
テレビ関連商品のなかでも力を入れるのが「サウンドバー」。『テレビにプラスワンの新定番!!これ1本ですべてが変わる!!サウンドバーで感動アップ』と大きくメッセージを掲げて訴求する。売り場のテレビとの組み合わせはもちろん、サウンドバーのコーナーを設けて比較、検討をしやすくしている。
人気を集めるのはサブウーファーを内蔵したワンボディタイプ。「場所を取らずに1本で済むのがやはり好まれるようです。別筐体でサブウーファーがあると部屋の美観を損ねる、掃除をするときにも邪魔になるなど、どうしても敬遠されがちです」と “手軽さ” が大きな決め手になっている。
しかしその一方、音質をより重視する傾向も強まっている。注目を集める商品のひとつがソニー「HT-A9」。新開発の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」を搭載し、手頃なサイズの4本のワイヤレススピーカーで “360立体音響” を実現する新しいスタイルのホームシアターシステム。壁面にズラリと展開するテレビコーナーの中央に陣取り、大画面の臨場感をさらに際立たせる圧倒的な音の拡がりをアピールする。
「サウンドバーではテレビの大きさに合わせるだけでなく、ドルビーアトモスに対応した5.1.2chタイプなど、内蔵されるスピーカーの数にも関心が集まっています」と指摘する。手に入れた大画面テレビにふさわしい音を豊かにするこだわりは、これからさらに深まっていきそうだ。
もう一つの見逃せないトレンドは “音楽”。「サウンドバーで音楽を楽しむ人も増えています。ネットオーディオをもっといい音で楽しみたいと購入する若い人も目につきますし、昔からオーディオをやっていたからと興味を示すご年配のお客様もいらっしゃいます。気になる商品としてますます人気が高まっています」と購入層も用途もますます広がりを見せている。
■知りたいがわかるPOPの波状攻撃
「壁寄せスタンド」もニーズが高まっている。場所を取らずにテレビをスマートに設置したいが、賃貸など壁掛けができないケースや大掛かりな工事が必要になる課題を解消。最近ではテレビ台よりも壁寄せスタンドをお求めになるお客様の方が多いとのこと。「スマートな見た目はもちろん、小さいお子様がいるご家庭では、テレビが前に倒れにくいので安心との声もお聞きします。何より掃除がしやすくなる点は大きなメリットですね」。
テレビコーナーの一角には、Ankerのシーリングプロジェクター「Nebla Nova」を展開する。「テレビにするかプロジェクターにするかを迷われている若いお客様もいらっしゃいます」と市場が急拡大するプロジェクターへの関心も確実に高まっている。
コロナ禍を経て、テレビに対する受け止め方や楽しみ方が大きく変化してきている。誰もがいろいろな関心や疑問を抱くなか、コジマ×ビックカメラ梶ヶ谷店で目に飛び込んでくるのが、天井や床も有効に活用して効果的に配置されたPOPの数々だ。「パッと目に飛び込んでくるのがやはり一番わかりやすいですから」と力を込める渡辺氏。まるでお客様の心を見透かしたかのように、聞きたかったこと、知りたかったこと、そして新たなる “気づき” への入り口となっている。
地デジ化で購入したテレビとは大きさも中身も一変、さらに進化を続けるテレビ。スマホでは決して体験できない臨場感を手に入れることもできる。サウンドバーや壁寄せスタンドなど魅力を高める役者も揃う。テレビ売り場に一歩足を踏み入れれば、そこには新しい発見がある。ワールドカップで盛り上がりを見せるテレビ商戦。松本氏は「年末商戦も大いに期待できます」と買い替え喚起へ腕を鳴らす。