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公開日 2023/02/15 11:00
デノン、孤高の15.4ch一体型AVアンプ「AVC-A1H」。15年ぶりの“A1ネームド”フラグシップ機
サウンドマスター・山内氏と高橋氏のタッグで開発
デノンは、AVアンプの新フラグシップモデル「AVC-A1H」を3月24日より発売する。価格は990,000円(税込)。
デノンの中でも、時代における最新かつ最高の映像・音声フォーマットを最良のクオリティで再生できるモデルにのみ与えられるという「A1」の型番を冠するAVアンプ。2007年の「AVC-A1HD」以来、実に15年ぶりの“A1ネームド”モデルということで、「何ものにも代え難い執念と意思をもって作り上げた」という。
同社営業の田中清崇氏によれば、本機のコンセプトは「孤高」。一体型AVアンプとしては市場でも最多クラスの15chパワーアンプを搭載し、15.4chのプロセッシング出力に対応する。
設計を担当した高橋佑規氏によると、デノンでは2014年に世界初の民生用Dolby Atmos対応AVアンプ「AVR-X5200W」(北米向け)を発売しているが、当時のDolby Atmosデモディスクに9.1.6ch音声が収録されていたことから、その時よりデノンのエンジニア陣は15ch出力をひとつのゴールとして開発してきたそうだ。
パワーアンプ部は15ch全てを独立させたモノリス・コンストラクション構成を採用し、ch間におけるクロストークや振動の影響を排除。増幅素子にはHi-Fiアンプの設計思想を踏襲したという大電流タイプのパワートランジスタ「Denon High Current Transistor(DHCT)」を採用する。
また、アンプはシンプルで素直な特性が得られるという差動1段のAB級リニア回路を採用。性能を確保する設計が難しいものの、多段差動アンプより位相回転が少なく安定性が高いため、さまざまなスピーカーに対して優れた駆動性を持ち、音質的にも有利だという。
加えてDHCTをヒートシンクの上に格子状にレイアウトし、ヒートシンクとパワートランジスタの間には熱伝導性が高く比重の大きい銅板を挟み込むことで放熱効率を高め、大音量でも安定したスピーカー駆動を実現したと説明。銅板の挟み込みは「AVC-X8500HA」(以下、X8500HA)や「AVC-A110」(以下、A110)でも用いられた機構だが、それらと比較して2倍の厚みを持つ4mm銅板を採用している。
DACにはリスニングテストを繰り返して厳選したという2ch 32bit DACチップを10個搭載する。2chチップを使用することでch間の相互干渉を最小限に抑えつつ、各チップにおいて「フロント左+サブウーファー3」のように使用頻度の高いchと低いchを組み合わせることで、実使用時の干渉を抑制したとのこと。10個のチップには1基の超低位相雑音クリスタル発振器でクロックを供給し、正確な同期を実現する。
アナログ基板は4層にすることで、ミニマルシグナルパスなどの理想的な回路基板を実現。奥行きを縮めつつ、増えたアンプ回路用のスペースもを確保している。ほか、サラウンド回路設計の中核技術「D.D.S.C.-HD32」や、アナログ波形再現技術「AL 32 Processing Multi Channel」なども搭載。
スピーカー信号と電源ユニットには2層基板を使用しており、パターン箔の厚みをX8500HAの2倍にあたる70μmとしたことで、信号線、電源線、GND線の低インピーダンス化を実現。これはA110でも行った手法となる。
電源トランスは、15chの同時出力を安定かつクリーンに行えるものが市場に存在しなかったためカスタム品を開発。VAはX8500HAのものと比較して15%増加している。ちなみにX8500HAのトランスは8.1kgだったところ、本モデルのトランスはそれを凌ぐ11.5kg。トランス単体でミドルクラスAVアンプ『AVR-X2800H』(9.5kg)を超える質量となった。
底面には2.0mm厚の銅製トランスベースを取り付け、機構安定性と放熱性を向上。このトランス+トランスベースを支えるため、1.2mmのメインシャーシに1.2mmサブシャーシと1.6mmボトムプレートを追加し、計4.0mmの重厚かつ堅牢な3層構造を実現。振動の伝搬を防止している。
ブロックコンデンサーも規格外のパワーを支えるため、X8500HAやA110に使われていたもの(22,000μF)の1.5倍という、大容量33,000μFのカスタム品を2個採用。高橋氏によれば、コンデンサーの陰極箔の巻きテンションでも低域のレベルが変化するとのことで、今回4種類の候補の中から、A110と同様に最も低域が出るという1番緩いパターンを選んだそうだ。
■「A1ネームドAVアンプ」が15年ぶりに登場。“孤高”の15.4ch一体型
デノンの中でも、時代における最新かつ最高の映像・音声フォーマットを最良のクオリティで再生できるモデルにのみ与えられるという「A1」の型番を冠するAVアンプ。2007年の「AVC-A1HD」以来、実に15年ぶりの“A1ネームド”モデルということで、「何ものにも代え難い執念と意思をもって作り上げた」という。
同社営業の田中清崇氏によれば、本機のコンセプトは「孤高」。一体型AVアンプとしては市場でも最多クラスの15chパワーアンプを搭載し、15.4chのプロセッシング出力に対応する。
設計を担当した高橋佑規氏によると、デノンでは2014年に世界初の民生用Dolby Atmos対応AVアンプ「AVR-X5200W」(北米向け)を発売しているが、当時のDolby Atmosデモディスクに9.1.6ch音声が収録されていたことから、その時よりデノンのエンジニア陣は15ch出力をひとつのゴールとして開発してきたそうだ。
パワーアンプ部は15ch全てを独立させたモノリス・コンストラクション構成を採用し、ch間におけるクロストークや振動の影響を排除。増幅素子にはHi-Fiアンプの設計思想を踏襲したという大電流タイプのパワートランジスタ「Denon High Current Transistor(DHCT)」を採用する。
また、アンプはシンプルで素直な特性が得られるという差動1段のAB級リニア回路を採用。性能を確保する設計が難しいものの、多段差動アンプより位相回転が少なく安定性が高いため、さまざまなスピーカーに対して優れた駆動性を持ち、音質的にも有利だという。
加えてDHCTをヒートシンクの上に格子状にレイアウトし、ヒートシンクとパワートランジスタの間には熱伝導性が高く比重の大きい銅板を挟み込むことで放熱効率を高め、大音量でも安定したスピーカー駆動を実現したと説明。銅板の挟み込みは「AVC-X8500HA」(以下、X8500HA)や「AVC-A110」(以下、A110)でも用いられた機構だが、それらと比較して2倍の厚みを持つ4mm銅板を採用している。
DACにはリスニングテストを繰り返して厳選したという2ch 32bit DACチップを10個搭載する。2chチップを使用することでch間の相互干渉を最小限に抑えつつ、各チップにおいて「フロント左+サブウーファー3」のように使用頻度の高いchと低いchを組み合わせることで、実使用時の干渉を抑制したとのこと。10個のチップには1基の超低位相雑音クリスタル発振器でクロックを供給し、正確な同期を実現する。
アナログ基板は4層にすることで、ミニマルシグナルパスなどの理想的な回路基板を実現。奥行きを縮めつつ、増えたアンプ回路用のスペースもを確保している。ほか、サラウンド回路設計の中核技術「D.D.S.C.-HD32」や、アナログ波形再現技術「AL 32 Processing Multi Channel」なども搭載。
スピーカー信号と電源ユニットには2層基板を使用しており、パターン箔の厚みをX8500HAの2倍にあたる70μmとしたことで、信号線、電源線、GND線の低インピーダンス化を実現。これはA110でも行った手法となる。
電源トランスは、15chの同時出力を安定かつクリーンに行えるものが市場に存在しなかったためカスタム品を開発。VAはX8500HAのものと比較して15%増加している。ちなみにX8500HAのトランスは8.1kgだったところ、本モデルのトランスはそれを凌ぐ11.5kg。トランス単体でミドルクラスAVアンプ『AVR-X2800H』(9.5kg)を超える質量となった。
底面には2.0mm厚の銅製トランスベースを取り付け、機構安定性と放熱性を向上。このトランス+トランスベースを支えるため、1.2mmのメインシャーシに1.2mmサブシャーシと1.6mmボトムプレートを追加し、計4.0mmの重厚かつ堅牢な3層構造を実現。振動の伝搬を防止している。
ブロックコンデンサーも規格外のパワーを支えるため、X8500HAやA110に使われていたもの(22,000μF)の1.5倍という、大容量33,000μFのカスタム品を2個採用。高橋氏によれば、コンデンサーの陰極箔の巻きテンションでも低域のレベルが変化するとのことで、今回4種類の候補の中から、A110と同様に最も低域が出るという1番緩いパターンを選んだそうだ。
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