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公開日 2023/11/17 07:00

LTA、真空管技術ZOTLテクノロジー採用の静電型ヘッドホンアンプ「Z10e」

6.3mmヘッドホン出力やスピーカー出力も装備
編集部:成藤 正宣
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完実電気は、今年10月より新たに取り扱いを開始したLinear Tube Audio(LTA)ブランドから、静電型ヘッドホンドライバー(アンプ)「Z10e」を発売する。価格は1,100,000円(税込)。

「Z10e」

バイアス電圧580Vの5ピン出力端子を搭載し、静電型ヘッドホンの駆動に対応した真空管ヘッドホンアンプ。6.3mm標準ジャック×2も備えダイナミック型ヘッドホンなども接続できる上、背面にはスピーカー端子も搭載する。

静電型ヘッドホンを駆動できることに加え、一般的なヘッドホン用の6.3mm出力とスピーカー出力も備える

中核技術として、1996年にエンジニアのDavid Berning氏が開発した「ZOTL(Zero-hysteresis Output Transformer-Less)テクノロジー」を採用。一般的な真空管アンプとは異なり出力トランスを搭載せず、代わりに高出力真空管とFETトランジスターを組み合わせることで、出力トランスの特性や相互変調歪など音質に影響をおよぼす要因を排除。その結果、優れたリニアリティーと6Hz - 60kHz(+0、-0.5dB、8Ω)の広帯域再生を実現したという。

このほかにもZOTLテクノロジーは、出力インピーダンスを抑えられるため幅広いヘッドホン/スピーカーを安定して駆動できる、高電圧低電流で動作するため真空管が発熱しにくくより長持ちするなどの長所を兼ね備えるとのこと。真空管は、プリ段に12AT7×2と12AU7×4、パワー段にEL84×4を搭載する。

ボリュームには8bit高精度デジタル・ステップ・アッテネーターを採用し、100ステップで音量調整が可能。さらに設定を切り替えることでより精緻な199ステップの調整も可能だという。

電源ユニットは別筐体で、大型トロイダルトランスを搭載。またスイッチングパワーサプライ回路をマイコンなどのコントロール回路/オーディオ回路それぞれに割り当て、安定した電源供給を実現している。基板には熱伝導がよく膨張率の低いセラミック基板を採用しており、発熱や干渉にも配慮した。

入力端子として、背面にRCA×2系統/XLR×1系統を装備。出力は上述の通り、静電型ヘッドホン用5ピン×1/6.3mm標準×2を前面に、スピーカー端子×1系統を背面に備える。2つの6.3mmジャックはそれぞれ出力レベルが異なり、一方が3W(32Ω)、もう一方が240mW(32Ω)となる。スピーカー出力は、12W+12W(4Ω)/10W+10W(8Ω)。

背面部。電源は別筐体となる

外形寸法および質量は、本体が406W×130H×406Dmm/7.5kg、電源ユニットが200W×95H×183Dmm/4kg。

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