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公開日 2024/06/03 17:06
JEITA新会長にパナソニックの津賀一宏氏就任。生成AI活用の国際ルールづくりなど重点項目を表明
CEATEC25周年、InterBEE60周年となる節目の年
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の会長に、新たにパナソニックホールディングス(株)取締役会長の津賀一宏氏が就任した。任期は1年となる。
6月3日に開催された「第14回定時社員総会」をもって津賀一宏氏が正式に就任。前任の(株)日立製作所 代表執行役 執行役社長 兼 CEOの小島啓二氏は任期満了で退任となった。
津賀一宏氏は就任記者会見にて「JEITAは、前身となる団体設立から今年で75周年を迎えました。今年はCEATECが25周年、InterBEEが60周年となる節目の年となります。歴史の重みを感じつつ責務を果たしていきたいと考えております」とコメント。デジタル業界を代表とする団体として、新たな市場の創出に取り組んでいきたいと意気込みを語った。
JEITAの2024年の重点項目として、津賀氏は「テクノロジーの進化と社会との調和」と「サプライチェーンへの対応」を2点をあげる。
1点目については、継続的なデジタル投資を呼びかけるとともに、テクノロジーの進化が社会や暮らしの豊かさ、日本の産業競争力の強化につながるよう事業環境の整備を推進していくと表明。
2点目については、経済安全保障におけるサプライチェーンの強靭化、人権やサイバーセキュリティ対策、サステナビリティへの対応、カーボンニュートラルのためのCO2の可視化といった多くの社会課題に対して、デジタルの力での解決策を模索していく。複数の企業が参画するJEITAの特性を活かし、推進役として進めていきたいと語った。
質疑応答においては、JAPAN MOBILITY SHOWとの併催の話題や生成AIについての取り組み、業界再編に向けての考え、円安基調の為替相場についての質問などが各メディアから寄せられた。
今年のCEATECは10月15日から幕張メッセにて開催されるが、今年初めて「JAPAN MOBILITY SHOW」(旧・東京モーターショウ)との併催となる。津賀氏は「先方から一緒にやろう、というお話をいただいた」と前置きした上で、CEATECは技術発表の場になっている一方で、JAPAN MOBILITY SHOWは「車社会の未来について、モノを見せることで夢が広がる」場として期待をかける。今後さらに他のイベントとの共催があっても良いのではないかと呼びかけた。
生成AIについては、「これからのイノベーションを牽引する画期的な技術であり、イノベーションの芽を摘んではいけない」とした上で、著作権や個人情報保護といったさまざまなリスクがあることに触れ、「グローバルに、人類を前に進める技術でなければならない」という基本スタンスを改めて表明。日本国内だけではなく、国際社会と協調したルールづくりを推進していくとした。
さらに、単に生産性の改善など、従来のやり方を変える目的でAIを活用するだけではなく、「活動のトランスフォーメーション」、やり方を根本的に変えるためにどう活用していくかを考えていかなければならないという考えを示した。「日本の組織は古く商慣習も多くあるが、それらを打ち破るためにどうAIを使っていくか」について高い関心を寄せていると語った。
また、日本が世界的に競争力を高めていくためには「業界再編は必要であり、先手で打っていかなければならない」とコメント。ただしテレビ業界については、「テレビ業界は古い世界なので、いま再編することでどれほど前向きなインパクトがあるかを考えると、もっとやらなければならない再編があるのではないか」と後ろ向きな姿勢を示した。
為替相場が円安基調に傾き続けていることについては、さまざまな企業がリスクヘッジの方策を進めてきているとしながらも、「急激な変動が産業界として最も困る点でもあり、通貨当局にお願いして、為替変動はなるべく緩やかなものであるようにというお願いをしている」とコメントした。
津賀一宏氏は1979年に大阪大学基礎工学部生物工学科を卒業、1986年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校コンピュータサイエンス学科修士課程を終了。1979年に松下電器産業(株)に入社。マルチメディア開発センター所長、デジタルネットワーク・ソフトウェア技術担当等を経て、2011年よりパナソニック(株)専務役員に就任。2012年より同社社長、2021年より取締役会長に就任。2022年よりパナソニック ホールディングスの取締役会長に就任している。
6月3日に開催された「第14回定時社員総会」をもって津賀一宏氏が正式に就任。前任の(株)日立製作所 代表執行役 執行役社長 兼 CEOの小島啓二氏は任期満了で退任となった。
津賀一宏氏は就任記者会見にて「JEITAは、前身となる団体設立から今年で75周年を迎えました。今年はCEATECが25周年、InterBEEが60周年となる節目の年となります。歴史の重みを感じつつ責務を果たしていきたいと考えております」とコメント。デジタル業界を代表とする団体として、新たな市場の創出に取り組んでいきたいと意気込みを語った。
JEITAの2024年の重点項目として、津賀氏は「テクノロジーの進化と社会との調和」と「サプライチェーンへの対応」を2点をあげる。
1点目については、継続的なデジタル投資を呼びかけるとともに、テクノロジーの進化が社会や暮らしの豊かさ、日本の産業競争力の強化につながるよう事業環境の整備を推進していくと表明。
2点目については、経済安全保障におけるサプライチェーンの強靭化、人権やサイバーセキュリティ対策、サステナビリティへの対応、カーボンニュートラルのためのCO2の可視化といった多くの社会課題に対して、デジタルの力での解決策を模索していく。複数の企業が参画するJEITAの特性を活かし、推進役として進めていきたいと語った。
質疑応答においては、JAPAN MOBILITY SHOWとの併催の話題や生成AIについての取り組み、業界再編に向けての考え、円安基調の為替相場についての質問などが各メディアから寄せられた。
今年のCEATECは10月15日から幕張メッセにて開催されるが、今年初めて「JAPAN MOBILITY SHOW」(旧・東京モーターショウ)との併催となる。津賀氏は「先方から一緒にやろう、というお話をいただいた」と前置きした上で、CEATECは技術発表の場になっている一方で、JAPAN MOBILITY SHOWは「車社会の未来について、モノを見せることで夢が広がる」場として期待をかける。今後さらに他のイベントとの共催があっても良いのではないかと呼びかけた。
生成AIについては、「これからのイノベーションを牽引する画期的な技術であり、イノベーションの芽を摘んではいけない」とした上で、著作権や個人情報保護といったさまざまなリスクがあることに触れ、「グローバルに、人類を前に進める技術でなければならない」という基本スタンスを改めて表明。日本国内だけではなく、国際社会と協調したルールづくりを推進していくとした。
さらに、単に生産性の改善など、従来のやり方を変える目的でAIを活用するだけではなく、「活動のトランスフォーメーション」、やり方を根本的に変えるためにどう活用していくかを考えていかなければならないという考えを示した。「日本の組織は古く商慣習も多くあるが、それらを打ち破るためにどうAIを使っていくか」について高い関心を寄せていると語った。
また、日本が世界的に競争力を高めていくためには「業界再編は必要であり、先手で打っていかなければならない」とコメント。ただしテレビ業界については、「テレビ業界は古い世界なので、いま再編することでどれほど前向きなインパクトがあるかを考えると、もっとやらなければならない再編があるのではないか」と後ろ向きな姿勢を示した。
為替相場が円安基調に傾き続けていることについては、さまざまな企業がリスクヘッジの方策を進めてきているとしながらも、「急激な変動が産業界として最も困る点でもあり、通貨当局にお願いして、為替変動はなるべく緩やかなものであるようにというお願いをしている」とコメントした。
津賀一宏氏は1979年に大阪大学基礎工学部生物工学科を卒業、1986年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校コンピュータサイエンス学科修士課程を終了。1979年に松下電器産業(株)に入社。マルチメディア開発センター所長、デジタルネットワーク・ソフトウェア技術担当等を経て、2011年よりパナソニック(株)専務役員に就任。2012年より同社社長、2021年より取締役会長に就任。2022年よりパナソニック ホールディングスの取締役会長に就任している。