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公開日 2019/02/07 10:30

中古カメラ店の従来イメージを一新。“新生カメラのキタムラ”が投げ掛ける新たなチャレンジ

若いお客様の琴線にも触れる新店舗
Senka21編集部・竹内純
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中古店・カメラ店の敷居を一気に引き下げる
これまでの中古カメラ店が持つ閉塞的なイメージを覆した、開放的で清潔感に満ちた新店舗「カメラのキタムラ セレオ八王子中古買取センター」が11月30日にオープンした。20年近くにわたり数々の路面店に携わってきた甲斐貴洋店長も「本当にオシャレで別の会社に来たかと思いました」と目を丸くしたという。

株式会社キタムラ カメラのキタムラ セレオ八王子中古買取センター 店長・甲斐貴洋氏

従来の中古カメラ店のイメージを打破、木目調でまとめられ落ち着いた雰囲気を醸し出す。ハードルを引き下げたことで、幅広いお客様を迎え入れる

木目を基調にした什器に、カメラ約220台、レンズ約530本、さらに、その他アクセサリー商品を合わせて1,000点以上(取材時)の中古品をキレイに陳列。売り場でよく目にする「安いです!」「値下げしました!」「新しく入荷しました!」などのPOPが一切なく、お気に入りのカメラを探訪する時間がゆったりと流れていく。

レンズキャップにあるロゴの向きもきちんと揃えて展示。中古でイメージしがちな雑多な印象を払拭することで、中古に対する安心感、親近感を演出する

フィルムカメラも揃える220台以上に及ぶ中古品のカメラ

また甲斐店長は「そうしたPOPがあると、その商品を目当てにお客様が巡回しなくなってしまうんです」と指摘。「中古品は品揃えが入れ替わり、いつ何が入ってくるのか出ていくのかがわからないわけですから、お客様本位で完結させず、 “一点もの” の醍醐味を味わってもらいたいんです」とその狙いを説明する。

530本以上におよぶ中古品の交換レンズ。販売されて歯抜けになったスペースも、空いたままにせずに適宜整える。「売れているというより、商品の潤沢なイメージを売り場から発信する

中古品のアクセサリーも多彩な品揃え。写真はフィルターのコーナー

路面店のカメラのキタムラは、来店目的を持った客層の比率が高い。中心となるのはカメラファンのシニア層と子育ての主婦層だ。しかし、JR八王子駅に直結する商業施設「セレオ八王子」への出店となった同店は幅広い客層が想定される。とりわけ若年層の獲得は狙いのひとつ。「アパレルショップに入って洋服を見るのと同じ気軽な感覚で、他のお店にいらっしゃったキタムラが初めてという方にも入りやすいオープンな雰囲気を目指しました」と “中古屋” “カメラ屋” が抱えていた見えない壁を払拭し、敷居をぐんと引き下げた。カウンター背面に配した同社のユニークなテレビCMでお馴染みの俳優・安田顕さんの大きな写真が、通路からも視界に飛び込み、親近感を演出する。

JR東日本グループが運営するJR八王子駅の駅ビル型商業施設「CELEO八王子」内に出店する。同店のスタッフは全9名。社員2名・アルバイト7名(うち4名はフルタイム)で構成される

カメラ市場の裾野を広げる “中古品” という選択肢
デジタルカメラ市場ではミラーレス化、高付加価値化が注目を集めるが、市場全体が減少傾向にあることは否定できない。しかし、最近の中古市場はメルカリに代表されるCtoCビジネスが顕著に伸長。「若い人を中心に中古商品に対するイメージが変わり、購入に対する抵抗感は確実に和らいでいます」と大きな変化を指摘する。

新商品が高価で手が届かないケースでも、中古品なら手に入れられる予算感は言うまでもなく大きなメリットのひとつ。カメラとレンズのどちらかを中古にすることで両方同時に購入できたり、一方のレンズを中古にすることで希望していた2本のレンズを手に入れられたり、顧客満足度を高める提案が拡がる。

新製品では常時、タッチ&トライのコーナーを設ける

メインは圧倒的なボリュームを誇る中古品だが、新製品もコーナーを設けて取り扱いを行う

さらに、「買い物でも各個人が線引きをして、ネットとリアルを使い分けたり、100円ショップと高級店を使い分けたりします。専門性の高いカメラやレンズでは特に、知識が豊富なスタッフと店舗があることは、信頼や安心感の上からも大きな強みです」とネット全盛の時代にも変わらぬ存在感をアピールする。

「レンズ交換式のエントリー機を購入されるお客様や、想定外の例では、使い捨てカメラを使っていてコスパが悪いからと、コンパクトのフィルムカメラを購入された方もいらっしゃいました」と若いお客様の姿も目につく。市場の裾野を拡げていくためにも「カメラ購入を検討する際、中古が選択肢のひとつとして当たり前になるようにしていきたい」と潜在需要の掘り起こしへ意気込む。

生命線となる買取りをいかに増やせるか
中古品店において大きなテーマとなるのは “品揃え”。各店から集めてスタートを切ったが、基本は “自給自足”。お客様からの買取り・下取りが命綱となる。「まずお客様に店頭まで足を運んでいただくことが何より。売上げは二の次。買取りを増やせれば、自ずと売上げはついてきます」。

店舗の認知拡大、買い取り増が今後の大きなテーマ

現在の買取りの約8割は八王子在住の方からだが、認知拡大にあわせて広がっていくと予測する。「お客様や買取りを増やす決定打があるわけではなく、今は一人一人のお客様に丁寧に接客することが後々の買取りにつながってくると考えています。眠っているカメラ、使わなくなったカメラがたくさんあるはずですから」。

キタムラが有する国内最大級のサイト「ネット中古」との連携は大きな強み。同社が全国の店舗で展開している中古商品をネットで注文し、最寄りの店舗で商品の状態を確認してから受取れることもできる、リアルとECを融合した他にはないサービスを実現する。

2,000点以上の中古品を有するキタムラのサイト「ネット中古」と連携。取扱商品を店舗に取り寄せて手に取って確認できる

さらに「ネット中古」に導入された新たサービス「ComingSoon」が好評だ。今までは、点検・整備済みで商品化された中古商品のみ「ネット中古」に掲載されていたが、買取りしたばかりで販売準備中の商品や買取後の商品化のために修理・点検の工程にある商品が1万点以上あり、これが「ComingSoon」として掲載される。欲しいものはお気に入り登録しておけば、商品化されるとメールで連絡が来る。

新サービスがスタートすると、多数の問い合わせがあり、キタムラネット会員の登録数の増加ペースが加速。ネット中古の宅配受け取りと店頭受け取りの売上げも最高記録を更新。「旺盛な消費意欲を改めて実感しました」と勢いを加速する。

さらなる認知拡大へ店舗の魅力を高める
オープンから2カ月余。店への問い合わせも増え、近郊のカメラファンのみならず、東京区内や神奈川から来店される方も目につくという。「想定より広い範囲のお客様にご利用いただいています。若いお客様も増えてきまして」と手応えを掴む。店長が以前に在籍していた店舗のお客様や店次長のお知り合いの方が出張の際に立ち寄られるなど、「これまで長年にわたり培ってきたお客様との信頼やキタムラファンの存在をつくづく感じます。本当にうれしい限りです」。

好評メンテナンスサービスでは、4月1日から「センサークリーニング」もスタート

買通り・下取りにも直結する認知度アップを、当面の最大の課題として位置づけ、様々な手段を用いた告知強化を進めていく。一方、4月1日からは新たに「センサークリーニングサービス」をスタート。今までメーカーに送付して依頼していたものを自店内で完結。待ち時間を短縮してユーザー満足度を高め、さらなる信頼感・安心感に結びつけていくなど、店の魅力そのものもさらに高めていく。

八王子は学生が多いことから証明写真に力を入れる。カメラのキタムラ自慢の多彩なプリントが楽しめる「フォトプラス」コーナーはなく、プリントサービスは提供していないが、ネットプリントの受け取りには対応する

同店ではプリントサービスを行っていないため、「カメラの購入に “中古” という新たな選択肢が加わり、カメラ所有者の分母を増やせれば、周辺店舗でのプリントサービス増にも寄与できます」と商圏トータルでの底上げ効果も期待される。近隣には「カメラのキタムラ八王子・めじろ台店」もあり、「役割を分担することで、互いの強みに資源を集中できます。相互送客によるシナジーを大いに発揮したい」と力を込める。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下の新体制となり注目が集まる中、新たな進化の証として、札幌・神戸・錦糸町に続く4つ目のライフスタイル提案型の新コンセプト店舗として登場したカメラのキタムラ セレオ八王子中古買取センター。「単に “モノ” を売るのではなく、 “コト” を売る店。まさに、 “新生キタムラ” がここから始まります。成功すれば、良い意味でのプレッシャーも生まれてきます。将来を見据えたキタムラのチャレンジ、新しい方向性を示した店舗です。そこへ配属されたのですから、身が引き締まる思いでいっぱいです。任されたからには期待に応え、必ず成功させます」と決意を示す。デジタルカメラ市場、中古品市場に新風を呼び込む今後のさらなる進化が注目される。

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