公開日 2010/06/18 12:00
ULTRASONE「edition 8 Limited」を石原俊氏が聴く − “人生を限りなく豊かにするプレミアムヘッドホン”
注目ヘッドホン SPECIAL REVIEW
ULTRASONEのフラグシップ・ヘッドホン“edition”シリーズの最新モデルに、遂に限定モデルの「edition 8 Limited」が発売される。上質を極めた本機のサウンドを石原俊氏がレビューする。
3つのバリエーションから選べる魅惑のフラグシップモデル
ULTRASONE(ウルトラゾーン)は1991年に創業したドイツのヘッドホン専業メーカーである。創業者のフロリアン・ケーニッヒ氏はミュージシャンであるとともに、大学時代は電磁波や頭部伝達関数を研究していたという経歴の持ち主だ。ケーニッヒ氏はミュージシャンとして理想のヘッドホンを作るべく、ウルトラゾーンを立ち上げた。ウルトラゾーンのヘッドホンの最大の特徴は「S-Logic」。これはドライバーユニットをイヤーカップの前方にオフセットさせることで、自然な状態に近いサウンドを得る技術だ。もうひとつの特徴は、電磁波低減を狙ったULE(Ultra Low Emission)。頭部に近接して使うヘッドホンの安全性に、いちはやく注目してきた。
この「edition 8」は、そんな同社の集大成となるフラグシップモデルだ。前作の「edition 9」、前々作の「edition 7」がホームユースを意識していたのに対して、本機はアウトドアユースにも最適なつくりとなっている。edition8には3種類の仕様が用意されており、イヤーカップとレザー部の色が異なる。ミラー仕上げの標準モデル「Ruthenium(ルテニウム)」とブラッシュ仕上げの「Palladium(パラジウム)」は、いずれもブラックのエチオピアン・シープスキン・レザーをイヤー/ヘッドパッド部分に贅沢に使用している。そして888台限定の「Limited(リミテッド)」は、ルテニウムのブラッシュ仕上げのイヤーカップにアメリカン・ナットの木部(しかも7層ラッカー塗装!)が埋め込まれている。レザー部分もダークブラウン色となっていて、上質で温かみのあるデザインとなっている。
アウトドアユースに使えるヘッドホンのなかでは、その使用感は極上といっていい。エチオピアン・シープスキン・レザーの感触はすばらしく、いつでも身につけていたくなるほど。イヤーパッドの遮蔽性も高い。
音質もまた、極上である。密閉型のヘッドホンとしては、異例ともいえるほど音場に広がりがあり、音楽に付帯する空気の揺らぎを感じとれる。クラシック音楽を聴くと、あたかも巨大なコンサートホールが出現したかのよう。音像はキリリと引き締まっており、低音は極めてスタビリティが高く、高音はあくまでも透明だ。ボーカルも頭頂部のやや上方にナチュラルに定位するので、長時間でも心地よく楽しめる。こんなサウンドを街に連れだせたら、人生は限りなく豊かになるだろう。
石原 俊氏 プロフィール
慶応義塾大学法学部政治学科卒業。音楽評論とオーディオ評論の二つの顔を持ち、オーディオやカメラなどのメカニズムにも造詣が深い。著書に『いい音が聴きたい − 実用以上マニア未満のオーディオ入門』(岩波アクティブ新書)などがある。
【LINE UP】
edition 8には色違いで3つのラインアップがある。「Ruthenium(ルテニウム)」と「Palladium(パラジウム)」は通常販売されるが、今回レポートした「Limited(リミテッド)」だけは世界に888台のみの限定モデルとなるので、おはやめに!
【限定モデル付属のハードケース】
先行発売のモデルにはマドラスゴートスキンを用いた上質なレザーキャリングバックが付属するが、「Limited」にはより保護機能の高い専用レザーハードケースが付属する。
【ULTRASONEの独自技術】
ウルトラゾーンのヘッドホンには、すべて「S-Logic」と「ULE(Ultra Low Emission)」が採用されている。S-Logicはドライバーユニットを中心から微妙にずらすことで、自然な音像定位と豊かな広がりを感じさせるサウンドを実現するもの。声が頭のなかで定位するなどの違和感が少なく、長時間聴きつづけても疲れにくい。ちなみにedition 8には最新版の「S-Logic Plus」が採用されている。ULEは頭部への電磁波の影響を低減させるためにシールド効果の高い特殊金属「ミューメタル」を配する技術で、電磁波低減効果は最大で98%にも及ぶという。自然な広がりのあるサウンドと身体にやさしい設計を両立させたヘッドホン。それがウルトラゾーンなのだ。
【edition 8 Limited SPECIFICATIONS】
●型式:密閉型 ●ドライバー:40mmチタニアム・マイラー ●周波数特性:6〜42,000Hz ●インピーダンス:30Ω ●質量:約260g(ケーブル除く)
【問い合わせ先】
(株)タイムロード
TEL/03-5758-6070
石原 俊氏 プロフィール
慶応義塾大学法学部政治学科卒業。音楽評論とオーディオ評論の二つの顔を持ち、オーディオやカメラなどのメカニズムにも造詣が深い。著書に『いい音が聴きたい - 実用以上マニア未満のオーディオ入門』 (岩波アクティブ新書)などがある。
3つのバリエーションから選べる魅惑のフラグシップモデル
ULTRASONE(ウルトラゾーン)は1991年に創業したドイツのヘッドホン専業メーカーである。創業者のフロリアン・ケーニッヒ氏はミュージシャンであるとともに、大学時代は電磁波や頭部伝達関数を研究していたという経歴の持ち主だ。ケーニッヒ氏はミュージシャンとして理想のヘッドホンを作るべく、ウルトラゾーンを立ち上げた。ウルトラゾーンのヘッドホンの最大の特徴は「S-Logic」。これはドライバーユニットをイヤーカップの前方にオフセットさせることで、自然な状態に近いサウンドを得る技術だ。もうひとつの特徴は、電磁波低減を狙ったULE(Ultra Low Emission)。頭部に近接して使うヘッドホンの安全性に、いちはやく注目してきた。
この「edition 8」は、そんな同社の集大成となるフラグシップモデルだ。前作の「edition 9」、前々作の「edition 7」がホームユースを意識していたのに対して、本機はアウトドアユースにも最適なつくりとなっている。edition8には3種類の仕様が用意されており、イヤーカップとレザー部の色が異なる。ミラー仕上げの標準モデル「Ruthenium(ルテニウム)」とブラッシュ仕上げの「Palladium(パラジウム)」は、いずれもブラックのエチオピアン・シープスキン・レザーをイヤー/ヘッドパッド部分に贅沢に使用している。そして888台限定の「Limited(リミテッド)」は、ルテニウムのブラッシュ仕上げのイヤーカップにアメリカン・ナットの木部(しかも7層ラッカー塗装!)が埋め込まれている。レザー部分もダークブラウン色となっていて、上質で温かみのあるデザインとなっている。
アウトドアユースに使えるヘッドホンのなかでは、その使用感は極上といっていい。エチオピアン・シープスキン・レザーの感触はすばらしく、いつでも身につけていたくなるほど。イヤーパッドの遮蔽性も高い。
音質もまた、極上である。密閉型のヘッドホンとしては、異例ともいえるほど音場に広がりがあり、音楽に付帯する空気の揺らぎを感じとれる。クラシック音楽を聴くと、あたかも巨大なコンサートホールが出現したかのよう。音像はキリリと引き締まっており、低音は極めてスタビリティが高く、高音はあくまでも透明だ。ボーカルも頭頂部のやや上方にナチュラルに定位するので、長時間でも心地よく楽しめる。こんなサウンドを街に連れだせたら、人生は限りなく豊かになるだろう。
石原 俊氏 プロフィール
慶応義塾大学法学部政治学科卒業。音楽評論とオーディオ評論の二つの顔を持ち、オーディオやカメラなどのメカニズムにも造詣が深い。著書に『いい音が聴きたい − 実用以上マニア未満のオーディオ入門』(岩波アクティブ新書)などがある。
【LINE UP】
edition 8には色違いで3つのラインアップがある。「Ruthenium(ルテニウム)」と「Palladium(パラジウム)」は通常販売されるが、今回レポートした「Limited(リミテッド)」だけは世界に888台のみの限定モデルとなるので、おはやめに!
【限定モデル付属のハードケース】
先行発売のモデルにはマドラスゴートスキンを用いた上質なレザーキャリングバックが付属するが、「Limited」にはより保護機能の高い専用レザーハードケースが付属する。
【ULTRASONEの独自技術】
ウルトラゾーンのヘッドホンには、すべて「S-Logic」と「ULE(Ultra Low Emission)」が採用されている。S-Logicはドライバーユニットを中心から微妙にずらすことで、自然な音像定位と豊かな広がりを感じさせるサウンドを実現するもの。声が頭のなかで定位するなどの違和感が少なく、長時間聴きつづけても疲れにくい。ちなみにedition 8には最新版の「S-Logic Plus」が採用されている。ULEは頭部への電磁波の影響を低減させるためにシールド効果の高い特殊金属「ミューメタル」を配する技術で、電磁波低減効果は最大で98%にも及ぶという。自然な広がりのあるサウンドと身体にやさしい設計を両立させたヘッドホン。それがウルトラゾーンなのだ。
【edition 8 Limited SPECIFICATIONS】
●型式:密閉型 ●ドライバー:40mmチタニアム・マイラー ●周波数特性:6〜42,000Hz ●インピーダンス:30Ω ●質量:約260g(ケーブル除く)
【問い合わせ先】
(株)タイムロード
TEL/03-5758-6070
石原 俊氏 プロフィール
慶応義塾大学法学部政治学科卒業。音楽評論とオーディオ評論の二つの顔を持ち、オーディオやカメラなどのメカニズムにも造詣が深い。著書に『いい音が聴きたい - 実用以上マニア未満のオーディオ入門』 (岩波アクティブ新書)などがある。