公開日 2012/03/30 11:01
エプソン“MOVERIO”モニターレポート【第3回】 ー すっきりとした3D映像が体験できる
3D/2Dの映像をとことん楽しんでみた
エプソンのシースルーモバイルビューアー“MOVERIO”「BT-100」のモニターレポート企画の最終回となる今回は、島根県・原様からいただいたレポートをご紹介します。
「すっきりとした3D映像が体験できる」
(島根県/原様)
昨年末に開催された、エプソンの「3Dプロジェクター1万人体験イベント」の広島会場で、シースルーモバイルビューアー“MOVERIO”も体験できると勘違いして(大きな会場のみだったようです)、残念な思いをしたので、今回はPhile-webの企画に応募したところ、見事にモニターユーザーに当選することができましたので、本機を色々と使用した感想をレポートします。
第一印象
商品が届いてパッケージを開封した時、まずはそのデザインが強く印象に残りました。グラス前面のシェードを取ると、前面のパネルがすべて透明で、ここに映像が映されることがとても不思議に感じました。グラスの左右フレームはやや厚みがあり、ツルの真ん中ぐらいから折り畳んで収納できるようになっています。ツルを折り畳んだ本体は、上から見ると長方形のようなかたちになり、少し収納にはスペースが必要です。持ち運びの際には専用のキャリングケースを使うべきだと思います。
使用感
さっそくかけてみると、眼鏡の上からだとMOVERIO本体がぶつかって、うまく装着できませんでした。マニュアルを確認すると眼鏡の上に装着する場合は、鼻パッドを取り、付属のメガネフックを取り付けて使うことが推奨されていました。最適なかけ心地を得るためには、何回かメガネフックの取り付け位置を調節する必要がありました。メガネフックは眼鏡のフレームに上から乗せるような形になっていて、眼鏡の形状やサイズによっては装着ができない場合もあるようです。
本体を装着した時のフィット感は、軽く頭部の両側から挟まれている感じがありますが、安定しています。ただ、長時間使用していると、本体の重さのせいか、眼鏡といっしょに少しずれることがありました。眼鏡の方は、眼鏡の“鼻あて”で支えるかたちになるので、少しずれやすくなるかもしれません。メガネを外した状態で、鼻パッドによる装着感も試してみましたが、こちらは専用設計の鼻パッドのおかげで、しっかりと安定しました。
操作性
本体の電源をいれると、私が持っているAndroidタブレットと同じようにロックを外す画面が表示されたので、トラックパッドのスライド操作で解除しようとしましたが、思うようにロックが外れません。マニュアルをよく読むと、ドラッグ(トラックパッドをタッチしたままに)してスライドする必要があるようです。普段Android端末を使っている人にとって、最初はこの操作に戸惑うかもしれません。
MOVERIOの操作全般はコントローラーのタッチパッドと十字キーで行いますが、グラスの側の画面を見ながら、手元のタッチパッドを操作する感覚には最初少し戸惑いました。けれども、少し使い込んでみると、初めてパソコンのトラックパッドを使った時と同じで、すぐに慣れることができました。ただ、無線LANのパスワードなど長い文字列を入力する必要がある場合は、他のスマートフォンと同じように無線のキーボードが接続できたほうが便利かもしれません。
映像の印象
2.5mで40インチの画面が再現されるとの説明があったので、家のテレビと見比べてみました。シースルーを活かして、グラス越しに40インチの液晶テレビと画面を重ね合わせてみると、確かに同じサイズで見ることができました。少し後ろに下がって見ると、今度は画面が大きくなったように感じられて不思議です。画面は目の前に大画面が広がるというよりは、映画館の少し後ろの方からスクリーンを見ているような、少し離れたところから大画面を視聴する感覚です。
本機を装着したままノートPCの画面を見ると、13.3インチのPCの画面よりも小さく見えました。シースルーなので、遠近両用メガネのように、上目でMOVERIOの画面を見ながら、下目でPC画面を見るといった具合に、「2画面」で使用しても面白そうです。
動画再生
MOVERIOはブルーレイプレーヤーなど、外部機器との接続ができないようで、今回はSDメモリーカードに入れてすぐに視聴できるような映像ソースが手元になかったため、インターネットに接続してYouTube動画を再生してみました。
映像は非常に美しく、昔のHMDにあったような液晶のドット感は全くありませんでした。シースルーの見え方については画面が明るいので、野外でシェードを外して使うような用途でなければ、明るさについては問題ないと思います。ただし、よりいっそう画面に集中して見たい時のために、オプションで画面を“真っ暗にできるシェード”があっても良かったと思います。
3D動画の再生
3D動画再生への対応はサイドバイサイド方式のみとなっており、3Dの対応方式は今後もっと増やしてほしいと思いました。YouTubeに公開されている3D動画も視聴してみました。映画『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』の予告編や、LG Cinema 3D Demo Clipsなどを再生してみましたが、私が使っている3Dプロジェクター「EH-TW6000」と比較しても、原理的にクロストークが発生せず、すっきりとした映像に仕上がっていました。立体感に関しては、本機の全般的な映像の視聴感について書いたように、少し離れたところにスクリーンが見えるような視聴感であるため、目の前に飛び出してくるような感覚は弱く感じました。
サウンドについて
音声は本体の左右両方の耳の近くの部分にミニピン端子があり、付属のインナーイヤーヘッドホンが取り付けられるようになっています。また、別途コントローラー部にもステレオミニ入力があり、市販のヘッドホンを取り付けて楽しむこともできるようになっています。
専用のヘッドホンを使う場合は、MOVERIOを外すとき、先に耳からヘッドホンを外す必要があり、少し煩わしく感じることもありました。使い勝手を考えると、ヘッドホン部分を本体のツルと一体構造にすることも検討してほしいところです。音質に関しては素晴らしく、ヘッドホンで聞いているとは思えないほど立体感があり、低音もよく響いていました。
今後のへの期待と要望
今回のMOVERIO「BT-100」については、エプソンのスタンドアローン型という開発コンセプトがあるためとは思いますが、やはり私としては外部接続(HDMI)は搭載してほしかったと感じました。現在エプソンのプロジェクター「EH-TW6000」を使用して、ブルーレイ3DやBSの3D放送を視聴したり、PS3の3Dゲームを楽しんでいますが、480Hz駆動でもやはりクロストークが完全になくなっているわけではありません。ヘッドマウントタイプのディスプレイならではの、クロストークのない大画面3Dは魅力だと思います。
また、スマートフォンやタブレットを多くの人が使っている現在、普段使っているAndroid端末やiOS端末とつなぐことが今後できるようになれば、そのメリットは大きいと思います。今後の展開に期待したいと思います。
「すっきりとした3D映像が体験できる」
(島根県/原様)
昨年末に開催された、エプソンの「3Dプロジェクター1万人体験イベント」の広島会場で、シースルーモバイルビューアー“MOVERIO”も体験できると勘違いして(大きな会場のみだったようです)、残念な思いをしたので、今回はPhile-webの企画に応募したところ、見事にモニターユーザーに当選することができましたので、本機を色々と使用した感想をレポートします。
第一印象
商品が届いてパッケージを開封した時、まずはそのデザインが強く印象に残りました。グラス前面のシェードを取ると、前面のパネルがすべて透明で、ここに映像が映されることがとても不思議に感じました。グラスの左右フレームはやや厚みがあり、ツルの真ん中ぐらいから折り畳んで収納できるようになっています。ツルを折り畳んだ本体は、上から見ると長方形のようなかたちになり、少し収納にはスペースが必要です。持ち運びの際には専用のキャリングケースを使うべきだと思います。
使用感
さっそくかけてみると、眼鏡の上からだとMOVERIO本体がぶつかって、うまく装着できませんでした。マニュアルを確認すると眼鏡の上に装着する場合は、鼻パッドを取り、付属のメガネフックを取り付けて使うことが推奨されていました。最適なかけ心地を得るためには、何回かメガネフックの取り付け位置を調節する必要がありました。メガネフックは眼鏡のフレームに上から乗せるような形になっていて、眼鏡の形状やサイズによっては装着ができない場合もあるようです。
本体を装着した時のフィット感は、軽く頭部の両側から挟まれている感じがありますが、安定しています。ただ、長時間使用していると、本体の重さのせいか、眼鏡といっしょに少しずれることがありました。眼鏡の方は、眼鏡の“鼻あて”で支えるかたちになるので、少しずれやすくなるかもしれません。メガネを外した状態で、鼻パッドによる装着感も試してみましたが、こちらは専用設計の鼻パッドのおかげで、しっかりと安定しました。
操作性
本体の電源をいれると、私が持っているAndroidタブレットと同じようにロックを外す画面が表示されたので、トラックパッドのスライド操作で解除しようとしましたが、思うようにロックが外れません。マニュアルをよく読むと、ドラッグ(トラックパッドをタッチしたままに)してスライドする必要があるようです。普段Android端末を使っている人にとって、最初はこの操作に戸惑うかもしれません。
MOVERIOの操作全般はコントローラーのタッチパッドと十字キーで行いますが、グラスの側の画面を見ながら、手元のタッチパッドを操作する感覚には最初少し戸惑いました。けれども、少し使い込んでみると、初めてパソコンのトラックパッドを使った時と同じで、すぐに慣れることができました。ただ、無線LANのパスワードなど長い文字列を入力する必要がある場合は、他のスマートフォンと同じように無線のキーボードが接続できたほうが便利かもしれません。
映像の印象
2.5mで40インチの画面が再現されるとの説明があったので、家のテレビと見比べてみました。シースルーを活かして、グラス越しに40インチの液晶テレビと画面を重ね合わせてみると、確かに同じサイズで見ることができました。少し後ろに下がって見ると、今度は画面が大きくなったように感じられて不思議です。画面は目の前に大画面が広がるというよりは、映画館の少し後ろの方からスクリーンを見ているような、少し離れたところから大画面を視聴する感覚です。
本機を装着したままノートPCの画面を見ると、13.3インチのPCの画面よりも小さく見えました。シースルーなので、遠近両用メガネのように、上目でMOVERIOの画面を見ながら、下目でPC画面を見るといった具合に、「2画面」で使用しても面白そうです。
動画再生
MOVERIOはブルーレイプレーヤーなど、外部機器との接続ができないようで、今回はSDメモリーカードに入れてすぐに視聴できるような映像ソースが手元になかったため、インターネットに接続してYouTube動画を再生してみました。
映像は非常に美しく、昔のHMDにあったような液晶のドット感は全くありませんでした。シースルーの見え方については画面が明るいので、野外でシェードを外して使うような用途でなければ、明るさについては問題ないと思います。ただし、よりいっそう画面に集中して見たい時のために、オプションで画面を“真っ暗にできるシェード”があっても良かったと思います。
3D動画の再生
3D動画再生への対応はサイドバイサイド方式のみとなっており、3Dの対応方式は今後もっと増やしてほしいと思いました。YouTubeに公開されている3D動画も視聴してみました。映画『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』の予告編や、LG Cinema 3D Demo Clipsなどを再生してみましたが、私が使っている3Dプロジェクター「EH-TW6000」と比較しても、原理的にクロストークが発生せず、すっきりとした映像に仕上がっていました。立体感に関しては、本機の全般的な映像の視聴感について書いたように、少し離れたところにスクリーンが見えるような視聴感であるため、目の前に飛び出してくるような感覚は弱く感じました。
サウンドについて
音声は本体の左右両方の耳の近くの部分にミニピン端子があり、付属のインナーイヤーヘッドホンが取り付けられるようになっています。また、別途コントローラー部にもステレオミニ入力があり、市販のヘッドホンを取り付けて楽しむこともできるようになっています。
専用のヘッドホンを使う場合は、MOVERIOを外すとき、先に耳からヘッドホンを外す必要があり、少し煩わしく感じることもありました。使い勝手を考えると、ヘッドホン部分を本体のツルと一体構造にすることも検討してほしいところです。音質に関しては素晴らしく、ヘッドホンで聞いているとは思えないほど立体感があり、低音もよく響いていました。
今後のへの期待と要望
今回のMOVERIO「BT-100」については、エプソンのスタンドアローン型という開発コンセプトがあるためとは思いますが、やはり私としては外部接続(HDMI)は搭載してほしかったと感じました。現在エプソンのプロジェクター「EH-TW6000」を使用して、ブルーレイ3DやBSの3D放送を視聴したり、PS3の3Dゲームを楽しんでいますが、480Hz駆動でもやはりクロストークが完全になくなっているわけではありません。ヘッドマウントタイプのディスプレイならではの、クロストークのない大画面3Dは魅力だと思います。
また、スマートフォンやタブレットを多くの人が使っている現在、普段使っているAndroid端末やiOS端末とつなぐことが今後できるようになれば、そのメリットは大きいと思います。今後の展開に期待したいと思います。