公開日 2012/05/14 12:22
【第1回】ゼンハイザーの大注目ヘッドホン「HD700」を早速ガッツリ聴く!
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
■フラグシップ「HD800」を遠く感じていたあなたに待望の一台が登場
「ぶっちゃけ HD800 は高すぎて買えない。HD800に投入された技術を受け継ぎつつ、価格を下げたモデルは出ないのか…。いや、出るよね? いつ? 型番はやっぱ HD700!?」
お待たせしました! ご推察の通り「HD700」です!
…というわけで、待望のゼンハイザー HD700だ。「春のヘッドホン祭2012」で一般にも披露された(関連ニュース)。型番からも外観からも明らかなように、同社のフラグシップモデル HD800直系の一品である。
気になる値段だが、現時点では現地価格999.95ドルと発表されているのみで、国内での実売価格は明らかにされていない。しかしヘッドホン祭で同社スタッフより「アメリカでは約10万円程度の販売価格も示されているようだが、日本国内ではそこまでいかないぐらいに頑張りたい」とのコメントもあり、HD800の16万円と比べると、より手を伸ばしやすい価格帯になるであろうことは確かだ。
HD700の購入を現実的に検討中の方もおられるだろう。以下より、早速その細部や実力を詳しくお伝えしていきたい。
■HD800の設計思想を受け継ぎながらも小柄になっているボディ
実物を見ての第一印象は、写真から想像していたより一回り小柄。HD800は相当に大柄で「俺がフラッグシップだ!」的な威圧感があったが、こちらは大型ヘッドホンとして一般的な大きさの範疇だ。
基本的なデザインはHD800を継承している。そもそもHD800のデザインは、技術面から導き出された部分も多い。つまり、HD800から技術を受け継ぐのであれば、必然的にデザインも受け継がれるわけだ。
特に顕著なのは、開放型ヘッドホンの外装の醍醐味とも言えるハウジング背面の開口部分だ。このあたりはまさにHD800と同じ。一見すると中央部のみが開口されているが、実はその周囲の三分割された銀色の部分も極めて目の細かいメッシュとなっており、素材は薄い金属で、精密に加工されている。
この「極めて目の細かい」部分がポイントだろう。目の粗いメッシュとは空気の抜け方が異なる。音に大きく関わってくるのだ。
ハウジングに内蔵されるドライバーユニットは口径40mm。HD800の大口径56mmリング振動板と比較すると一般的な大きさだが、40mmは多くの大型ヘッドホンで採用されており、現実的にバランスの良い口径だ。
ユニットには新開発の「SYS 40mm トランスデューサー」を採用し、「Ventilated Magnet System」という技術を導入している。これは、磁石の配置を工夫してハウジング内部により好ましい空気の流れを作り出し、ドライバーの不要共振を抑制することで、音の歪みを低減させる。
もちろんケーブルは着脱式で、端子形状は2.5mmのミニミニプラグのようだ。ケーブル表面は繊維素材でカバーされており、太さの割にしなやか。サードパーティからの交換品も登場するだろうことが予想され、期待できる。
その他の細かなところも、モノとしての仕上げはHD800に大きくは劣らない印象である。ハウジング等の大部分はHD800のそれに近い特性の樹脂素材を採用しており、艶を控えた質感で「安っぽさ」もない。ヘッドバンドは革かそれに近い人工素材にシボ加工を施し、吸い付くような手触りだ。そこにゼンハイザーのロゴが立体的に描き込まれている。…いい感じだ。
では、いよいよ…装着…!
!? この装着感は… HD800!?
「ぶっちゃけ HD800 は高すぎて買えない。HD800に投入された技術を受け継ぎつつ、価格を下げたモデルは出ないのか…。いや、出るよね? いつ? 型番はやっぱ HD700!?」
お待たせしました! ご推察の通り「HD700」です!
…というわけで、待望のゼンハイザー HD700だ。「春のヘッドホン祭2012」で一般にも披露された(関連ニュース)。型番からも外観からも明らかなように、同社のフラグシップモデル HD800直系の一品である。
気になる値段だが、現時点では現地価格999.95ドルと発表されているのみで、国内での実売価格は明らかにされていない。しかしヘッドホン祭で同社スタッフより「アメリカでは約10万円程度の販売価格も示されているようだが、日本国内ではそこまでいかないぐらいに頑張りたい」とのコメントもあり、HD800の16万円と比べると、より手を伸ばしやすい価格帯になるであろうことは確かだ。
HD700の購入を現実的に検討中の方もおられるだろう。以下より、早速その細部や実力を詳しくお伝えしていきたい。
■HD800の設計思想を受け継ぎながらも小柄になっているボディ
実物を見ての第一印象は、写真から想像していたより一回り小柄。HD800は相当に大柄で「俺がフラッグシップだ!」的な威圧感があったが、こちらは大型ヘッドホンとして一般的な大きさの範疇だ。
基本的なデザインはHD800を継承している。そもそもHD800のデザインは、技術面から導き出された部分も多い。つまり、HD800から技術を受け継ぐのであれば、必然的にデザインも受け継がれるわけだ。
特に顕著なのは、開放型ヘッドホンの外装の醍醐味とも言えるハウジング背面の開口部分だ。このあたりはまさにHD800と同じ。一見すると中央部のみが開口されているが、実はその周囲の三分割された銀色の部分も極めて目の細かいメッシュとなっており、素材は薄い金属で、精密に加工されている。
この「極めて目の細かい」部分がポイントだろう。目の粗いメッシュとは空気の抜け方が異なる。音に大きく関わってくるのだ。
ハウジングに内蔵されるドライバーユニットは口径40mm。HD800の大口径56mmリング振動板と比較すると一般的な大きさだが、40mmは多くの大型ヘッドホンで採用されており、現実的にバランスの良い口径だ。
ユニットには新開発の「SYS 40mm トランスデューサー」を採用し、「Ventilated Magnet System」という技術を導入している。これは、磁石の配置を工夫してハウジング内部により好ましい空気の流れを作り出し、ドライバーの不要共振を抑制することで、音の歪みを低減させる。
もちろんケーブルは着脱式で、端子形状は2.5mmのミニミニプラグのようだ。ケーブル表面は繊維素材でカバーされており、太さの割にしなやか。サードパーティからの交換品も登場するだろうことが予想され、期待できる。
その他の細かなところも、モノとしての仕上げはHD800に大きくは劣らない印象である。ハウジング等の大部分はHD800のそれに近い特性の樹脂素材を採用しており、艶を控えた質感で「安っぽさ」もない。ヘッドバンドは革かそれに近い人工素材にシボ加工を施し、吸い付くような手触りだ。そこにゼンハイザーのロゴが立体的に描き込まれている。…いい感じだ。
では、いよいよ…装着…!
!? この装着感は… HD800!?