公開日 2012/06/11 10:23
【レビュー】手軽に良い音を楽しめる「ヘッドホンアンプ」に注目。オーディオテクニカ「AT-HA26D」を試す
ヘッドホンは外だけで使うもの、と思っている方! 実はヘッドホンは、人目を気にすることなく思い切り音楽を楽しめる、家でも大活躍するアイテムなのです。そんなヘッドホンの音を簡単にグレードアップしてくれる「ヘッドホンアンプ」を、野村ケンジ氏がレポートします。
“シンプルなシステム”で“良質なサウンド”を
提供してくれるヘッドホンアンプに注目
家でヘッドホンを“よりよい”音で聴くために活用するヘッドホンアンプは、オーディオファンにとってもかなりマニアックなアイテムに思えることだろう。しかしイマドキは、そんなヘッドホンアンプにも、高い注目が集まっていたりする。
というのは、もちろん昨今のヘッドホンブームにより分母が広がってくるとともに、使われ方も多様化し、自宅でも“ヘッドホン”をメインの再生機器として活用しているユーザーが増えてきたのだ。確かに、皆が皆、自宅で大音量で音楽を楽しむ訳にはいかない。ご近所に騒音を気にする人はずいぶんと増えたし、ある程度の環境を整えていたとしても、仕事から帰宅した夜遅くに大きな音を出すのは、家族などの手前憚られるということも事実。シチュエーションを選ばず、人の目を気にすることなく思いっきり音楽を楽しめるという点で、ヘッドホンはなかなかに素敵なアイテムだったりするのだ。
しかしながら、ヘッドホンを聴くためだけにプリメインアンプの電源を入れるのは何とも無駄だし、テレビやPCのイヤホンジャック直では、どんな高級ヘッドホンも宝の持ち腐れになってしまう。そんなときに役立つのが、ヘッドホンアンプなのだ。
オーディオテクニカの「AT-HA26D」も、“シンプルなシステム”で“良質なサウンド”を提供してくれるヘッドアンプならではの魅力を持つ製品のひとつだ。高品位コンデンサーや高音質オペアンプなどの厳選パーツや、高剛性アルミ合金ボディ、ダイキャストフロントパネルなどによる不要振動の徹底排除などにより、ハイクォリティなサウンドを提供してくれる。また、192kHz/24bit対応のDACを搭載している点にも注目。光デジタル入力端子を活用することでハイレゾ音源の再生が可能となるほか、リアパネルにあるアナログRCA出力を使えば、単体DACとしても活用することができる。そういった、ヘッドホンアンプとしてのサウンドや機能性を重要視しつつも、単なる単機能製品にとどまらないのが、「AT-HA26D」ならではのアドバンテージといえる。
光デジタル入力を備え、ハイレゾ音源試聴も堪能できる
とはいえ、いちばん肝心なのは、やはりヘッドホンアンプとしての実力の高さだろう。それを確認すべく、オーディオテクニカ製のヘッドホン「ATH-A900X」を使って試聴を行ってみたところ、これがなかなかに好感触だった。美音、という表現を使いたくなるような、端正で整然とした、ジェントルなサウンドを聴かせてくれるのだ。また、ヘッドホンアンプの真骨頂といえる部分、低域側のドライブ力がかなりしっかりとしている点も好ましい。芯のしっかりした解像度感の高い低域が、全体のニュアンス表現を高めてくれていて、音楽が普段よりもずいぶんと躍動的に聞こえる。このノリの良さは大いに魅力だ。
いっぽう、光デジタル入力を使ってハイレゾ音源を聴いてみると、こちらもなかなかに良かった。高域の倍音成分の揃いが良くなるためかずいぶんとストレスのない、伸びやかな響きとなり、空間的な広がりも一段とスムーズになってくれる。アナログ入力もクォリティは高いが、デジタル入力+ハイレゾ音源の気持ちよさ、音のピュアさはまた格別。これぞ「AT-HA26D」ならではの魅力だ。わざわざヘッドホンアンプを使う価値を十分に見いだせる、優れた製品であることは断言しよう。
(レビュー:野村ケンジ)
“シンプルなシステム”で“良質なサウンド”を
提供してくれるヘッドホンアンプに注目
家でヘッドホンを“よりよい”音で聴くために活用するヘッドホンアンプは、オーディオファンにとってもかなりマニアックなアイテムに思えることだろう。しかしイマドキは、そんなヘッドホンアンプにも、高い注目が集まっていたりする。
というのは、もちろん昨今のヘッドホンブームにより分母が広がってくるとともに、使われ方も多様化し、自宅でも“ヘッドホン”をメインの再生機器として活用しているユーザーが増えてきたのだ。確かに、皆が皆、自宅で大音量で音楽を楽しむ訳にはいかない。ご近所に騒音を気にする人はずいぶんと増えたし、ある程度の環境を整えていたとしても、仕事から帰宅した夜遅くに大きな音を出すのは、家族などの手前憚られるということも事実。シチュエーションを選ばず、人の目を気にすることなく思いっきり音楽を楽しめるという点で、ヘッドホンはなかなかに素敵なアイテムだったりするのだ。
しかしながら、ヘッドホンを聴くためだけにプリメインアンプの電源を入れるのは何とも無駄だし、テレビやPCのイヤホンジャック直では、どんな高級ヘッドホンも宝の持ち腐れになってしまう。そんなときに役立つのが、ヘッドホンアンプなのだ。
オーディオテクニカの「AT-HA26D」も、“シンプルなシステム”で“良質なサウンド”を提供してくれるヘッドアンプならではの魅力を持つ製品のひとつだ。高品位コンデンサーや高音質オペアンプなどの厳選パーツや、高剛性アルミ合金ボディ、ダイキャストフロントパネルなどによる不要振動の徹底排除などにより、ハイクォリティなサウンドを提供してくれる。また、192kHz/24bit対応のDACを搭載している点にも注目。光デジタル入力端子を活用することでハイレゾ音源の再生が可能となるほか、リアパネルにあるアナログRCA出力を使えば、単体DACとしても活用することができる。そういった、ヘッドホンアンプとしてのサウンドや機能性を重要視しつつも、単なる単機能製品にとどまらないのが、「AT-HA26D」ならではのアドバンテージといえる。
光デジタル入力を備え、ハイレゾ音源試聴も堪能できる
とはいえ、いちばん肝心なのは、やはりヘッドホンアンプとしての実力の高さだろう。それを確認すべく、オーディオテクニカ製のヘッドホン「ATH-A900X」を使って試聴を行ってみたところ、これがなかなかに好感触だった。美音、という表現を使いたくなるような、端正で整然とした、ジェントルなサウンドを聴かせてくれるのだ。また、ヘッドホンアンプの真骨頂といえる部分、低域側のドライブ力がかなりしっかりとしている点も好ましい。芯のしっかりした解像度感の高い低域が、全体のニュアンス表現を高めてくれていて、音楽が普段よりもずいぶんと躍動的に聞こえる。このノリの良さは大いに魅力だ。
いっぽう、光デジタル入力を使ってハイレゾ音源を聴いてみると、こちらもなかなかに良かった。高域の倍音成分の揃いが良くなるためかずいぶんとストレスのない、伸びやかな響きとなり、空間的な広がりも一段とスムーズになってくれる。アナログ入力もクォリティは高いが、デジタル入力+ハイレゾ音源の気持ちよさ、音のピュアさはまた格別。これぞ「AT-HA26D」ならではの魅力だ。わざわざヘッドホンアンプを使う価値を十分に見いだせる、優れた製品であることは断言しよう。
(レビュー:野村ケンジ)