• ブランド
    特設サイト
公開日 2013/01/15 11:04

DSD対応USB-DAC一斉レビュー<第4回>ティアック「UD-501」

大本命7モデルを野村ケンジが一斉テスト
取材・執筆/野村ケンジ
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
DSD対応USB-DACを7モデルにわたって一斉試聴する今回の企画。第4回目は、そのデザインと、PCM 384kHz/32bit、DSD 2.8MHz/5.6MHz再生への対応で注目を集めるティアックの「UD-501」(関連ニュース)をレビューする。

※第1回 ラトック「RAL-DSDHA1」「RAL-DSDHA2」のレビューは(こちら
※第2回 コルグ「DS-DAC-10」のレビューは(こちら
※第3回 フォステクス「HP-A8」のレビューは(こちら


■PCM 384kHz/32bit、DSD 2.8MHz/5.6MHz再生にも対応の「UD-501」

2011年にはデスクトップオーディオをメインターゲットとしたコンパクト・コンポーネント「Reference 01」シリーズをデビューさせたティアック。この冬は、上位モデルとなる「Reference 501」シリーズが登場した。プリメインアンプからヘッドホンアンプ、CDプレーヤーまで幅広いバリエーションをとりそろえる中、最新スペックを誇るUSB-DACとしてラインナップされたのがこの「UD-501」だ。

「UD-501」(¥115,500)

業務用モデルを意識したサイドパネルも好評を集めている

シリーズ共通となるヘアライン処理が施されたブラックカラーのボディを、シルバーのアルミ製サイドパネルで挟み込むスタイルは、一見するとプロフェッショナル機器をモチーフにしたように見える。だが、角を丁寧に処理した仕上がりや、フロントパネルの重厚さ、凝ったデザインのボリュームなど、全体の佇まいはコンシューマー向け上級モデルならではの上質感が漂う。なお、ボディカラーはブラックの他にシルバーも用意されている。

「UD-501」の最大のアピールポイントと言えば、やはりその内部に収められているシステムだ。PC用のUSB入力は、DACにバー・ブラウン製PCM1795をチョイスすることで最高384kHz/32bitのリニアPCM再生に加え、DSD2.8MHz/5.6MHz再生にも対応。加えて同軸デジタル2系統、光デジタル1系統の入力も用意し、デジタルプリアンプとしても活用できるようになっている。一方でアナログ出力は、XLRバランスとRCAアンバランスの2系統を搭載。フロントパネルにはヘッドホン出力も用意され、幅広いシステムに対応する充実した機能性を持ち合わせている。

本体背面部

ヘッドホン出力も搭載している

さらに驚きなのが、左右チャンネルの干渉を防ぐ「デュアルモノーラル構成」を採用していることだ。回路はもちろん、各チャンネルにそれぞれDAC(PCM1795)やオペアンプ(MUSES8920)を配置、さらにトロイダルコアトランスも2基搭載して電源部もチャンネルごとにセパレートしているのだという。さすがティアックと言いたくなる、徹底的なこだわりようだ。

ハイレゾ音源を再生ソースに実際の音を聴いてみると、確かに徹底したチャンネルセパレーションが功を奏しているようで、ダイナミックレンジがとてつもなく幅広い、S/N感の良好なサウンドが楽しめる。フルオーケストラの演奏は、抑揚が豊かで迫力があり、細やかな部分までしっかりと伝わってくるので、演奏がとてもリアルに感じられる。

ただし、フォーカス感が今ひとつ垢抜けないというか、音にわずかな付帯音があるようにも感じられたので、付属の足の下に金属製のインシュレーターを置いてみたところ、不満点が一気に解消。フォーカス感が高く、キレの良いサウンドに生まれ変わってくれた。特に低域が付帯音のない締まった音に変わり、ジャズやハードロックなどのグルーヴ感もずいぶんと高まった。逆に、この音だと「低域がゴリゴリ硬すぎる」と感じる人がいるかもしれない。幸い「UD-501」付属の足はネジ1本で簡単に外れるようになっているので、好みに合わせていろいろ試してみるのもいいだろう。

再生中のフォーマットが本体に表示される

続いてDSD音源を再生してみる。こちらもなかなかに良い。DSDならではの密度感の高い丁寧なサウンドが、見事に再現されている。ダイナミックレンジの幅広さでは、リニアPCMのハイレゾ音源に軍配を上げたくなる面もあるが、逆に捉えればPCMもDSDもその特徴がしっかりと引き出されているということ。現在のようなCDリッピング音源からDSD音源まで様々なフォーマットが混在する状況では、ありのままをストレートに再現しようとするなら、「UD-501」のような素直なキャラクターが望ましいかもしれない。

同社製専用プレーヤーソフト「TEAC HR AUDIO PLAYER」の完成度も高い

なお、「UD-501」には専用プレーヤーとして「TEAC HR AUDIO PLAYER」が用意されている。こちらはWindows(Vista以降)とMac、両OSに対応している上、DSD再生時に問題となるプレイヤー設定の煩雑さもパスできるため、とても便利だ。「UD-501」導入の際は、こちらを活用するのが得策と言える。

【執筆者プロフィール】
野村ケンジ
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
2 連載:世界のオーディオブランドを知る(3)日本発ブランドの象徴「デノン」の歴史を紐解く
3 ボーズ、ながら聴きTWS「Bose Ultra Open Earbuds」にさらに新色。計7色のカラバリを用意
4 FX-AUDIO-、ヘッドホンアンプ/プリアンプとしても使えるコンパクトDAC「DAC-T3J」。税込7480円
5 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.1】10000円未満のオススメは?
6 日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!
7 BenQ、ノングレアIPSパネル搭載のプログラミング向け31.5型4Kモニター「RD320U」
8 e☆イヤホン、2025年「福耳袋」を12/20から順次販売開始。スタッフセレクト袋や100万円の「超福耳袋」も
9 装着性が向上してさらに進化! “ハイルドライバー” AMT搭載のオープン型ヘッドホン「HEDDphone TWO」を聴く
10 【インタビュー】エソテリックとティアック、進化し続ける2ブランド。世界にアピールする技術力でオーディオを推進
12/18 9:21 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX