公開日 2013/02/19 15:48
ゼンハイザーのフラグシップ「HD 800」の実力を改めて知る
スーパーハイエンドヘッドホンの先駆け
ゼンハイザーのフラッグシップモデルとして、2009年に発売されたヘッドホンが「HD 800」である。本機は、現在ではカテゴリーとして確立した“スーパー・ハイエンド・ヘッドホン”の先駆けとなった製品であり、ハイクラスモデルの「HD 650」をさらに上回る高音質を実現した、挑戦的な内容のヘッドホンである。
■56mmの超大型振動板を搭載
最大の特長は「56mm口径」という超大型・振動板を搭載したことだ。中央部をくり抜いたリング形状と、精密な表面加工によって、超大口径でありながら余計な歪みを抑え込むことに成功している。フレームやハウジングには、振動の収まりが良い特殊な樹脂素材も導入。その成型の自由度を活かしたのであろう、未来的なデザインも強いインパクトがある。
本機もサイズが大型でありながら、手に取ってみると非常に軽量なことに驚く。また、大口径振動板を包み込むイヤーカップも大型で、イヤーパッドはユーザーの耳全体を、余裕を持ってすっぽりと覆う。そのため装着時の圧迫感は非常に少なく、長時間のリスニングでも快適さが失われることはない。もちろん、「HD 800」も着脱式のケーブルを採用している。
■音楽のあるべきかたちを自然に再現する
「HD 800」は空間の広さと見通しの良さが、さらに一段と優れている。音と音の間の“余白”の残し方と、静音部分の澄み切った美しさは、他のヘッドホンでは到達できないレベルにある。
帯域のバランスは見事にフラット。ジャズのウッドベースは余計な重量感を出さず、素直な音色を軽やかな厚みを持たせつつ描き出す。量感を強調し過ぎずに、しかも強い存在感を備えながら、音楽としてあるべき場所にすっと収まってくれる。
スネアドラムのスナッピー(共鳴弦)のディテール感、シンバルのキレなど、高域が自然な解像感を備えていることも魅力的だ。ピアノの音色の角を、絶妙に落とした滑らかさも好ましい。
ポップスのエレクトリックベースの音色には、むやみに派手な迫力とは異なった、内包する力強さが込められている。低音の立ち上がり・立ち下がりは、本機でもやはり素晴らしく、スタッカートは「HD 650」よりもさらにスパッと爽快に決まる印象だ。ボーカルは「HD 650」に比べるとシャープだが、それは全く気に障らない類のシャープさであり、とことんまでに心地よい。
(高橋敦)
■56mmの超大型振動板を搭載
最大の特長は「56mm口径」という超大型・振動板を搭載したことだ。中央部をくり抜いたリング形状と、精密な表面加工によって、超大口径でありながら余計な歪みを抑え込むことに成功している。フレームやハウジングには、振動の収まりが良い特殊な樹脂素材も導入。その成型の自由度を活かしたのであろう、未来的なデザインも強いインパクトがある。
本機もサイズが大型でありながら、手に取ってみると非常に軽量なことに驚く。また、大口径振動板を包み込むイヤーカップも大型で、イヤーパッドはユーザーの耳全体を、余裕を持ってすっぽりと覆う。そのため装着時の圧迫感は非常に少なく、長時間のリスニングでも快適さが失われることはない。もちろん、「HD 800」も着脱式のケーブルを採用している。
■音楽のあるべきかたちを自然に再現する
「HD 800」は空間の広さと見通しの良さが、さらに一段と優れている。音と音の間の“余白”の残し方と、静音部分の澄み切った美しさは、他のヘッドホンでは到達できないレベルにある。
帯域のバランスは見事にフラット。ジャズのウッドベースは余計な重量感を出さず、素直な音色を軽やかな厚みを持たせつつ描き出す。量感を強調し過ぎずに、しかも強い存在感を備えながら、音楽としてあるべき場所にすっと収まってくれる。
スネアドラムのスナッピー(共鳴弦)のディテール感、シンバルのキレなど、高域が自然な解像感を備えていることも魅力的だ。ピアノの音色の角を、絶妙に落とした滑らかさも好ましい。
ポップスのエレクトリックベースの音色には、むやみに派手な迫力とは異なった、内包する力強さが込められている。低音の立ち上がり・立ち下がりは、本機でもやはり素晴らしく、スタッカートは「HD 650」よりもさらにスパッと爽快に決まる印象だ。ボーカルは「HD 650」に比べるとシャープだが、それは全く気に障らない類のシャープさであり、とことんまでに心地よい。
(高橋敦)