公開日 2013/07/09 14:14
リアルな重低音とクリアな中高域を両立したヘッドホン・JVC“HA-SZ”誕生
【特別企画】エポックメイキングな手法を採用した注目モデルをレビュー
エポックメイキングな手法で
ヘッドホンの難題をクリア!
低音から高音まで、素直でストレートなサウンドを再現するのがヘッドホンの理想だが、口径の小さなドライバー1基ですべての音を賄わなければならないため、とくに低域と高域の両立はきわめて難しいとされていた。それをスピーカー技術を用いたエポックメイキングな手法で解決し、リアルな重低音とクリアな中高域を両立したのが、JVCの「HA-SZ1000」だ。
【SPEC】 ●型式:ダイナミック型 ●ドライバー口径:55mm(重低音用)/30mm(中高音用) ●再生周波数帯域:5〜33,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●ケーブルの長さ:約1.2m ●質量:450g(ケーブル含まず) ●付属品:キャリングポーチ
そのハウジング内部には、口径30mmのカーボンナノチューブ振動板を採用した中高域用ドライバーと、大口径55mmのカーボン振動板を採用した低域用ドライバーを搭載。低域用ドライバーから放たれた音を、2つのチャンバー(空気室)を通過させることで深みのある低域成分へと昇華させる「ストリームウーハーDB(ダブルバスレフ)」と呼ぶ新機構を盛り込むことで、量感に富みつつもフォーカス感の高い低域と、クリアで伸びやかな中高域を実現しているのだ。
実際に聴いてみると、この新機構の効果がはっきりとわかる。中高域は小口径ドライバーのため、雑味が透くなりクリアなサウンドだし、低音もただの重低音ではなく、芯のしっかりしたディープな音だ。おかげで演奏のメリハリがとても強く、躍動的に感じられる。音楽の楽しさを余さず伝えてくれる点において、なかなかの役者っぷりである。