• ブランド
    特設サイト
公開日 2014/07/28 10:15

岩井喬のオーディオスクランブル【第1回】ソニー「PCM-D100」と真空管アンプでDSDの魅力を引き出す

4名の評論家が週替わりでオーディオを語る
岩井 喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ファイル・ウェブでは今月から、4名のオーディオ評論家による連載記事を毎週、週替わりで掲載している。今回スタートするのは、岩井喬氏がハイエンドからポータブル、自作、ヘッドホンにいたるまで、縦横無尽にオーディオの楽しみ方をレポートしていく「岩井喬のオーディオスクランブル」。第1回目はソニーのPCMレコーダー「PCM-D100」と自作真空管アンプを組み合わせて、DSDの魅力を引き出した。

今回はソニーのPCMレコーダー「PCM-D100」を再生装置として、自作の真空管アンプと組み合わせ、DSDネイティブ再生を行った

■DSDネイティブ再生に対応したソニーのPCMレコーダー「PCM-D100」

今年に入り、大きく状況が変わってきたのがハイレゾ・ポータブル・プレーヤーのジャンルである。5.6MHz・DSDネイティブ再生を可能としたセンセーショナルな「AK240」の登場を境に、ポータブルタイプのUSB-DACも巻き込む形で各社が本格的にDSD対応機を発表するようになってきた。これまでもDSDをPCM変換して再生するプレーヤーは存在していたが、やはりネイティブ再生という響きには独特な魅力がある。

そうしたなか、個人的に関心を持っているのが昨年秋にソニーが発売したリニアPCMレコーダー「PCM-D100」(関連ニュース)である。“リニアPCM”と銘打っているのに2.8MHz・DSD録音ができるという嬉しいおまけがついているところがチャームポイントだ。

PCM-D100はICレコーダー製品も含め、ソニーのハンディ型レコーダーの最上位機種であり、古くは“カセットデンスケ”、そして録音対応DATウォークマンからの流れを受け継ぐ、伝統ある系譜の最新モデルでもある。筆者も高校時代からDATウォークマン「TCD-D7」を愛用しており(現在でも動作できる形で大事に保管している)、その系譜上にあるレコーダーとして発売以来ずっと気になっていた。

記録媒体はフラッシュメモリーが主流となり、X-Y方式の内蔵コンデンサーマイクの特異なスタイルとアナログ針メーターという心くすぐる仕様で人気機種となったPCM-D1の発売から8年が経過し、再生環境もハイレゾ対応が珍しくない状況となった現在。対応レゾリューションやフォーマットも格段に進歩を遂げた。その時代の要請に応えるように登場したPCM-D100は録音機としてのスペックも当然のことながら、プレーヤーとしての側面も非常に充実しているのである。

高校時代から愛用しているDATウォークマン「TCD-D7」とPCM-D100。ソニーのハンディレコーダーの系譜がここにある

■レコーダーだからこそ可能な直感的な操作性、そしてサウンド

まずPCMファイルは192kHz/24bitのWAV、そしてFLACがそのまま再生でき、2.8MHz・DSDもDSF、DSDIFFのファイルをネイティブ再生することが可能だ。

本機がいわゆるハイレゾ対応プレーヤーと一線を画している点がある。ハイレゾ対応プレーヤーの多くがAndroidなどの汎用OSをベースに構成されており、使い勝手や利便性の高さが魅力である一方、電源投入から立ち上がりまでの時間が10秒以上必要であったり、操作のタイムラグも少なからずあったりと、なかなか思い通りにならず、もどかしく感じる場面もあった。

次ページレコーダーだからこそ可能な使い勝手の良さ、そして音質

1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ビックカメラ、「ブラックフライデー」セールを11/16より開始。ECサイトでは11/15 22時より先行販売スタート
2 可愛すぎる、でも本格派のCDプレーヤー。Shanling「EC Smart」で始めるデスクトップCDオーディオのススメ
3 USB-Cで何ができる?!iPhoneユーザーなら知っておきたい「できること」総ざらい
4 【ミニレビュー】グランプリ受賞の実力、フルテックの電源ケーブル「Origin Power NCF(G)」
5 実は独自の “平面” 形状!? 新型振動板によるトゥルーサウンド、B&W「Pi8」「Pi6」の魅力に迫る
6 初めてのスクリーンなら シアターハウス「WCBシリーズ」が推し!高コスパで“王道シアター”
7 耳を塞がない “軟骨伝導” の音質が大幅アップ!オーディオテクニカ「ATH-CC500BT2」をシーン別にチェック
8 ビクター、“ブランド史上最軽量”のノイキャン搭載ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」
9 ハイエンド・ブックシェルフスピーカーの新たな息吹。音楽職人が立ち上げた新興英国ブランド・KUDOS
10 ビクター、イヤーカフ型の耳を塞がないイヤホン“nearphones”「HA-NP1T」。独自「フレキシブルアジャスト」機構を採用
11/13 10:44 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX