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公開日 2014/08/21 10:48

角田郁雄のオーディオSUPREME【第2回】PS AUDIOがレコード再生とハイレゾ再生を融合する

4名の評論家が週替わりでオーディオを語る
角田郁雄
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角田郁雄氏がハイエンドからスモールオーディオまでを実際に使い、その魅力をレポートしていく「角田郁雄のオーディオSUPREME(シュープリーム)」。第2回はPS AUDIOの先進的フォノイコライザーとUSB-DACを組み合わせ、アナログレコード再生とハイレゾ再生の融合に挑戦した。

PS AUDIOの「NuWave Phono Converter」と「Direct Stream DAC」でリアルタイムDSD変換によるアナログレコード再生を行った

■PS AUDIOが可能としたアナログレコード再生とハイレゾ再生の融合

私はアナログレコードを聴くのが大好きだ。一方で、ハイレゾデータの再生も好きである。そして、ネットオーディオが進化する中でふと考えた。それは「レコード再生とハイレゾ再生のそれぞれの良さを上手く融合して楽しめないか」ということだ。

アナログレコードのハイレゾアーカイブを作って楽しむことは、愛好家の間でも徐々に広まっているようである。私自身、レコードを再生しながらフォノイコライザーの出力をハイレゾ対応デジタルレコーダーに接続し、192kHz/24bitやDSDなどで録音をしている。そして、レコーダーのHDDに記録されたハイレゾ音源をPCに移して、愛用のUSB-DACで再生する。この方法もなかなか良いのだが、レコーダーからPCにハイレゾ音源を伝送することがちょっと面倒だ。

このようなことを少しずつ進めていたのであるが、3年前に「PS Audio」のポール・マクガヴァン社長と会う機会があった。そこで聞いたのは、A/Dコンバーター内蔵のフォノイコライザー(現行モデル「NuWave Phono Converter」)を発売する、という話。そして、最もアナログの質感を再現できるDSD対応DAC(8月発売の新製品「Direct Stream DAC」)も開発中とのことだった。

PSAUDIOの先進的なフォノアンプ/コンバーター「NuWave Phono Converter」

ポール氏は、アナログ音に最も近いデジタルフォーマットはDSDであると確信していた。そしてこのDACでは、DSDはもちろんのこと、全てのPCMデジタル入力信号をFPGA(独自のプログラムを投入することで専用の半導体として動作する素子)を使ってDSDに変換して、DACチップを使わずに再生する技術を構想していたのだ。

本機はつい先頃、「Direct Stream DAC」として登場した。興味深いことは、ポール氏は、このNuWave Phono Converter(以下:NPC)とDirect Stream DAC(以下:DS DAC))に、密接な関係を持たせていることである。

56MHz DSDへのアップサンプリングにも対応するPS AUDIOのD/Aコンバーター「Direct Stream DAC」

NuWave Phono Converter(関連ニュース)は本格的なフォノイコライザーとしても使用できる一方で、A/Dコンバーター機能を使って、PCとUSB接続し、ハイレゾPCMとDSD録音も可能である。この方法ならレコーダーを使用しないので、便利である。

一方で、DS DACは、全てのデジタル入力を56MHz DSD(FPGAにより、5.6MHz×10にアップサンプリング)に変換し、アナログライクな音質を実現するユニークなDACだ。ポール氏は、NPCでレコードを再生したり、ハイレゾアーカイブを作って愛用のUSB-DACで聴くのも良いが、NPCとDSDACをHDMIケーブル(I2S)で接続し、レコードをダイレクトにDSD変換した音を楽しんで欲しいと提案している。

これは真の意味でレコード再生とハイレゾ再生を融合できる興味深い内容である。そして私は、すでにNPCの機能と音の良さに魅了され、フォノイコライザーとして使用していた。

さらに「NetAudio」誌編集長の浅田氏が自宅に来て、「PC録音もしてみましょうよ」とVinyl Studio(約$30)をインストールしたMacを使用して実際に録音を披露してくれ、使い方も教えてくれた(具体的な録音の手順はこちらの記事で紹介している)。私はこの体験により、愛用するレコード再生装置とUSB-DACの音がブレンドされたハイレゾ音源にすっかり魅了されてしまい、早速Vinyl Studioを使い始めた。やっとNPCをフル活用できたのだ。

次ページNPCとDSDDACで“Hi-Res Vinyl Playback”を行う

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