• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/01/30 11:57

【第6回】MCカートリッジ出力のバランス伝送・昇圧方式への誘い<3> 対応フォノケーブルを試聴

連載:藤岡誠のオーディオワンショット
藤岡 誠
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
藤岡誠が、自身の推薦するオーディオ機器、関連アクセサリー、あるいはコンポーネントの組合せ。またある時は新技術や様々な話題など、毎回自由なテーマで原稿を進めていく本連載。MCカートリッジ出力のバランス伝送の第3回目となる今回は、対応製品を実際に試聴。その音質を比較していく。


それでは「MCカートリッジ出力のバランス伝送・昇圧(増幅)方式」を実行するために重要な役割を果たす3ジャンル、すなわち、いずれもバランス伝送対応の(1)フォノケーブル、(2)昇圧トランス、(3)フォノEQアンプ/プリアンプの3ジャンルについて、順を追って簡単な紹介とそれぞれのお薦め製品を挙げていこう。

今回はバランス伝送対応フォノケーブルである。この種のケーブルは導線自体がMC型カートリッジの発電コイルの“延長線”そのものであり、ダイナミック型マイクの場合も同様だが、決して侮ってはいけない。事実、ケーブルの導体、構造などによって音質・音調が微妙に、状況によっては大きく変化するからピュアオーディオにおいては特に留意する必要がある。

■バランス伝送対応フォノケーブル

バランス伝送対応フォノケーブルは、現用しているアナログプレーヤーシステムのアームからの出力方式に対応して選択することになる。周知の通り、実際のプレーヤーの出力方式は各種各様だが、ここでは典型的な二つのパターンを挙げ、それらに対応するフォノケーブルを紹介し、お薦めすることにしよう。

ひとつは、高級プレーヤーシステムや各自が好みに応じてアッセンブルしたプレーヤーシステムに多く採用されているアーム交換が可能なタイプである。この種のプレーヤーに使われるアームは、ほとんどが軸受けの底部(其部)に装備される「5PIN-DIN規格」の着脱機構によってフォノケーブルの交換ができるようになっている。

例えば、最近話題のラックスマンの「PD-171A」もその一つである。これに付属しているフォノケーブルは、ケーブルのアーム側に5PIN-DINコネクターが装着され、出力側にRCAプラグが装着された「5PIN-DIN→RCAタイプ」が標準装備されている。この種のプレーヤーをバランス伝送化するのは簡単だ。付属している5PIN-DIN→RCAタイプに変えて、アーム側が5PIN-DINコネクター、出力側にXLRコネクターを装備した「5PIN-DIN→XLRタイプ」のケーブルに差し替えるだけでOKである。

LUXMAN「PD-171A」

この5PIN-DIN→XLRタイプはバランス伝送対応フォノケーブルの基本であり、MCカートリッジの出力がシンプルにバランス伝送される。また、異なったメーカー/ブランドの5PIN-DIN→XLRタイプと交換することによって音質・音調の変化を楽しむことができる。その変化量はかなり大きい。実際の5PIN-DIN→XLRタイプは、オーディオケーブル専門メーカーばかりではなく、バランス伝送対応機器メーカーからも発売されている。

もうひとつは、デノンの「DP-1300MK2」や「DP-500M」のように、アームの出力(カートリッジの出力)がケース背面に固定装備されたRCA端子(メス)に接続されている場合だ。この種のプレーヤーには、「RCA→XLRタイプ」のフォノケーブルを使用すればいい。つまり、ケーブルの両端にRCAプラグとXLRコネクターが装着されたタイプである。

こうしたバランス伝送対応フォノケーブルは、現時点では製品数において欧米勢が強力だが、最近になってSAEC(サエク)が来月に発売予定しており、アコースティックリバイブ他にも動きが見受けられるから楽しみである。

次ページ藤岡誠がお薦めのバランス伝送対応フォノケーブルを試聴

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ヤマダデンキ、「ブラックフライデー」セールを11/16より開始。ベスト電器、マツヤデンキでも開催
2 iPhone買い換え、手持ちモデルを手放す際に必ずやっておくべきこととは?
3 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
4 「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」11月23日・24日開催。出展メーカーや連続試聴イベントの内容はコチラ!
5 <Inter BEE>ゼンハイザー、国内未発売製品を初お披露目/NHK、“自由に変形する”ディスプレイ/コルグ「Live Extreme」試聴デモ
6 THIEAUDIO「Origin」は低音好き垂涎!骨伝導搭載・クアッドハイブリッド構成のイヤホンを聴く
7 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
8 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
9 MUSE HiFi、真空管搭載ポータブルDAC/AMP「M5 ULTRA」。ESS社と独自回路を共同開発
10 スピーカーの“原音再生”をデジタルフィルターで解決!テレビや車に搭載広がるEilex PRISMの秘密に迫る
11/15 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX