公開日 2015/02/25 18:00
AKG「Y23」レビュー:極小サイズに凝縮された鮮烈なAKGサウンド・クオリティ
オーストリアの名門イヤホン/ヘッドホンメーカー「AKG」。銘機と謳われるハイエンドモデルを筆頭に様々な製品を世に送り出しているが、カラフルな外観に高音質を秘めたモデルとして僕のお気に入りだったのが、入門モデルの「K323 XS」だった。
今回登場した新モデル「Y23」「Y23U」は、一目見てK323 XSの流れを汲むモデルだと分かる、世界最小クラスとなる5.8mmドライバーを搭載したイヤホン。通常モデルの「Y23」はブラックとホワイトをラインナップ。ケーブルにワンボタンリモコンを備える「Y23U」はブラック、ホワイトに加え、目に鮮やかなティールブルーとレッドのカラーバリエーションを展開している。
価格はY23が直販サイトで4,880円(税抜)、Y23Uが5,880円(税抜)と、いずれもお手頃。カラフルな外観に加え実用性も求めるユーザーにも訴えるモデルとなっている。
「Y23」「Y23U」を手にして最初に驚くのは、極限までサイズを切り詰めた極小サイズのそのボディ。カナル型と言いつつ耳の外に筐体が飛び出る大型イヤホンが増えている昨今だが、両機は筐体のほぼ全体が耳穴に収まってしまう、耳栓に近い構造。重量1g以下という軽量さも特徴で、装着している事を感じさせないため、イヤホンを長時間つけ続けるのが苦手な人にもお薦めできる。イヤチップはシリコン製のソフトな仕様で、S/M/Lに加えXSサイズも付属しているので様々な耳穴にフィットするはずだ。
小型ながらキレの良い高音と、サイズを超えた重低音
繰り出される鮮烈な音はAKGクオリティをしっかりと継承
音質は僕のiPhone 6とXperia Z3 Compactで検証した。
「AKG=高音質」というイメージをお持ちの方は多いと思うが、「Y23」「Y23U」もそのイメージを裏切らない。超小型ボディながら、繰り出されるその鮮烈な音はAKGクオリティを継承する実力派だ。
最大の特徴は耳にダイレクトに届く、突き抜けるような高解像志向のサウンド。宇多田ヒカルの『Automatic』(96kHz/24bitハイレゾ音源版)では、幅広い帯域を歯切れよくキレイに響かせながら、中〜高域の声の帯域には先鋭感を持たせて煌びやかに鳴らす。特に女性ボーカルの帯域の浮かび上がらせ方が絶妙だ。エントリークラスのイヤホンにありがちな分解能不足も、Y23ではほぼ感じられない。
サイズを超えた重低音再生も、Y23にしかないユニークな点だ。『Automatic』のビートを刻む重低音は、輪郭を明瞭に持たせながらズシリと沈み込む量感を伴っている。これだけの極小ボディで十分な重低音が出るのも、その耳穴にしっかり収まる形状である所以だろう。
アニソンから藍井エイルの『IGNITE』(96kHz/24bitハイレゾ音源版)も、アタックのエッジを効かせつつボーカルを立てるY23の音質とは相性抜群。楽曲の音数の多さをストレートに引き出してくれる。空間スケールは大きく取るタイプではなく、むしろ音の情報量をそのままエネルギッシュに集約して出すタイプだ。ラブライブ!の楽曲『Snow halation』でもボーカルの聞き分けができる事も確認できた。
クラシックよりカラヤン指揮の『カラヤン〜ザ・ベスト・オブ・マエストロ〜(アビイ・ロード・スタジオ新リマスター)』では、高域まで粒立ちよく軽快で、特に弦楽器の分離感を聞き分けられる実力を持つ。ジャズではSHANTIの『BORN TO SING』は声の息遣いまでリアルで、アコースティックギターも生々しい。ゴリっとした硬質な低音も、このクラスのイヤホンでは得難いものだ。
Y23はエントリー向けの製品であるが、十分オーディオ用として通用するサウンド・クオリティ。手頃な価格とカラフルな外観は、オーディオプレーヤーやスマホの付属イヤホンからのグレードアップを考えている方にもぴったりだろう。AKGの妥協ない音作りの入門モデルとしてお薦めしたいモデルだ。
今回登場した新モデル「Y23」「Y23U」は、一目見てK323 XSの流れを汲むモデルだと分かる、世界最小クラスとなる5.8mmドライバーを搭載したイヤホン。通常モデルの「Y23」はブラックとホワイトをラインナップ。ケーブルにワンボタンリモコンを備える「Y23U」はブラック、ホワイトに加え、目に鮮やかなティールブルーとレッドのカラーバリエーションを展開している。
価格はY23が直販サイトで4,880円(税抜)、Y23Uが5,880円(税抜)と、いずれもお手頃。カラフルな外観に加え実用性も求めるユーザーにも訴えるモデルとなっている。
「Y23」「Y23U」を手にして最初に驚くのは、極限までサイズを切り詰めた極小サイズのそのボディ。カナル型と言いつつ耳の外に筐体が飛び出る大型イヤホンが増えている昨今だが、両機は筐体のほぼ全体が耳穴に収まってしまう、耳栓に近い構造。重量1g以下という軽量さも特徴で、装着している事を感じさせないため、イヤホンを長時間つけ続けるのが苦手な人にもお薦めできる。イヤチップはシリコン製のソフトな仕様で、S/M/Lに加えXSサイズも付属しているので様々な耳穴にフィットするはずだ。
小型ながらキレの良い高音と、サイズを超えた重低音
繰り出される鮮烈な音はAKGクオリティをしっかりと継承
音質は僕のiPhone 6とXperia Z3 Compactで検証した。
「AKG=高音質」というイメージをお持ちの方は多いと思うが、「Y23」「Y23U」もそのイメージを裏切らない。超小型ボディながら、繰り出されるその鮮烈な音はAKGクオリティを継承する実力派だ。
最大の特徴は耳にダイレクトに届く、突き抜けるような高解像志向のサウンド。宇多田ヒカルの『Automatic』(96kHz/24bitハイレゾ音源版)では、幅広い帯域を歯切れよくキレイに響かせながら、中〜高域の声の帯域には先鋭感を持たせて煌びやかに鳴らす。特に女性ボーカルの帯域の浮かび上がらせ方が絶妙だ。エントリークラスのイヤホンにありがちな分解能不足も、Y23ではほぼ感じられない。
サイズを超えた重低音再生も、Y23にしかないユニークな点だ。『Automatic』のビートを刻む重低音は、輪郭を明瞭に持たせながらズシリと沈み込む量感を伴っている。これだけの極小ボディで十分な重低音が出るのも、その耳穴にしっかり収まる形状である所以だろう。
アニソンから藍井エイルの『IGNITE』(96kHz/24bitハイレゾ音源版)も、アタックのエッジを効かせつつボーカルを立てるY23の音質とは相性抜群。楽曲の音数の多さをストレートに引き出してくれる。空間スケールは大きく取るタイプではなく、むしろ音の情報量をそのままエネルギッシュに集約して出すタイプだ。ラブライブ!の楽曲『Snow halation』でもボーカルの聞き分けができる事も確認できた。
クラシックよりカラヤン指揮の『カラヤン〜ザ・ベスト・オブ・マエストロ〜(アビイ・ロード・スタジオ新リマスター)』では、高域まで粒立ちよく軽快で、特に弦楽器の分離感を聞き分けられる実力を持つ。ジャズではSHANTIの『BORN TO SING』は声の息遣いまでリアルで、アコースティックギターも生々しい。ゴリっとした硬質な低音も、このクラスのイヤホンでは得難いものだ。
Y23はエントリー向けの製品であるが、十分オーディオ用として通用するサウンド・クオリティ。手頃な価格とカラフルな外観は、オーディオプレーヤーやスマホの付属イヤホンからのグレードアップを考えている方にもぴったりだろう。AKGの妥協ない音作りの入門モデルとしてお薦めしたいモデルだ。