公開日 2015/11/26 10:19
オーディオテクニカ「ATH-ES750」レビュー:上質な外観と素直なサウンドが持ち味の"ハイレゾ対応"ヘッドホン
オーディオテクニカのEAR SUITシリーズといえば、「耳に着けるスーツ」というコンセプトをアピールするなど、カジュアルでもフォーマルでも使えるスタイルと携帯性を重視したスマートさが特徴のオンイヤー型ヘッドホンだ。そんなESシリーズに、新モデル「ATH-ES750」が登場した。
本機は2012年に発売された「ATH-ES700」の後継モデルに当たる製品。42mm口径の専用ドライバーやステンレス製ハウジングといった基本構成はそのままに、音質とデザインの両面でさらなるブラッシュアップが施されている。
たとえば外観は、ヘアライン&鏡面加工のステンレスハウジングの採用はそのままながら、日本の職人の手による丁寧な仕上げの恩恵もあってか、いちだんと艶やかな光沢を持つようになった。装着性の高いイヤーパッドやスイーベル機構による携帯性の良さなどと合わせて、スマートでスタイリッシュなヘッドホンというコンセプトがさらに洗練された印象を持つ。いっぽう、音質面ではドライバーユニットの細部を見直し。磁力を高め、一体型ヨーク構造とすることで再生周波数帯域も5〜40kHzとワイドレンジ化を果たし、最新のハイレゾ音源を意識したスペックを持ち合わせるようになった。
そしてひと目でわかる最大の変更点といえるのが、着脱式ケーブルの採用だ。先代まで直出しケーブルを採用していたESシリーズだが、この「ATH-ES750」ではオーディオテクニカ独自の「A2DC」というオーディオ用接続コネクタを採用した着脱式ケーブルとなった。ケーブルが断線してしまっても交換できるのは、常に持ち歩いて使いたいEAR SUITのような製品にとって大きな強み。ヘッドホン故障の原因がの8割が機器側コネクタの断線、といわれている状況のなかにあっては、嬉しい限りだ。
ちなみに、ヘッドホン側の接続に採用されているA2DCコネクタは、一見するとMMCXコネクタに近い形状をしているが、口径も異なっていて互換性はない。耐久性や接触の確かさを考慮してこちらを採用したという。実際、何回か抜き差しをしてみたが、かっちりとした確実なロックに好感が持てた。
■ダイレクト&ダイナミックで素直なサウンドを聴かせてくれる
さて、肝心のサウンドはいかがなものか。ひとことで表すとすれば、とてもダイレクトな、ダイナミックな表現。それでいて細やかなニュアンス表現もしっかりと拾い上げてくれ、空間表現も良好だ。TMネットワーク「Get Wild 2015」を聴くと、パワフルで迫力のある演奏を楽しみつつ、徹底的にこだわった空間表現がしっかりと感じ取れる。
オンイヤー型ヘッドホンながら空間表現が良好なので、ライブ音源なども聴いていて心地よい。たとえば「TOTO 35周年アニヴァーサリー・ツアー ライヴ・イン・ポーランド2013」の「アフリカ」聴くと、それほど広くはないものの十分な広がり感をもつステージングと、会場の盛り上がりがしっかりと伝わってきて、とても楽しい。
音色傾向については、至って素直なイメージ。ステンレス製ハウジングの特徴なのだろう、高域側に張りのある帯域バランスによってフォーカス感が随分と高まっているものの、音色的には全く違和感はない。逆に、溝口肇のチェロなどは、倍音成分やホールへの広がりなど、付帯音をしっかりと拾い上げてくれることもあって、普段よりも幾分ウォームな心地よい響きに感じられる。
このように「ATH-ES750」は、EAR SUITシリーズの良さをさらに進化させた、熟成のモデルといえる。使い勝手の良さも含め、なかなかに魅力的なモデルといえるだろう。
本機は2012年に発売された「ATH-ES700」の後継モデルに当たる製品。42mm口径の専用ドライバーやステンレス製ハウジングといった基本構成はそのままに、音質とデザインの両面でさらなるブラッシュアップが施されている。
たとえば外観は、ヘアライン&鏡面加工のステンレスハウジングの採用はそのままながら、日本の職人の手による丁寧な仕上げの恩恵もあってか、いちだんと艶やかな光沢を持つようになった。装着性の高いイヤーパッドやスイーベル機構による携帯性の良さなどと合わせて、スマートでスタイリッシュなヘッドホンというコンセプトがさらに洗練された印象を持つ。いっぽう、音質面ではドライバーユニットの細部を見直し。磁力を高め、一体型ヨーク構造とすることで再生周波数帯域も5〜40kHzとワイドレンジ化を果たし、最新のハイレゾ音源を意識したスペックを持ち合わせるようになった。
そしてひと目でわかる最大の変更点といえるのが、着脱式ケーブルの採用だ。先代まで直出しケーブルを採用していたESシリーズだが、この「ATH-ES750」ではオーディオテクニカ独自の「A2DC」というオーディオ用接続コネクタを採用した着脱式ケーブルとなった。ケーブルが断線してしまっても交換できるのは、常に持ち歩いて使いたいEAR SUITのような製品にとって大きな強み。ヘッドホン故障の原因がの8割が機器側コネクタの断線、といわれている状況のなかにあっては、嬉しい限りだ。
ちなみに、ヘッドホン側の接続に採用されているA2DCコネクタは、一見するとMMCXコネクタに近い形状をしているが、口径も異なっていて互換性はない。耐久性や接触の確かさを考慮してこちらを採用したという。実際、何回か抜き差しをしてみたが、かっちりとした確実なロックに好感が持てた。
■ダイレクト&ダイナミックで素直なサウンドを聴かせてくれる
さて、肝心のサウンドはいかがなものか。ひとことで表すとすれば、とてもダイレクトな、ダイナミックな表現。それでいて細やかなニュアンス表現もしっかりと拾い上げてくれ、空間表現も良好だ。TMネットワーク「Get Wild 2015」を聴くと、パワフルで迫力のある演奏を楽しみつつ、徹底的にこだわった空間表現がしっかりと感じ取れる。
オンイヤー型ヘッドホンながら空間表現が良好なので、ライブ音源なども聴いていて心地よい。たとえば「TOTO 35周年アニヴァーサリー・ツアー ライヴ・イン・ポーランド2013」の「アフリカ」聴くと、それほど広くはないものの十分な広がり感をもつステージングと、会場の盛り上がりがしっかりと伝わってきて、とても楽しい。
音色傾向については、至って素直なイメージ。ステンレス製ハウジングの特徴なのだろう、高域側に張りのある帯域バランスによってフォーカス感が随分と高まっているものの、音色的には全く違和感はない。逆に、溝口肇のチェロなどは、倍音成分やホールへの広がりなど、付帯音をしっかりと拾い上げてくれることもあって、普段よりも幾分ウォームな心地よい響きに感じられる。
このように「ATH-ES750」は、EAR SUITシリーズの良さをさらに進化させた、熟成のモデルといえる。使い勝手の良さも含め、なかなかに魅力的なモデルといえるだろう。