公開日 2016/12/27 10:25
オーディオテクニカ新VMカートリッジ & 人気アナログプレーヤー6機種スクランブルテスト!
【特別企画】シリーズごとの最適プレーヤーを探る
■ありそうでなかった新提案。針交換で音を着替えるVMカートリッジ
この秋、オーディオテクニカの歴史あるVMカートリッジシリーズは、品番体系を一新。大きく分けて3つのシリーズに分けて、ラインナップを拡充させている。いずれも伝統的な「AT100」系ボディを継承しているが、不要共振を抑える堅牢なアルミダイキャストボディを持つ最上位の700シリーズ、高剛性樹脂ボディを用いた500シリーズ、モノラル専用の600シリーズに分けられ、針先形状の違いにより、LP盤用8種類、SP盤用1種類の合計9種類が用意された。
MM型と同じく、VM型も針先交換が可能であり、その特性を逆に利用したのである。形状の違う交換針を活用したサウンドチューニングだけでなく、ステップアップも手軽に楽しんでもらえる、これまでありそうでなかった、アナログらしい提案を持たせたのだ。
従来シリーズからの違いとしてはコイル導体がPCOCCから6N-OFCに変わったほか、標準針圧が2.0gになった(SP盤専用モデル VM670SPを除く)。ラインナップの核となる700/500シリーズは透磁率を最適化するラミネートコアやセパレーションを向上させるセンターシールドプレートを用いるパラトロイダル発電構造を共通としており、カンチレバーはアルミパイプを用いる。
なお無垢マイクロリニア針を用いる「VM540ML」以上はパイプをすぼめるテーパー加工を取り入れ、より軽量化したアルミテーパーパイプカンチレバーを採用した。特に700シリーズで採用された無垢特殊ラインコンタクト針(VMN60SLC)や無垢シバタ針(VMN50SH)、無垢マイクロリニア針(VMN40ML)といったラインコンタクト針はレコードの溝との接触面積も大きく、低歪で周波数特性も良い。
しかも「VM750SH」は同じ無垢シバタ針を用いる従来モデル「AT150Sa」とほぼ同じ仕様ながら、かなり割安な価格となっている。シリーズ展開によるコストダウンなどの効果が出ているものと推察するが、決して安いとはいえないものの、今回のシリーズ刷新によりサウンドも大きく前進しており、そのコストパフォーマンスは圧倒的に高まったといえるだろう。
■新カートリッジを各社アナログプレーヤーと組み合わせ
そうした流れの上で、一般的なLPを楽しむ場合、700や500シリーズがその視野に入ることと思うが、初めての単売カートリッジへの買い替えに最適な1.5〜3万円のゾーンに入る500シリーズはシェル交換が可能な初級〜中級までのプレーヤーと合わせてみたい。
そしてより高音質なVM(MM)型のサウンドを求め、上質な表現力を狙う4万円超のゾーンに入る700シリーズでは組み合わせるプレーヤーのグレード(さらには組み合わせるシェル)も重要となってくる。価格バランスから見ても10万円以上のプレーヤーは選びたいところだ。
昨今のアナログ再評価の流れを受け、500シリーズに最適な5万円クラスまでのプレーヤーは増加傾向にあり、コストパフォーマンスの高いモデルも増えてきている。一方で700シリーズに最適な10万円以上のモデルは、上限を見なければ無数に存在する。しかしVM型として最大限良さを引き出すプレーヤーを考えると、高くとも40万円クラスあたりまでが現実的なラインとなるだろう。この10〜40万円に該当するプレーヤーは意外と少なく、ロングセラー機が強いゾーンでもある。
こうした状況を踏まえ、今回は500シリーズから標準的な存在である無垢楕円針の「VM530EN」と、その組み合わせに最適と思われる10万円以下の人気プレーヤー3種を選択。そして700シリーズはフラグシップとなる無垢特殊ラインコンタクト針の「VM760SLC」と10〜30万円クラスの人気プレーヤー3種を組み合わせ、VMカートリッジと様々なプレーヤーとのサウンド傾向を確認することとした。
なおいずれの価格帯にも、初心者に優しいフォノイコライザー内蔵モデルが存在するが、今回はリファレンスにアキュフェーズのフォノイコライザー「C-37」を用いたため、イコライザーをスルーした設定で試聴を行った。
この秋、オーディオテクニカの歴史あるVMカートリッジシリーズは、品番体系を一新。大きく分けて3つのシリーズに分けて、ラインナップを拡充させている。いずれも伝統的な「AT100」系ボディを継承しているが、不要共振を抑える堅牢なアルミダイキャストボディを持つ最上位の700シリーズ、高剛性樹脂ボディを用いた500シリーズ、モノラル専用の600シリーズに分けられ、針先形状の違いにより、LP盤用8種類、SP盤用1種類の合計9種類が用意された。
MM型と同じく、VM型も針先交換が可能であり、その特性を逆に利用したのである。形状の違う交換針を活用したサウンドチューニングだけでなく、ステップアップも手軽に楽しんでもらえる、これまでありそうでなかった、アナログらしい提案を持たせたのだ。
従来シリーズからの違いとしてはコイル導体がPCOCCから6N-OFCに変わったほか、標準針圧が2.0gになった(SP盤専用モデル VM670SPを除く)。ラインナップの核となる700/500シリーズは透磁率を最適化するラミネートコアやセパレーションを向上させるセンターシールドプレートを用いるパラトロイダル発電構造を共通としており、カンチレバーはアルミパイプを用いる。
なお無垢マイクロリニア針を用いる「VM540ML」以上はパイプをすぼめるテーパー加工を取り入れ、より軽量化したアルミテーパーパイプカンチレバーを採用した。特に700シリーズで採用された無垢特殊ラインコンタクト針(VMN60SLC)や無垢シバタ針(VMN50SH)、無垢マイクロリニア針(VMN40ML)といったラインコンタクト針はレコードの溝との接触面積も大きく、低歪で周波数特性も良い。
しかも「VM750SH」は同じ無垢シバタ針を用いる従来モデル「AT150Sa」とほぼ同じ仕様ながら、かなり割安な価格となっている。シリーズ展開によるコストダウンなどの効果が出ているものと推察するが、決して安いとはいえないものの、今回のシリーズ刷新によりサウンドも大きく前進しており、そのコストパフォーマンスは圧倒的に高まったといえるだろう。
■新カートリッジを各社アナログプレーヤーと組み合わせ
そうした流れの上で、一般的なLPを楽しむ場合、700や500シリーズがその視野に入ることと思うが、初めての単売カートリッジへの買い替えに最適な1.5〜3万円のゾーンに入る500シリーズはシェル交換が可能な初級〜中級までのプレーヤーと合わせてみたい。
そしてより高音質なVM(MM)型のサウンドを求め、上質な表現力を狙う4万円超のゾーンに入る700シリーズでは組み合わせるプレーヤーのグレード(さらには組み合わせるシェル)も重要となってくる。価格バランスから見ても10万円以上のプレーヤーは選びたいところだ。
昨今のアナログ再評価の流れを受け、500シリーズに最適な5万円クラスまでのプレーヤーは増加傾向にあり、コストパフォーマンスの高いモデルも増えてきている。一方で700シリーズに最適な10万円以上のモデルは、上限を見なければ無数に存在する。しかしVM型として最大限良さを引き出すプレーヤーを考えると、高くとも40万円クラスあたりまでが現実的なラインとなるだろう。この10〜40万円に該当するプレーヤーは意外と少なく、ロングセラー機が強いゾーンでもある。
こうした状況を踏まえ、今回は500シリーズから標準的な存在である無垢楕円針の「VM530EN」と、その組み合わせに最適と思われる10万円以下の人気プレーヤー3種を選択。そして700シリーズはフラグシップとなる無垢特殊ラインコンタクト針の「VM760SLC」と10〜30万円クラスの人気プレーヤー3種を組み合わせ、VMカートリッジと様々なプレーヤーとのサウンド傾向を確認することとした。
なおいずれの価格帯にも、初心者に優しいフォノイコライザー内蔵モデルが存在するが、今回はリファレンスにアキュフェーズのフォノイコライザー「C-37」を用いたため、イコライザーをスルーした設定で試聴を行った。