公開日 2017/03/31 14:26
さりげなさの中に息づく上質感。ソニーの小型ワイヤレススピーカー「h.ear go」を聴く
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ソニーが発売している世界最小のハイレゾ対応Wi-Fi/Bluetoothスピーカー“h.ear go”「SRS-HG1」。スマートフォンからの音楽を手軽かつ高音質で楽しめる同製品を、評論家の中林直樹氏がチェック。その実力に迫った。
■ソニーのDNAを色濃く反映させたコンパクトなワイヤレススピーカー
プロダクトとしての性能を追求しながら、同時にコンパクト化を図ること。銀座ソニービルでの「It's a Sony展」に並んだソニーの過去製品群を眺めると、連綿と受け継がれた、そのブレない思想に感嘆することしきりだった。そして、ここで紹介する“h.ear go”「SRS-HG1」も、紛れもなくそのDNAを色濃く反映させた製品であることがわかった。
本機はワンボックスのワイヤレスポータブルスピーカー。幅約20cmのバー形状。スピーカーユニットは高磁力ネオジウムマグネットを搭載した35mm口径フルレンジが2基、さらにパッシブラジエーターも2基(正面と背面)採用し、自然で深みのある低音再生を狙う。
詳しいサウンドインプレッションは記事後半で記すが、全体的には中高域がクリアで音の広がりも小型スピーカーらしからぬ印象。音量を上げてもブーミーにならず、一方で小音量再生時も音のバランスをきちんと保つ。
なお、こうしたコンパクトスピーカーでは、どのように低域を扱うかで、全体の音質が大きく左右される。最近、このような小型ワイヤレスモデルが続々と姿を現しており、またパッシプラジエーターを採用する製品も数多い。
ただ、そのチューニングは決して易しいものではない。それはこうしたスピーカーを実際に試聴しての正直な感想だ。小型ボディでは、低音域を稼ぐことが物理的に難しいわけで、それを他の帯域とのバランスを保ちながら表現しなければならない。パッシプラジエーターはそのソリューションのひとつであることは確かだが、どのように設計し、低域をいかにコントロールするかが肝要だと、改めて感じた次第である。
■Spotifyなど音楽サービスをスマホで手軽かつ高音質に楽しめる
本機はBluetoothに加えて、Wi-Fi接続にも対応。今回は、このポイントをクローズアップしてみたい。現在家庭内でインターネットを無線LANで楽しんでいるのであれば、設定は簡単。ネットワーク内に本機をぶら下げる(仲間入りさせる)ようにし、音楽の出口のひとつとして活用する、そんなイメージだ。
しかも、このところ、インターネット上では音楽のストリーミングサービスが日本でも本格的に立ち上がった。本機はそれを簡単、かつ存分に楽しめる機能があらかじめ搭載されている。中でもWi-Fi経由でSpotifyが高音質で楽しめるSpotify connectにいち早く対応。今回は手持ちのiPhone7Plusを使用してセッティングし、膨大な楽曲から、縦横無尽に音楽を楽しむことを主眼とした。
というわけで、様々なジャンルの音楽を次々と楽曲を再生してみた。J-POPやロックでは、透明感の高い中高域のおかげで、ボーカルやギターが伸びやか。太く、かつタイトなリズムセクションが音楽をさらに快活にしてくれる。また、アコースティックな音楽でも、楽曲の繊細さが損なわれることもなかった。そう思い知ったのは、話題の映画のサウンドトラックを再生した時のことだった…。
では、以下に特に印象に残った楽曲を挙げながら、音質のインプレッションを記してみたい。
まずは、Suchmosのアルバム『THE KIDS』から「STAY TUNE」をチョイス。エレキギターのカッティング、歌心溢れるベース、そしてボーカルの立ち上がりが素早く、小気味好いグルーブを醸し出してくれる。
■ソニーのDNAを色濃く反映させたコンパクトなワイヤレススピーカー
プロダクトとしての性能を追求しながら、同時にコンパクト化を図ること。銀座ソニービルでの「It's a Sony展」に並んだソニーの過去製品群を眺めると、連綿と受け継がれた、そのブレない思想に感嘆することしきりだった。そして、ここで紹介する“h.ear go”「SRS-HG1」も、紛れもなくそのDNAを色濃く反映させた製品であることがわかった。
本機はワンボックスのワイヤレスポータブルスピーカー。幅約20cmのバー形状。スピーカーユニットは高磁力ネオジウムマグネットを搭載した35mm口径フルレンジが2基、さらにパッシブラジエーターも2基(正面と背面)採用し、自然で深みのある低音再生を狙う。
詳しいサウンドインプレッションは記事後半で記すが、全体的には中高域がクリアで音の広がりも小型スピーカーらしからぬ印象。音量を上げてもブーミーにならず、一方で小音量再生時も音のバランスをきちんと保つ。
なお、こうしたコンパクトスピーカーでは、どのように低域を扱うかで、全体の音質が大きく左右される。最近、このような小型ワイヤレスモデルが続々と姿を現しており、またパッシプラジエーターを採用する製品も数多い。
ただ、そのチューニングは決して易しいものではない。それはこうしたスピーカーを実際に試聴しての正直な感想だ。小型ボディでは、低音域を稼ぐことが物理的に難しいわけで、それを他の帯域とのバランスを保ちながら表現しなければならない。パッシプラジエーターはそのソリューションのひとつであることは確かだが、どのように設計し、低域をいかにコントロールするかが肝要だと、改めて感じた次第である。
■Spotifyなど音楽サービスをスマホで手軽かつ高音質に楽しめる
本機はBluetoothに加えて、Wi-Fi接続にも対応。今回は、このポイントをクローズアップしてみたい。現在家庭内でインターネットを無線LANで楽しんでいるのであれば、設定は簡単。ネットワーク内に本機をぶら下げる(仲間入りさせる)ようにし、音楽の出口のひとつとして活用する、そんなイメージだ。
しかも、このところ、インターネット上では音楽のストリーミングサービスが日本でも本格的に立ち上がった。本機はそれを簡単、かつ存分に楽しめる機能があらかじめ搭載されている。中でもWi-Fi経由でSpotifyが高音質で楽しめるSpotify connectにいち早く対応。今回は手持ちのiPhone7Plusを使用してセッティングし、膨大な楽曲から、縦横無尽に音楽を楽しむことを主眼とした。
というわけで、様々なジャンルの音楽を次々と楽曲を再生してみた。J-POPやロックでは、透明感の高い中高域のおかげで、ボーカルやギターが伸びやか。太く、かつタイトなリズムセクションが音楽をさらに快活にしてくれる。また、アコースティックな音楽でも、楽曲の繊細さが損なわれることもなかった。そう思い知ったのは、話題の映画のサウンドトラックを再生した時のことだった…。
では、以下に特に印象に残った楽曲を挙げながら、音質のインプレッションを記してみたい。
まずは、Suchmosのアルバム『THE KIDS』から「STAY TUNE」をチョイス。エレキギターのカッティング、歌心溢れるベース、そしてボーカルの立ち上がりが素早く、小気味好いグルーブを醸し出してくれる。