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公開日 2017/07/03 10:30

Shure「SE846」と最新DAPを組み合わせ試聴。唯一無二のマルチBAイヤホン “現在の実力”

プレーヤーの色を引き出す多彩な表現力
野村ケンジ
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Shureの高級カナル型イヤホン「SE846」のサウンドを再確認

リリースは2013年と4年ほど前になるものの、アイデア満載の斬新なシステム構成から未だ直接的なライバルが登場しない、唯一無二のモデルとなっているのが、Shureの高級カナル型イヤホン「SE846」だ。

マルチBAドライバー搭載のユニバーサル・イヤーモニター、Shure「SE846」

静電型振動板を搭載するスペシャリティモデル「KSE1500」が登場したことで、フラグシップモデルとは言えなくなったものの、Shureが得意とするマルチBAドライバー搭載のユニバーサル・イヤーモニターというカテゴリーにおいては、変わらずトップエンドに位置する高級モデルであることに変わりはない。

中でも当時世界初となった、そして筆者の知る限りでは現在も「SE846」が唯一無二の、迷路のような溝がエッチングされたステンレスプレートを10枚重ねにすることで実現させたローパスフィルターの搭載は、マルチBAドライバーの音作りにおいて画期的なアプローチとなった。また交換式のノズルインサート機構を採用することで、中高域を好みのサウンドに仕立て上げることができるというのも、大いに人気を博したポイントだ。

このようにShure独自の手の込んだ構造によって、単なるマルチBAドライバー搭載モデルではない、格別の製品として認知されることとなった「SE846」だが、一方で、最良のサウンドを存分に楽しむためにはセッティングにちょっとしたコツが必要になるという、高級モデルらしいキャラクターも持ち合わせるようになった。

イヤーチップはシリコンタイプ、ソフトフォーム、トリプルフランジを同梱

付属ケーブルはMMCX

だがそれほどややこしい話ではなく、単純にプレーヤーの(ヘッドホンアンプ部の)実力、クオリティがそのまま出るというだけ。もちろん音量的には全く問題はない。ただ贅沢を言わせてもらうと、スマートフォンのヘッドホン出力などでは低域の表現が曖昧になるなど実力が発揮しきれず、ヘッドホン出力に自信を持つポータブルプレーヤーと組み合わせたり、単体ポータブルアンプを使ったりした方が十全に実力を発揮しうる製品と言える。

クリアな本体から見える内部構造がかっこいい。カラーは写真のクリアの他、ブルー/ブロンズ/ブラックを用意

交換式のノズルインサートを採用。自分好みの音に調整もできる

とはいえ、今は2017年。発売以来、様々なハイレゾ対応ポータブルプレーヤーの新製品がリリースされているし、その中にはヘッドホン出力の実力の高さを自慢する製品も少なからず存在している。そこで今回、最新の様々なポータブルプレーヤーと組み合わせて「SE846」との相性を確認すると共に、改めて「SE846」のサウンドの魅力を再確認してみたいと思う。

「SE846」のサウンドの魅力を再確認

次ページ最新ポータブルプレーヤーを使って、「SE846」のサウンドを再確認

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