公開日 2017/10/26 10:00
AKG「K550MKIII」でついに実現したケーブル交換、野村ケンジがその効果を検証
初代「K550」も所有する野村ケンジがレビュー
今月AKGから発売された「K550MKIII」。発売から長らく人気を保ち続ける密閉型ヘッドホンが、ケーブル交換対応となってリファインしたモデルだ。メンテナンスが容易になったほか、アップグレードケーブル「C200」にも対応し、従来モデルよりチューニングを突き詰めることも可能となった。
今回当サイトでは、前後編に分けてこのニューモデルのポテンシャルをチェック。山之内正氏がK550MKIIIの基本性能を分析した前編(関連記事)に続き、後編では「K550MKIII」を実際にケーブル交換した際の音質の違いを中心に、野村ケンジ氏がレビューする。
■唯一の変更点が大きなアドバンテージ。「K550MKIII」
AKGの密閉型ヘッドホンが、3代目となる「K550MKIII」へと進化した。はたして、どのようなアップデートが行われたかというと、最大にして唯一のポイントが“着脱式ケーブルの採用”となっている様子。そのほか、外観もカラーリングもドライバーの種類からチューニングまで、従来モデルの「K550MKII」と全く同じものだという。
とはいえ、着脱式ケーブルの採用というのは大きなトピックと言える。同社の開放型モニターヘッドホン「Q701」や「K712」同様、ケーブル端子には3pinミニXLRを採用するためメンテナンス性が高いだけでなく、すでにこのタイプの市販リケーブルが多々発売されていることもあって、自分好みのサウンドを追求することもできる。これは、かなりのアドバンテージといっていいだろう。
実際、初代「K550」を所有している筆者としては、この機能性アップは大いに気になるところだったりする。そこで、今回はAKG自らが用意するオプションケーブル「C200」をつかい、実際のサウンドがどのように変化してくれるのか、確認してみたいと思う。
■純正ケーブルで基本的なキャラクターをおさらい
ということで、比較のためにもまずは製品に付属する純正ケーブルのサウンドからチェックしていこう。なお、付属のケーブルは長さが3mほどと長めになっており、プロフェッショナルユースやホームユースにも配慮されていることが窺える。
また、導体にはOFC(無酸素銅)線を採用し、3.5mmプラグ(と6.3mm変換コネクタ)にも端子部分に金メッキ処理が施されているなど、クオリティ面でも一切の手抜かりはない。純正ケーブルも充分な作りとなっている。
はたして実際のサウンドはというと、ヌケの良い高域とフォーカス感の高い低域との組み合わせによって生まれる明瞭快活なサウンドキャラクターが特徴だ。ベースもドラムも勢いがあって、グルーブ感が高いエネルギッシュなサウンドを聴かせてくれるのだが、いっぽうで解像感もしっかりと確保されていて、細部のニュアンス表現までしっかりと拾い上げてくれる。
高域も、単にヌケが良いだけでなく、しっかりと倍音が揃ってくれるため、印象的でありながらも聴き心地も良い、絶妙なサウンドが楽しめる。このあたりは、振動板の振幅時に発生する背圧を最適化する独自技術「ベンチレーション・システム」や、バスポートを装備した内部ハウジング「インナー・バスレフ・エンクロージャ」など、K550MKIIIならではの独自技術による恩恵なのかもしれない。
今回当サイトでは、前後編に分けてこのニューモデルのポテンシャルをチェック。山之内正氏がK550MKIIIの基本性能を分析した前編(関連記事)に続き、後編では「K550MKIII」を実際にケーブル交換した際の音質の違いを中心に、野村ケンジ氏がレビューする。
■唯一の変更点が大きなアドバンテージ。「K550MKIII」
AKGの密閉型ヘッドホンが、3代目となる「K550MKIII」へと進化した。はたして、どのようなアップデートが行われたかというと、最大にして唯一のポイントが“着脱式ケーブルの採用”となっている様子。そのほか、外観もカラーリングもドライバーの種類からチューニングまで、従来モデルの「K550MKII」と全く同じものだという。
とはいえ、着脱式ケーブルの採用というのは大きなトピックと言える。同社の開放型モニターヘッドホン「Q701」や「K712」同様、ケーブル端子には3pinミニXLRを採用するためメンテナンス性が高いだけでなく、すでにこのタイプの市販リケーブルが多々発売されていることもあって、自分好みのサウンドを追求することもできる。これは、かなりのアドバンテージといっていいだろう。
実際、初代「K550」を所有している筆者としては、この機能性アップは大いに気になるところだったりする。そこで、今回はAKG自らが用意するオプションケーブル「C200」をつかい、実際のサウンドがどのように変化してくれるのか、確認してみたいと思う。
■純正ケーブルで基本的なキャラクターをおさらい
ということで、比較のためにもまずは製品に付属する純正ケーブルのサウンドからチェックしていこう。なお、付属のケーブルは長さが3mほどと長めになっており、プロフェッショナルユースやホームユースにも配慮されていることが窺える。
また、導体にはOFC(無酸素銅)線を採用し、3.5mmプラグ(と6.3mm変換コネクタ)にも端子部分に金メッキ処理が施されているなど、クオリティ面でも一切の手抜かりはない。純正ケーブルも充分な作りとなっている。
はたして実際のサウンドはというと、ヌケの良い高域とフォーカス感の高い低域との組み合わせによって生まれる明瞭快活なサウンドキャラクターが特徴だ。ベースもドラムも勢いがあって、グルーブ感が高いエネルギッシュなサウンドを聴かせてくれるのだが、いっぽうで解像感もしっかりと確保されていて、細部のニュアンス表現までしっかりと拾い上げてくれる。
高域も、単にヌケが良いだけでなく、しっかりと倍音が揃ってくれるため、印象的でありながらも聴き心地も良い、絶妙なサウンドが楽しめる。このあたりは、振動板の振幅時に発生する背圧を最適化する独自技術「ベンチレーション・システム」や、バスポートを装備した内部ハウジング「インナー・バスレフ・エンクロージャ」など、K550MKIIIならではの独自技術による恩恵なのかもしれない。