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公開日 2019/12/02 06:00

パナソニック「LUMIX DC-S1R」レビュー。妥協なきフラグシップの真価に迫る

現行フルサイズ機、トップクラスの表現力!
山田久美夫
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2008年に世界初のミラーレス機「LUMIX DMC-G1」を発売したパナソニック。昨年秋、10年目を迎えた新展開としてLUMIX初のフルサイズ機「LUMIX Sシリーズ」の開発が発表され、今年3月に登場した。

中でも、今回レビューする「LUMIX DC-S1R」は、「デジタルカメラグランプリ2019 SUMMER」、「デジタルカメラグランプリ2020」において、2期連続で総合金賞<ミラーレス>を受賞。さらに、「カメラグランプリ2019」で大賞を受賞するなど、きわめて高い評価を獲得している。今回は改めて、その魅力を探ってみたい。


パナソニック初のフルサイズミラーレス「LUMIX DC-S1R」。発売後も、ファームアップにより基本機能を大きく進化させるなど、今なお成長を続けている注目モデルだ。

■LUMIX初の「超本格派」フルサイズミラーレス

「LUMIX DC-S1R」は、LUMIX Sシリーズのフラグシップと位置付けられた、静止画向けの高画素モデルだ。まずはスペック周りをざっと見ていこう。

レンズマウントには、ライカ社のLマウントを採用。純正レンズはもちろん、Lマウントアライアンスにより、ライカ、シグマのLマウントレンズも装着できる。



イメージセンサーは有効4730万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載。パナソニック独自の空間認識AFを搭載し、画質面でやや不利な像面位相差方式はあえて採用していない。常用感度は最高ISO25600(静止画時。拡張ISO設定時は最高ISO51200)。

また、センサーシフト式のボディ内手ブレ補正機構(B.I.S.)を搭載し、ボディのみで6段分、レンズ側の手ブレ補正機能と連携することで、最高6.5段分もの補正効果を実現。さらに最近発表された「LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.」(2020年1月17日発売予定)との組み合わせ時は、最大7段分の補正効果を実現するとのこと。そちらもとても楽しみだ。

EVF(電子ビューファインダー)には、現行機トップレベルとなる約576万ドットの有機ELパネルを採用。連写速度は最高秒間約9コマ、AF追従で最高秒間約6コマだが、独自の6Kフォト機能により、約1800万画素相当で秒間30コマの撮影ができ、さらにシャッターを押す直前から記録できるプリ連写機能にも対応する。


メモリーカードスロットは、XQDカード、UHS-II対応のSDメモリーカードのダブルスロット。最新ファームアップにより、他社に先駆けてCFexpressカードへの対応も果たしている。

ボディサイズは、幅約148.9mm、高さ約110mm、奥行約96.7mm。質量はボディのみで約898g。今回のレビューは、Sシリーズの標準ズーム「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」を装着して行なったが、その組み合わせ時の重さは約1696g。フルサイズミラーレス機のなかでも屈指の大きさと重さだ。

ただし、もちろんそれは、多彩な機能とメカの高精度化や信頼性、徹底した熱対策など、フラグシップ機としての妥協を許さなかった結果であり、きちんとした理由がある。

次ページ「心地よさ」を感じさせる、細部へのこだわり

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