現行フルサイズ機、トップクラスの表現力!
パナソニック「LUMIX DC-S1R」レビュー。妥協なきフラグシップの真価に迫る
■しっくりとしたホールド感。「大きく重い」には理由がある
実機を前にすると、素直に「大きいなぁ〜」と思うし、手にするとやっぱりズッシリとした重さがある。しかし、いざ構えてみると、グリップが大きく、手のひら全体で支えられるため、しっくりとしたホールド感、安定感がある。レンズとのバランスもよく、不思議なほどに大きさや重さを感じさせないのに驚く。
むしろ、ビクともしないほどの、きわめて高いボディ剛性に、えもいわれぬ安心感と高級感を覚える。もちろん、首から提げていると、さすがに重く、肩首が凝る。だが、バッグに入れて持ち歩いてみると、意外に重さを感じないのも不思議なところ。
そう、冷静に考えると、本機の大きさや重さは、中堅クラスのフルサイズ一眼レフとほぼ同等。もちろん、レフ機のフラグシップ機よりは小型軽量だ。数年前まで、本格派モデルなら当たり前だった大きさや重さなのだが、小型軽量なミラーレス機に身体が慣れてしまった昨今では、まずその点を感じてしまうのだろう。
■現行機でトップレベルの見え味を誇るEVF
本機のEVFは、約576万ドットの超高精細な有機ELパネルを採用しているが、その見え味は現行機でトップといえるレベル。とてもきめ細かで、画面周辺まで歪みや色付きがなく実にクリア。ピントの芯も掴みやすく、マニュアルフォーカス時でも安心感がある。
しかも、表示される絵作りがとても自然で心地いい。また、画質モードなどを変更した際も、表示がリニアに変化するため、最終的に写る色や階調を、EVFできちんと確認しながら撮影できる点も嬉しい。表示も秒120フレームと超高速で、タイムラグもきわめて短く、動きモノの撮影にも十分対応できる。
さらに細かなことだが、ファインダー倍率が、デフォルト設定の0.78倍に加え、0.74倍、0.70倍の3段階で切り換えられる点も見逃せないポイント。倍率を下げることで、動きながらの撮影や縦位置中心の撮影などでは、視点を動かさずに全視野を見ることができ、メガネをかけている方も快適にフレーミングが行えるだろう。
また、シャッターの感触もいい。キレ味がよく、動作も静か。シャッターの振動も少なく、とても安心感がある。