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公開日 2022/04/11 15:39

日本初Fire TV内蔵テレビはどんな人にオススメ? Android TVとの違いもチェック

ヤマダとAmazonが共同開発
安蔵 靖志
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FUNAI製のFire TV搭載スマートテレビ「F340シリーズ」が登場した。ラインナップは55型、50型、43型の3モデルで、今回は43型の「FL-43UF340」をテストした。

「F340シリーズ」の43型モデル「FL-43UF340」をテスト

現在はGoogle系のAndroid TVを搭載するスマートテレビが主流で、Googleからは2015年にAndroid TV、2016年には既存のテレビを “スマート化” できる「Chromecast」がリリースされている。一方のAmazonはSTBタイプの「Fire TV」とスティック型の「Fire TV Stick」を2014年にリリースしてから次々に新モデルを市場投入してきているが、Fire TVを内蔵するスマートテレビは今回のモデルが日本初となる。

「F340シリーズ」は日本初のFire TV内蔵スマートテレビだ

F340シリーズはヤマダホールディングスとAmazonが協業して販売、開発はFUNAIが行っている。Fire TV機能が目玉だが、地上/BS/110度CSチューナーとBS4K・110度CS4Kチューナーを2基(1つは視聴専用、もう1つは録画専用)搭載しており、別売の外付けHDDを接続することでテレビ放送の裏番組録画もできるなど、通常のテレビ製品としても一般的な機能は備えている。

見たいコンテンツを選びやすい

FL-43UF340の電源をオンにしてまず感じたことは、VODに対する「テレビ放送とほぼ同等かそれ以上」という扱いと使いやすさだ。

Android TVの場合、YouTubeはもちろんのこと、Amazon Prime VideoやNetflix、Hulu、Disney+などさまざまなVODサービスを横断的に利用できる「プラットフォーム」という位置付けがベースにあるのか、ホーム画面は「サービス」の集合体であって「コンテンツ」の集合体という感じにはなっていない。一方、Fire TVはAmazon Prime Videoを擁するAmazonが提供するということもあって、主にAmazon Prime Videoで提供される「コンテンツ」がメインになっているのが大きな違いだ。

「テレビを起動したらYouTubeを開いて、好きな登録チャンネルのコンテンツを視聴する」とか、「Netflixボタンを押してテレビを起動する」というルーチンができあがっている人であれば、どちらでも使い勝手に大きな差はない。しかし、Android TVはホームボタンを押してホーム画面を出し、サービス一覧からサービスを起動するか、サービス内のおすすめコンテンツ一覧からコンテンツを選んでサービスを起動する、というワンクッションがかかる。

一方F340シリーズの場合、ホーム画面はFire TV Stickのそれとほとんど変わらないものとなっている。テレビを起動するだけでホーム画面が開き(電源オフ時にテレビ放送を視聴していた場合はそのチャンネルが起動する)、Amazon Prime Video中心にコンテンツが一覧表示される。Amazon Prime Video中心に視聴するユーザーの場合、コンテンツまでたどり着くまでの手間が省けるのが使いやすい。なお、ホーム画面に放送局のアイコンが並ぶのはFire TV Stickとの違いといえるだろう。

ホーム画面はFire TVの見た目とほぼ同じ。自分でカスタマイズすることもできる

リモコンのマイクボタンを押してキーワードを話しかけると、動画検索なども行える。動画はAmazon Prime Videoだけでなく、Netflixなどその他のVODサービス、YouTubeも含めて検索できるので便利だ。反応もキビキビしており、ひと昔前のAndroid TVやスティック端末よりストレスのない操作感が得られる。

リモコンはFire TV Stickのものをベースに、テレビ操作の各ボタンを追加したようなデザイン

設定メニューも充実。商品購入などの機能制限を掛けられるため、小さなお子さんが誤って購入してしまうといったトラブルを未然に防げる

高級感はないものの、狭額縁ですっきりとしたデザイン

本体はかなりのスリムベゼルで、ほぼ本体サイズいっぱいに画面が広がる。作り自体はそれほど高級感はないものの、映像の邪魔にならないデザインだ。

狭ベゼル設計で、前面下部にはFire TVのロゴがプリントされている

映像処理エンジンは「Clear Pix 2」を搭載し、BS4K・110度CS4K放送に採用されているHDR規格HLGにも対応する。実際にいくつかのコンテンツを視聴してみると、落ち着いた色合いで、暗部の黒つぶれもない。有機ELテレビの暗部階調性や、高画質液晶テレビの明るさなどにはおよばないものの、エントリーモデルとしては十二分な画質だと感じた。

4K/HDR対応でVODコンテンツもしっかり再生できる

スピーカーは下に向けて設置されており、音質はそこそこ。このあたりはエントリーからスタンダードクラスであれば、どのテレビも大きな違いはないので、高音質化したい人にはサウンドバーなどのスピーカーを追加することをおすすめする。

ただし、気になるのはリモコンの小ささだった。国内メーカーのテレビリモコンなどと比べるとかなり小さく、そこにチャンネルボタンなども備えているので、テレビのチャンネル操作などはしにくかった。子供や若い人は難なく使えるかもしれないが、老眼になる初老以降の世代には使いこなすのが難しいかもしれない。

リモコンは一般的なAndroid TV搭載テレビよりも小型。その分ボタンなども小さくなっている(写真はiPhone SE2と並べた様子)

家族で視聴するAmazonユーザーには特におすすめ

FL-43UF340は実勢価格がAmazonで76,780円(税込)、ヤマダウェブコムでは109,780円(同)だが、テレビの下取り値引きで76,780円(リサイクル料・収集運搬料が別途必要)となっている。

4KチューナーとAndroid TVを搭載するスマートテレビが5万円台から買えることを考えると、若干割高感があるのは確かだ。比較対象としては、4Kチューナー内蔵のテレビに「Fire TV Stick 4K Max」を接続するという方法もある。しかし、これはファミリーユーザーにはあまりおすすめできない。

というのも、「テレビ+USBスティック端末」の組み合わせの場合、単純にリモコンが増えることの煩わしさや、テレビとスティック端末それぞれのリモコンでの操作が必要になるなど、ユーザー体験がとても煩雑になってしまう。機器リテラシーの高い家族は使えるものの、そうでない場合は使いにくいだろう。

VODサービスの中でも特に安く視聴できるAmazon Prime Video(Amazonプライム会費は年額4,900円もしくは月額500円)のコンテンツにリモコン1つで手軽にアクセスできるというのは、ファミリーユーザーにとって魅力的なのではないだろうか。

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