PR 公開日 2022/10/31 06:30
10周年で達した新領域。Astell&Kern新旗艦DAP「A&ultima SP3000」が鳴らす“衝撃”サウンド
圧倒的S/Nと表現力
ハイレゾDAPの潮流を切り拓いてきたAstell&Kernから、待望のフラグシップモデル「A&ultima SP3000(以下SP3000)」が誕生した。Astell&Kernは2012年、ブランド初となるハイレゾDAP「AK100」を発売。本年はブランド誕生から10周年のアニバーサリーイヤーだ。この記念すべき節目に生まれたSP3000の持つ魅力に迫りたい。
AK100が発売されて以降、Astell&Kernはコンスタントに新製品を発表し、ハイレゾ音源の本格的な普及とともに存在感を増していったが、こうしたことの背景には、ハイレゾDAPのありようを他社に先駆けて標準化するかのような、Astell&Kernの戦略性があった。
デザイン性と金属マテリアルをふんだんに活用した筐体設計、最新ハイエンドDACチップの採用など、トピック満載の仕様は後発のハイレゾDAPブランドに大きな影響を与えている。だからこそ、そのフラグシップたる「A&ultima」シリーズには常に注目が集まっているともいえるだろう。
「A&ultima」シリーズの近年におけるリリースは、2019年に「A&ultima SP2000(以下SP2000)」、2021年に「A&ultima SP2000T(以下SP2000T)」が登場している。SP2000は当時、旭化成エレクトロニクス(以降AKM)から発表されたばかりの最新DACチップ「AK4499」を世界初採用となったことで話題となった。
SP2000TはAKM製DACチップ供給が難しくなる中、SP2000とは違うベクトルで最高峰DAPの方向性を提示すべく誕生したモデルである。ESS製「ES9068AS」を4基搭載した、ブランド初のクアッドDAC構成で、出力段を半導体であるオペアンプ駆動、KORGとノリタケ伊勢電子が共同で開発した現代の新型真空管「Nutube」を用いる真空管駆動、そして各々をハイブリッドで活用できる3つの出力モードを搭載。これが型番末尾の “T” が示す、“Triple” のゆえんだ。加えていずれのモードでもバランス駆動に対応したほか、A&ultimaシリーズでは初めて5極4.4mmバランス駆動出力を搭載したこともトピックといえるだろう。
そしていよいよ2022年秋、SP3000が登場した。目を惹くポイントは、AKMの最新フラグシップDACチップ「AK4499EX」とデジタルデータコンバーターチップ「AK4191」からなる、セパレート方式DACチップを世界初搭載した、HEXAオーディオ回路構造を取り入れたことにある。
さらに、このHEXAオーディオ回路構造によって、アンバランス/バランス回路を完全分離することで、ボトルネックとなるセレクタースイッチを排除したのがデュアルオーディオ回路だ。SP3000では3.5mmアンバランス出力に加え、バランス出力はSP2000Tに続いて2.5mmと4.4mmも装備している。
HEXAオーディオ回路構造の「HEXA」はギリシャ語で “6” を表すが、回路全体で用いるセパレート方式のDACチップ、AK4191とAK4499EXの数をあわせて6基となることから命名されている。AK4191は最高でPCM 1536kHz/64bit&DSD 45.1MHzまで処理できるデジタルフィルター・ΔΣモジュレーターで構成され、汎用的なDACチップのデジタル処理を担う。
なお、SP3000ではPCM 768kHz/32bit&DSD 22.4MHzまでのネイティブ再生対応となるが、処理を行うチップにその倍以上のレゾリューションを担えるだけの余裕があることは、動作の安定度、および安心感にもつながる要素ではないだろうか。
一方、AK4499EXは純粋なD/A変換を行うアナログ処理パートであり、電流出力型構成の2ch DACだ。セパレート方式DACの大きなメリットは、端的に言えば、デジタル部からのノイズがウエハーを通してアナログ部へ伝わることがなく、S/Nの点で優位になることである。
また、AK4499EXは電流生成用抵抗素子のミスマッチを減らす「DWA Routing Technology」が用いられており、SP2000に搭載されていたAK4499より、1chあたりのS/N比が1dB改善。回路上でもオーディオブロックがノイズや電磁波の影響を受けぬよう、導電性の高い高純度銀を塗布したシールドケースでカバーするなど、チップだけではなく、基板全体を俯瞰した徹底的なノイズ対策が施されている。
これにより、Astell&Kernのプレーヤー史上最高のS/N比となる130dBを実現。SP3000のようなDAPからイヤホンを通し、耳元でハイレゾ音源を聴くシーンではこれらの技術が大きく作用する。
AKMの最新旗艦DAC「AK4499EX」による贅沢なオーディオ回路構成を搭載
AK100が発売されて以降、Astell&Kernはコンスタントに新製品を発表し、ハイレゾ音源の本格的な普及とともに存在感を増していったが、こうしたことの背景には、ハイレゾDAPのありようを他社に先駆けて標準化するかのような、Astell&Kernの戦略性があった。
デザイン性と金属マテリアルをふんだんに活用した筐体設計、最新ハイエンドDACチップの採用など、トピック満載の仕様は後発のハイレゾDAPブランドに大きな影響を与えている。だからこそ、そのフラグシップたる「A&ultima」シリーズには常に注目が集まっているともいえるだろう。
「A&ultima」シリーズの近年におけるリリースは、2019年に「A&ultima SP2000(以下SP2000)」、2021年に「A&ultima SP2000T(以下SP2000T)」が登場している。SP2000は当時、旭化成エレクトロニクス(以降AKM)から発表されたばかりの最新DACチップ「AK4499」を世界初採用となったことで話題となった。
SP2000TはAKM製DACチップ供給が難しくなる中、SP2000とは違うベクトルで最高峰DAPの方向性を提示すべく誕生したモデルである。ESS製「ES9068AS」を4基搭載した、ブランド初のクアッドDAC構成で、出力段を半導体であるオペアンプ駆動、KORGとノリタケ伊勢電子が共同で開発した現代の新型真空管「Nutube」を用いる真空管駆動、そして各々をハイブリッドで活用できる3つの出力モードを搭載。これが型番末尾の “T” が示す、“Triple” のゆえんだ。加えていずれのモードでもバランス駆動に対応したほか、A&ultimaシリーズでは初めて5極4.4mmバランス駆動出力を搭載したこともトピックといえるだろう。
そしていよいよ2022年秋、SP3000が登場した。目を惹くポイントは、AKMの最新フラグシップDACチップ「AK4499EX」とデジタルデータコンバーターチップ「AK4191」からなる、セパレート方式DACチップを世界初搭載した、HEXAオーディオ回路構造を取り入れたことにある。
さらに、このHEXAオーディオ回路構造によって、アンバランス/バランス回路を完全分離することで、ボトルネックとなるセレクタースイッチを排除したのがデュアルオーディオ回路だ。SP3000では3.5mmアンバランス出力に加え、バランス出力はSP2000Tに続いて2.5mmと4.4mmも装備している。
HEXAオーディオ回路構造の「HEXA」はギリシャ語で “6” を表すが、回路全体で用いるセパレート方式のDACチップ、AK4191とAK4499EXの数をあわせて6基となることから命名されている。AK4191は最高でPCM 1536kHz/64bit&DSD 45.1MHzまで処理できるデジタルフィルター・ΔΣモジュレーターで構成され、汎用的なDACチップのデジタル処理を担う。
なお、SP3000ではPCM 768kHz/32bit&DSD 22.4MHzまでのネイティブ再生対応となるが、処理を行うチップにその倍以上のレゾリューションを担えるだけの余裕があることは、動作の安定度、および安心感にもつながる要素ではないだろうか。
一方、AK4499EXは純粋なD/A変換を行うアナログ処理パートであり、電流出力型構成の2ch DACだ。セパレート方式DACの大きなメリットは、端的に言えば、デジタル部からのノイズがウエハーを通してアナログ部へ伝わることがなく、S/Nの点で優位になることである。
また、AK4499EXは電流生成用抵抗素子のミスマッチを減らす「DWA Routing Technology」が用いられており、SP2000に搭載されていたAK4499より、1chあたりのS/N比が1dB改善。回路上でもオーディオブロックがノイズや電磁波の影響を受けぬよう、導電性の高い高純度銀を塗布したシールドケースでカバーするなど、チップだけではなく、基板全体を俯瞰した徹底的なノイズ対策が施されている。
これにより、Astell&Kernのプレーヤー史上最高のS/N比となる130dBを実現。SP3000のようなDAPからイヤホンを通し、耳元でハイレゾ音源を聴くシーンではこれらの技術が大きく作用する。
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