PR 公開日 2023/04/26 06:30
DAPだけで満足していたのに…Astell&Kernのポタアン「AK PA10」で愛機の隠れた魅力に気づかされた
オーディオ沼が広がる、今こそ使いたい一台
ハイレゾDAPがポータブルオーディオ市場に浸透してきたこの10年、ユーザーの音質志向や駆動力確保の観点で重宝されてきたアイテムが、ポータブルヘッドホンアンプである。
しかしDAPそのものの高出力化、省スペース化の傾向も相まってその規模は縮小傾向であった。特にUSB DACを内包しない、アナログポータブルヘッドホンアンプはよりマニアライクなアイテムとなっていき、近年は希少な存在となっている。
そうしたなか、ハイレゾDAPの市場をけん引してきたAstell&Kernから、同ブランドとして初のClass A(A級動作)方式のアナログポータブルアンプ「AK PA10」が誕生した。
Astell&KernのDAPは駆動力の高さ、またライン出力設定では据置き型製品顔負けの高出力が特徴でもあり、ポータブルアンプを発売する意図がどこにあるのか、個人的にも気になるところである。早速その実力をチェックしよう。
現在イヤホン/ヘッドホンが市場に溢れ、DAP側に求められる許容量も相当広いものが必要となってきている。駆動力の高さもその指標の一つではあるが、音量は取れても音質は硬くなってしまうなど、高出力であっても聴感的にもそれが理想であるとは限らないケースも多い。
だからこそ、表面上のスペックでは見えてこない、音質面へのアプローチが今改めて注目されてきたのだろう。ゆえにAstell&Kernがポータブルアンプを出す意図が、ここにある。だからこそ、古くから音質的に有利だとされるClass A方式のアンプ構成を採用し、一際自然で流麗なサウンドを目指したのではないだろうか。
A級アンプは、出力段の素子が持つ動作曲線上の直線部分に動作点を置く手法で、歪みが少なく、入力波形への追随性も高い、滑らかなサウンドが大きな特徴となる。その反面発熱でのロスも含め、消費電力も大きく、駆動時間が少なくなることからポータブル機器での採用例は少ない。
しかしAstell&Kernではそのデメリット以上に、A級アンプならではの音色、表現力に魅力を感じていたことから、長年のアンプ回路設計技術を生かし、A級アンプでもノイズを除去しつつ消費電力も抑え、高出力も達成した理想的な構成を実現。その成果をAK PA10に注ぎ込んだのである。
AK PA10は自社のDAP製品にも投入している、主要回路を一体化した独自のサウンドソリューション「TERATON ALPHA」を組み込み、効率的な電源管理と電源ノイズの除去、歪みを抑えた増幅を実現した。
入出力は3.5mmアンバランスと、5極4.4mmバランスの2系統が用意されているが、それぞれ物理的に分離した、理想的な回路構成を採用。アンバランス→バランス、もしくはその逆の変換回路は設けておらず、入力・出力とも同じ端子構造のものを使う必要がある。
筐体には、人間工学に基づいて握りやすさを考慮した八角柱型のアルミボディを採用。片面はラバーパッドを設け、DAPを重ねた際も滑ることなくホールドできる。最大約12時間もの駆動時間を絞り出す4200mAhの大容量バッテリーを備え、比較的大柄なスタイルであるが、ラバー設置面の逆側は傾斜を設け、スマートに見えるデザインを採用。ゴムバンドで束ねる際にも煩わしさがないところも利点だ。
ボディ側面には3つのモード切り替えスイッチを用意。それぞれカレントコントロール、ゲインコントロール、ハードウェア・クロスフィードのモードを切り替えられる。
カレントコントロールは様々なIEMやヘッドホンに合わせた電流をコントロールし、音の濃密さやディテール、空間性をさらに引き出すことができる機能性だ。電流値に対するA級アンプの特性を強調し、より力強いサウンドを生み出せるといい、デフォルトのLowに対し、+50mAのMid、+100mAのHighが選択可能だ。
ゲインコントロールはデフォルトがLow、もう一方がHighとなる。ゲインがHigh設定でバランス駆動時には最大6.2Vrmsの高出力を実現。また推奨ヘッドホンインピーダンスは16Ω - 300Ωまでとされているので、鳴らし難い主要なハイエンドヘッドホンのほとんどに対応できるであろう。
ハードウェア・クロスフィードは片chのオリジナル信号の一部をミックスし、これを時間差で逆chに送って音像を中央に定位させる技術で、スピーカー再生に近い音像表現をもたらす機能である。AK PA10ではソフトウェアベースではなく、ハードウェア回路設計によって実現しているため、原音の音質を損なわずシームレスなクロスフィード再生が可能だという。
音量調節はアナログボリューム方式だが、音量調節機構とクロスフィード、アンプブロックごとに電源ICを分けており、各部に最適な電力を供給する構造としている。そのためDC-DC変換電源の干渉リップルノイズを排除し、音とともに増幅されてしまうノイズを最小限に抑えることができているという。
また、オーディオブロックには独自のシールド缶技術を採用。外来ノイズや電磁波の混入も防ぐとともに、アンバランス/バランス回路の物理的な分離構造も相まって、高出力ながらも低歪・低ノイズを実現している。
しかしDAPそのものの高出力化、省スペース化の傾向も相まってその規模は縮小傾向であった。特にUSB DACを内包しない、アナログポータブルヘッドホンアンプはよりマニアライクなアイテムとなっていき、近年は希少な存在となっている。
そうしたなか、ハイレゾDAPの市場をけん引してきたAstell&Kernから、同ブランドとして初のClass A(A級動作)方式のアナログポータブルアンプ「AK PA10」が誕生した。
Astell&KernのDAPは駆動力の高さ、またライン出力設定では据置き型製品顔負けの高出力が特徴でもあり、ポータブルアンプを発売する意図がどこにあるのか、個人的にも気になるところである。早速その実力をチェックしよう。
長年のアンプ回路設計技術を生かし、理想的な構成を投入
現在イヤホン/ヘッドホンが市場に溢れ、DAP側に求められる許容量も相当広いものが必要となってきている。駆動力の高さもその指標の一つではあるが、音量は取れても音質は硬くなってしまうなど、高出力であっても聴感的にもそれが理想であるとは限らないケースも多い。
だからこそ、表面上のスペックでは見えてこない、音質面へのアプローチが今改めて注目されてきたのだろう。ゆえにAstell&Kernがポータブルアンプを出す意図が、ここにある。だからこそ、古くから音質的に有利だとされるClass A方式のアンプ構成を採用し、一際自然で流麗なサウンドを目指したのではないだろうか。
A級アンプは、出力段の素子が持つ動作曲線上の直線部分に動作点を置く手法で、歪みが少なく、入力波形への追随性も高い、滑らかなサウンドが大きな特徴となる。その反面発熱でのロスも含め、消費電力も大きく、駆動時間が少なくなることからポータブル機器での採用例は少ない。
しかしAstell&Kernではそのデメリット以上に、A級アンプならではの音色、表現力に魅力を感じていたことから、長年のアンプ回路設計技術を生かし、A級アンプでもノイズを除去しつつ消費電力も抑え、高出力も達成した理想的な構成を実現。その成果をAK PA10に注ぎ込んだのである。
AK PA10は自社のDAP製品にも投入している、主要回路を一体化した独自のサウンドソリューション「TERATON ALPHA」を組み込み、効率的な電源管理と電源ノイズの除去、歪みを抑えた増幅を実現した。
入出力は3.5mmアンバランスと、5極4.4mmバランスの2系統が用意されているが、それぞれ物理的に分離した、理想的な回路構成を採用。アンバランス→バランス、もしくはその逆の変換回路は設けておらず、入力・出力とも同じ端子構造のものを使う必要がある。
筐体には、人間工学に基づいて握りやすさを考慮した八角柱型のアルミボディを採用。片面はラバーパッドを設け、DAPを重ねた際も滑ることなくホールドできる。最大約12時間もの駆動時間を絞り出す4200mAhの大容量バッテリーを備え、比較的大柄なスタイルであるが、ラバー設置面の逆側は傾斜を設け、スマートに見えるデザインを採用。ゴムバンドで束ねる際にも煩わしさがないところも利点だ。
ボディ側面には3つのモード切り替えスイッチを用意。それぞれカレントコントロール、ゲインコントロール、ハードウェア・クロスフィードのモードを切り替えられる。
カレントコントロールは様々なIEMやヘッドホンに合わせた電流をコントロールし、音の濃密さやディテール、空間性をさらに引き出すことができる機能性だ。電流値に対するA級アンプの特性を強調し、より力強いサウンドを生み出せるといい、デフォルトのLowに対し、+50mAのMid、+100mAのHighが選択可能だ。
ゲインコントロールはデフォルトがLow、もう一方がHighとなる。ゲインがHigh設定でバランス駆動時には最大6.2Vrmsの高出力を実現。また推奨ヘッドホンインピーダンスは16Ω - 300Ωまでとされているので、鳴らし難い主要なハイエンドヘッドホンのほとんどに対応できるであろう。
ハードウェア・クロスフィードは片chのオリジナル信号の一部をミックスし、これを時間差で逆chに送って音像を中央に定位させる技術で、スピーカー再生に近い音像表現をもたらす機能である。AK PA10ではソフトウェアベースではなく、ハードウェア回路設計によって実現しているため、原音の音質を損なわずシームレスなクロスフィード再生が可能だという。
音量調節はアナログボリューム方式だが、音量調節機構とクロスフィード、アンプブロックごとに電源ICを分けており、各部に最適な電力を供給する構造としている。そのためDC-DC変換電源の干渉リップルノイズを排除し、音とともに増幅されてしまうノイズを最小限に抑えることができているという。
また、オーディオブロックには独自のシールド缶技術を採用。外来ノイズや電磁波の混入も防ぐとともに、アンバランス/バランス回路の物理的な分離構造も相まって、高出力ながらも低歪・低ノイズを実現している。
次ページDAPが本来持つサウンドの伸び、有機的な表現力を効果的に引き出す